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36話 魔神の封印について

 さてテッキ国と俺のトウ・ダーラ国の後始末だけど。

 俺達が殺した兵士はニャハルにいって、全員生き返らせた。


 魔法の中に【復活と新生を司る神】ライブスを源にする蘇生魔法ライブセイクがあって。

 ニャハルはそいつを使ったのだ。

 利用されていた魔物はトウ・ダーラで引き取ることにする。


 魔物達に聞くとうちに来たいだそうだ。


 それからゴーレムとカノンの改良されたコアは、残骸の中からすべて回収してトウ・ダーラ国で保管。

 封印することに決まった。


 何かに再利用できるかもしれないし、禁忌指定兵器に運用しなければ問題ないので。

 そしてテッキ王には賠償金5億ディオンを払わせる事にした。

 


「そんな金とても」と泣き言を言うがしったことじゃない。

 そもそもお前が、野心持たなきゃ起きなかったことなんだからな。


 魔法をこめた特別製のスクロールに記して記録する。

 こうすることで万象の神々が証人となる約定が完成するのだ。


 あとオーリンジ達ルルニカの森のドリアードはトウ・ダーラへ引っ越しする。

 ドリアードに生まれた森を離れる習慣がなく、オージについて行きたいけど森も離れたくないとごねられたからなんだが。



「僕に任せてよ。いいよねニャハル」


 ミラルカはにこやかに右腕をブンっと振る、ほんの少しだけ。

 魔力がこもっているのがわかった。



「ニャアが何か言う前に終わらすにゃー。まっ、ばばあもこのことで文句言わないだろうから、いいと思うにゃ。

 マスターも氣にしないだろうしにゃあ」


 何の話? と思ったけどすぐわかった、見慣れた俺の城が目についたからなのだ。


 つまりルルニカの森とトウ・ダーラ国の土地を入れ替えたのだ。

 ミラルカはどんなもんだいと大きな胸を張っている。


 いやいやいや。

 あらためて神越えのデタラメさというか規格外さがわかるな……。


 そんな感じで俺たちは見つけたオージを苦労することなく。

 トウ・ダーラへと連れ帰ることができたのだった。





 いや~~なつかしの我が城だね。みんなも壮健だし。

 何よりみんな俺たちが戻ってきたことを素直に喜んでくれた。

 両手を広げてアンダルシアが俺に駆けてくる。



「おかえりなさい我が君、ずっと待ってましたよー。どうですか七勇者は見つかりました?」


 俺は胸に抱き寄せられた。感触は柔らかくて暖かい。

 お互いに強く抱き合っているため体温が心地よくかんじるよ。


 なんだろう、俺はうまくは言えないけれど自分の家に帰ってきたんだなと実感がわいた。



「ただいま。へへーちゃんと見つけてきたぜ。紹介するよ俺の弟子のオーリンジだ、転生して赤いドリアードやってる。

 忘れてた。オージは仕事いるかい? それともルルニカの森でのんびり暮らすか?」


 挨拶まわりしていたオージがこっちを見ながら答えた。



「俺の事はアベルの采配に任せるよ。それと他のドリアードは基本森にいるけど、この国の戦力に入れてもらって構わない。みんなも了解済みだ。」


 そうかだったら話が早いね。


 この後俺はオージに親衛隊の隊長の役を授けた。

 魔王将にしなかったのはより魔王の近くにいてなおかつ戦時中は、魔王将よりも自由に動けるからだ。


 こうして今回手に入れたものの処理も済んだし、次の七勇者を探すとするか……。

 と思っていたけどここで問題が発生する。


 サンがとんでもないことを言い出したのだ。



「ああ~索敵ができなくなってるっす!!!」


 杖を何度も地面につきながらサンが大慌てしているのだ。なんですと!

 それじゃ探しようがないじゃないか。

 するとミラルカが、おそらくと言いながら仮説をいう。

 内容は魔神についてだった。



「魔神の大権を使った妨害で、きっとジャミングがかかってるんだよ。創造神の封印で大権のすべてを引き出せはしないけど、要所要所で創造神側の邪魔をしてくるのはさすがだよね……でも」



 ばふっと一回ヒトの腕に顔を寄せてミラルカは猫みたいになって続ける。



「いいかえれば七勇者がそろうのを魔神イブナスは、なにより恐れてると言えるよ。

 心配しなくても封印をすべて破壊しないと解けないんだから、気長に探せばいいとおもうよ」


 えっそうなの? だってサンは急いで探せみたいな雰囲気を出してたじゃん。

 俺がサンを見ると、


「バルケスティ様の封印は十二個あってすべて破壊しないと封印が解けることはないっす。魔神が持つ大権のみで封印を破ることは可能っすけど、時間が40年かかるっす。アレッ!? ソンクウさんなんで怒ってるっすか」

「それなら、今すぐ探さなくてもいいだろ! 近い将来とか紛らわしい表現使うなよな!」


 むかついた俺は、サンのほっぺたをみょ~んと伸ばしながら説教した。


 そういえば、神々含めて天界の住人は時間の概念が希薄なのを忘れていたぜ。

 そういうことなら七勇者を急いで探すこともないね。


 向こうからやってくるかもしれないし。

 そうなるようにも策をうつとして。



「フェン、ミラルカ、急な呼び出しに応じてくれてありがとう助かったよ。お礼にヒトを預ける、向こうで鍛えてやってくれ」


 俺はよーし、とミラルカとヒトが左右対称でガッツポーズをとるのをほほえましく思った。


 それとオージからミラルカとフェンに質問が飛ぶ。

 うん聞きそびれていたけど、俺も聞きたかったことだった。



「二人は俺を恨んでないのか? 俺が倒した魔王ゲールプグナは、ミラルカ殿の身内だろう。

 奴を倒した事に悔いはないが、あんたたちも俺を許せないはずだ」

「それなら俺もイフマイータを倒して魔族の世を終わらせている、さぞ憎いだろうね?」


 フェンとミラルカは顔を見合せてうなずく

 そして俺たちへと顔を向けてフェンが返答した。


 その目に憎しみは、ひとかけらもなかった。


「魔族は強きものを重んじる、アベルもオレンジバナナ殿も、悪辣な罠など用意せずに真っ向から戦った。

 力と力の真剣勝負だ。

 そしてアベルとオレンジ殿が勝った、そう、それだけの事なのだ。

 その勝者を憎む事は敗れたイフマイータ様とゲールプグナ様を辱める行為なのだ、人間種はどうかはわからぬが、我々魔族はそう考える……よって恨む気持ちなどないのだよ」


 じーさん。オレンジじゃなくてオーリンジだぞ。

 オーリンジはちょっと不機嫌になってるし、どうしたもんだろう。



 しばらくするとヒトを連れて、ミラルカとフェンはイフマナスへ転移で帰った。

 サンも一度天界へ帰り他の使者と情報共有して、魔神のジャミングをどうにかできないか調べるらしい。



 俺はこの後の方針は決めてある。


 40年後に来る戦いに向けて、国をでかくしていく。戦力を集めるのだ。



「我が君が楽しそうで何よりです」


 優しくアンダルシアが声をかけてくる。


 そうとも世界中を回って人材を集めるぜ。

 俺の頭の中で構想していた【ななつのくに】。その完成を目指して、心は燃えている。

魔神は魔族からも嫌われています。魔神の感覚が昔の儘で千年後の世界に適応してる魔族からしたら、自分が生んだ種が一番じゃないといやだと駄々をこねる、神にしか見えないからですね。 

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      助かります。次の章が完結したらまとめて投稿します。ノベプラ様で投稿してるのでそちらもよければ見てくださいね。

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