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37話 国を強くしていこう

 武闘場でキンキンキンッと剣を打ち合わす音が響く。

 舞台の上で俺をゲシィ、ベアン、ガウの魔王将が囲んで立っている。

 そう今回の旅で俺のレベルが上がったので俺の部下である魔王将を、こうして鍛えているのだ。

 訓練は朝から開始してもう2時間も続いている。

 誰も泣き言どころか愚痴すらこぼさないのは、さすが俺直属の将といった所か。


 俺が次に動いた時それぞれの懐に飛び込み、怪我をしない程度に剣を打ち込む。

 勝負ありだ。


 俺に敗れたとはいえこれで三人の魔王将のレベルも大きく上昇したところだろう。

 俺には聞こえないがベアン、ゲシィ、ガウの耳には、それぞれレベルアップを告げる世界のメッセージが聞こえているはずだ。


「まいりました、ただでさえ雷光のような動きが、さらに早くなっておりますな。いやはやさすがは陛下です」

「ありがとう、でもベアンはしっかり一動作ごとに対応してたじゃないか」


「我が君、私はどうですか? 悪いところがあったら遠慮なく言ってくださいね」

「ガウはちょっと鈍ってるかな。

 とは言っても一般から見ればバケモノみたいな強さだけどね。厳しく言うのも、ガウならもっと上に行けると思うからなのさ」


 ベアンもガウから元の姿に戻ったアンダルシアも、空いた時間で鍛錬を怠けていないことが今の勝負でわかった。


 二人とも職務が……とくにアンダルシアは俺の代理で忙しいのに。

 強さを損なっていないのは本当に感心する、本来なら魔王将筆頭にしたいぐらいだ。


 そのとき、ドサっと音がするが俺は音の方には目を向けない。

 魔王将筆頭のゲシィがあおむけに倒れながら、俺が斬った部分 (みねうち)を自分で、撫でて


「女神様、おぉ……このケシ太郎がご褒美をいただけるとは……ハァハァ」と気持ち悪くつぶやいててもだ。

 絶対に目を向けるもんか !(ゲシィからの熱い視線も背中に感じている)



 アンダルシアの報告によると、傭兵業は利益が出てるんだけど、教導業はマイナスになってるなぁ。

 魔王将クラスのコースは黒字だけどね。

 他の教官がそんなに強いわけじゃないから仕方ないかもしれない。

 なんせ上級兵士が教官だもんなぁ。

 まぁ少しずつ業績を伸ばすとして、黒字にするには強いやつをスカウトすることだな。


 俺には幸い昔の知り合いというツテがあるし、なんとかなるだろう。





 やることを終えた俺は午後から人材探しの旅に出る。

 今回、オウは連れて行かない。トウ・ダーラで兵士たちを鍛えてもらうのだ。

 週に一度の国民訓練日もオウ次郎レベルが教官なら、国民のレベルも一気に上昇するだろう。

 上級兵士が教える普段とはレベルアップ値が比べ物にならないはずだ。


「国民が城に集まり、レベルを上げる大事な国民訓練日だからね。こっちは僕に任せて兄貴は戦力集めを頑張ってね。」

「おたがいどれだけ大きな成果を出せるか勝負だな」


「そうだね」オウが差し出した手を俺は強くはじく。

 ぱあんと小気味良いハイタッチ音が鳴りひびいた。


 さて俺の新パーティーはというとニャハル、ベアン、アンダルシア、ケシ太郎 (ゲシィ)の四人である。

 しかしこのメンバーに文句をつける人間がいる。

 そう【アンダルシア】である。


「我が君がいくなら私も行きます。オリジナルは残って内政でも何でもしてればいいじゃないですかー」


「おあいにく様です、ソンクウ様のお命を守る大役は分体には無理なんですー」


 不毛な本人同士の言い合いがはじまった。

 そうなのだ。

 今アンダルシアは二人いて、オリジナルと魔法で作られた分体のアンダルシアが存在している。


 こうなった原因はミラルカだ。

 ヒトと一緒にイフマナスに帰る前に、アンダルシアの、


 「愛する人と一緒にいれてうらやましいです」という言葉を聞いた彼女は、アンダルシアに新魔法分体作成魔法ドッペルを授けた。

 恋する気持ちに共感したかららしいが、なんとこのドッペル魔力消費が1なのに。

 効果はミラルカの分体と同じというとんでもない魔法だったりする。


 こうしてアンダルシアは自由に動けるようになったのだ。

 とは言っても責任感の強い彼女は、俺の旅に同行するとき以外はドッペルは使わないけどね。

 ま、そんな感じで俺たち新パーティーはトウ・ダーラを出発した。


「ソンクウ様、我らはどちらに向かうんでしたかな」


「ケシ太郎忘れるなよ、傭兵業、教導業と『強さ』が我が国の売りだろ? 強さは体を鍛える以外にも上げる方法があるよな。そう武器だよ」

 

 おおそうでしたとケシ太郎が言う。

 俺たちが目指すのは、武器製造のための鍛冶師がいる町アナトグラムだ。

外伝のななつのくにに出た登場キャラを出していきます。この章は長くなるかも知れません。


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