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28話 はじめてのギルド

 俺が神越え達をこえるだって。

 このことを聞いたミラルカの表情はう~んや、ええっところころ変わって忙しい。

 そうだな俺も気持ちはよくわかるよ。

 俺が神越えをこえるなんて自分で想像できないもん。

 俺の気持ちを察したのか、俺を抱っこするヴァルハラハルが顔を覗き込んでいう。



「もちろん、今のままじゃ無理にゃあ。マスターは魔神に分割されてるから。そこで鍛える師匠の役目のニャアがいるのにゃん。

 先の事はニャアに任せるにゃぞ」


 ええと、ところどころよくわからない部分があったけど……俺が分割……なんだって?


 俺は俺だぞ。



 だが俺の腹は決まった。

 ここからさらに強くなれるのならその垂れてきた糸をつかまぬ手はない。


 力なき正義に理想を語れるほど、この弱肉強食の世界は甘くないのだ。

 困った人は助けたい俺のスタンスは、俺が強くなるほど助けられる人も増えるしね。


 ヴァルハラハルのいうことは俺には願ったりかなったりだったのである。

 そうと決まったら、何としてもヴァルハラハルを封印させるわけにはいかない。



「ミラルカちょっといいかい?」


 俺はヴァルハラハルを封印しないよう、ミラルカに言った。


 ミラルカは難しい顔をするも、俺がちゃんとヴァルハラハルが善悪の区別がつくように教育するという条件。

 そして裏技、〈ミラルカに見えぬようヒトに目配せ→「ミラルカ……俺からもたのむっす」〉でなんとか魔帝の「キル君まで。もぅズルいよぉ」と了承を勝ち得たのだ。

 


 このあとニャハルの思念が魔物の形になったあの化け猫はまた大岩に封印した。

 岩が塚の役割になり化け猫はこの中で眠りに入るだろう。

 村も名所をなくさずにすむね。



「マスター、ニャアに名前つけてにゃん。名付けされることでマスターとニャアがさらに強く結びつくにゃ。

 にゃにしろ、これしないと使い魔をとられる事もあるから危険にゃ」


 あぁそうだったっけ?。

 何がいいかな、うーん。





「キル君また会おうね、それと『ニャハル』! 世界を危険にさらしたら今度は容赦しないからね。最悪殺すことになるかもしれないよっ」

「いやそれ嘘にゃろ。あの時ばばあとミラルカなら、ニャアを殺せたはずにゃ。

 でも二人は封印にとどめてくれた。閉じ込められてるときに氣づいたにゃ。ニャアたちは種族は違っても『神越え』の少ない仲間にゃ。

 ばばあ……アーガシアがニャアを殺したくないと思ったのは今のニャアならわかるにゃ。もちろんミラルカが口で言っても、ニャアを殺す気がないのはわかってるにゃん」


「少しは成長したのかなぁ。今の君は嫌いじゃないよ。君を預かるソンクウに恥をかかせないでよ~」



 ヴァルハラハルあらため、ニャハルの成長した口ぶりに気をよくしたミラルカは、きたときとはうって変わった態度になり、最後はニャハルと握手して帰っていった。



 ふう……どっと疲れが出た気分だ、嵐は去った。

 現場にもう一個の嵐をのこしてだけど。



「なぁニャハルはその状態でついてくるのかい? 封印されてたと言っても、お前をしる古い魔王とかいるんだろ?」

「にゃん。心配ご無用にゃ。ニャアは姿を猫から猫のハーフボルト。おまけに本性の大化猫までなんでもなれるにゃ」


 俺はニャハルの判断で、状況にあった姿に変身するようにいった。

 これでニャハルを神越えと知る人間にばれずに、すむはずだ。

 


「どうぞ。こちらが7,000万ディオンになります。」

「とりあえず俺個人じゃなく、トウ・ダーラ用のライフカードに入金しとくかい」


 札をはがせた報奨金を入金するべく、俺は掌の上に意識を集中させる。

 キンと音がすると、掌の上にカード状のエネルギーが浮かんだ。

 そこに受け取った7000万ディオンを近づけると、金貨はスポッとカードの中に入る。


 これで俺名義の国用ライフカードに、7000万が入金されたことになる。

 うん何度使っても便利なもんだ。



 これは冒険者に限らずこの世界の者は同じようにライフカードが、生まれた時から使える。

 ひとえに【貯えと財を司る神】ゴールドディオンの恩恵だ。


 まぁ異世界でいうところの通帳とキャッシュカードが一つになったようなものと思ってくれていい。

 違うのは紛失の心配がないところかな。



「もうけましたね、これも全部ニャハルのおかげといった所ですか」

「にゃっ。ヒト三郎もっとほめてにゃ」


「そうだなニャハルのおかげだ。次の目的地に言ったら豪勢な飯でも食うか」


 ヒトの言う通り、これはニャハルの手柄と言っていいだろう。



「兄貴すごくうれしそうだね」

「次の目的地ってどこっす?何かあてでもあるんすか」


 サンの言葉に俺はこう返した。


「まあな。俺にいい考えがある。まかしとけばいいさ」





 俺達は大きな建物、ギルドの前に立っていた。

 おっと注意事項を忘れてた。

 俺はパーティーの全員に確認する。


「この中でだれかギルドにきた事ある人いる?」

「ないんだなこれが」


「僕も」

「天人で冒険者する人はいねーす」


 ヒトもオウもサンもなしかい。


「ギルドの洗礼があるけど、何が起きても黙って見ていてくれ。いいね」


 俺は全員の了解を聞くと、ギルドへ入る。


 なつかしいな、雰囲気は千年前から変わっていない。


 俺達に氣づいた受付嬢が声をかける。

『洗礼』が始まったか……。



「見ない顔。初めての方ですね何の御用事ですか」

「おうおう! サポート種とガキが二人にオークかよ。このギルドは田舎者が来る遊び場じゃねえぞ!!」


 酒を飲んでいた荒くれが立ち上がり俺を上から覗き込むように見る。

 明らかに見下した態度だ。

 しかも俺を馬鹿にするようにほっぺたをペシペシと叩いてきた。



「おい、びびってんのか?、お……?おぉっ」


 俺に手首をつかまれ一瞬で天地が逆転した荒くれは。

 地面に投げられ、たたきつけられた。

 

 俺は荒くれの耳元に{ごくろうさん}と耳打ちしてやる。

 手加減したとはいえ難なく起き上がった荒くれは態度を変えて言う。


「なんだい? 初心者じゃなくてギルド経験者かよ。あいた……見た感じシステムをしってるのは、あんただけみたいだな。

 お仲間さんにはあんたから説明してやってくれよ」


 荒くれは何事もなかったかのように席に戻る。

 俺はそれを見送ると後ろで見ていた仲間たちへ声をかける。



「おまたせ。登録の前に何が起こったのか説明するからさ、あそこの席に行こうぜ」



 俺たちは席にこしかけ、適当に料理と飲み物を頼む。

 俺はみんなに洗礼の説明に入る。

 ミラルカはニャハルに過去から突っかかりますけど少しずつ良くなっていくニャハルを嫌いではありません。数少ない仲間ですから

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