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345話 冥界王アルカディア=魔王イフマイータ

 近衛は偽アルカディアが立つ中央まで移動し、装備を脱ぎはじめる。


 中肉中背の優男。

 俺以外の人間が見たらそう映るかもしれない。

 だが、ソン様の『目』には違う姿が見えているのだ。


 娘だ。

 それも幼い少女の姿が見える。


 冥界王アルカディアは悪魔ではない()()()()()で間違いない。


「アルカ! これ以上僕にマスターの前で恥をかかせるな! 今すぐ本当の姿を見せるんだ!!!」


 サタナがイラつき語氣を強くして述べる。

 が、俺は彼女の正体がとっくにわかっている。


 そしてサタナが何故、ミラルカや、ルーナをパーティーに入れたかもわかった。

 顔を会わせたかったのだろう。


 一方でミラルカたちは「優男が冥界王じゃないのぉ!?」と驚いていた。

 同じ【七帝】でも『目』で見破れる事象に差があるため仕方がない。


 レムでさえ「アベルさん。冥界王は本当の姿を見せてないんですか!?」と、驚くくらいなのだ。


「イフマよ()かすでない。僕と言えど魔族による【支配の時代】を終わらせた勇者の前では、用心深くなると言うものじゃ。  

 そら解くよ……僕の本当の姿がこれじゃ」

「「「「ああっ!!?」」」」


 正体を知る俺とサタナのみ冷静である。


 ミラルカ、ルーナ、レム、シャーリーは冥界王の本当の姿に驚きの声を上げた。


 幼女だった。

 だが、角のデザインの違いがあれど容姿は俺達がよく知る人物に生き写しである。


 それゆえミラルカと、ルーナの驚く度合いが他の者より大きいのは仕方がないと言える。




 幼い『魔王イフマイータ』がそこに居た。


「まっ、魔王イフマイータ!?」

「レム違う。〈戦闘能力〉を探るとサタナが持つ魔力、闘氣と異っていることがわかる。

 でも……別人とは思えないほど似てる……」


「娘〈※:シャーリーのこと〉が正解と言っとくのじゃ。この僕……冥界王アルカディアは魔王イフマイータが生み出した分身なのじゃ」


 アルカディアが話す内容に、ミラルカとルーナが反応する。

 彼女達はサタナに顔を向け質問した。

 振り向く速度が常人には見えないくらい速いぜ。擬音なんかギュバッ!! だし。


「お爺様。僕、今の話初耳なんだけど」

「話してないからな」


「【魔神】を警戒しアルカディアの存在を肉親にすら内緒にしていた。このように考えるのが妥当(だとう)なのじゃが……」

「聞かれてないから言わなかった。それだけだぞ」


 あぁ。ミラルカと、ルーナのやつがあんまりな返事にフリーズしてしまった。


 目を閉じた糸目顔で「…………」と沈黙している。

 可哀そうに、サタナは聞かれなくても話してやればいいじゃないか。


 二人にとっては大叔母(おおおば)みたいな存在なんだし。


「二人とも、ようやく僕の妹に会えた事になるのか。話す手間が省けたなフフ」


 サタナが一人でウムウム頷く。

 コイツはやはり『普通の生き物』と違うね。

 ミラルカたちと俺は、サタナに対する温度差を感じるのだった。


─────────────────────


 俺達はアルカディアの私室にいる。


 そこで、アルカディア誕生の経緯を、サタナに話してもらってるのだ。




「【支配の時代】が百年目を迎えた時だ。

 それまで、無人だった冥界に悪魔が発生するようになったんだ。まぁ、悪魔が生まれるだけなら問題なかったのだが、やつらは魔族を襲いはじめた」

「悪魔は死者の魂が変質し魔物化した存在じゃ。

 地上で死んだ魂は恨みの憎悪に汚染される。 

 その恨みが一定値を超えた時、悪魔として生まれ変わるのじゃ」


「アルカの言う通りだ。魂が〈転化〉してるわけだから、本当なら生前の記憶など持ち得ないわけなんだが。

 憎しみに突き動かされた悪魔は地上を目指す。

 そうして、運よく地上に来れた悪魔は生者を襲うんだ」

「イフマいやサタナ。僕にも喋らせろなのじゃ。むろん受肉できとらんので地上での活動時間は短い。

 それでも、悪魔共はイフマイータ陣営に大打撃を与えていったのじゃ」




 他種族より魔族の被害がでかかったのは単に数が多いからだろう。

【魔族による支配の時代】だったのだから。



・この事を重く見たサタナは幹部会を開く。

 冥界へ降り悪魔どもを全滅させる。

 もしくは纏め上げる、その人選をするためである。

 →当時の魔王将はどれもレベルが低いため任せられる者がいない。

〈※:フェン、ジロウ、ゲールプグナ、マードレはこの時いませんでした〉


「イフマイータ様よろしければ、このホーン・ゴルバーが冥界王になりましょうか?」


 サタナは「それはまたの機会に」と、丁重にお断りする。



・自分が行くのが速いが。そうすると地上を留守にするためできれば行きたくない。

 ホーンにアーガシア、ガニメデが導く竜族の相手は絶対に無理だと判断したからだ。


・仕方がないので〈生命創造〉を使い自分の『分身体アルカディア』を生み出す。


「僕の分身よ! 冥界に行きそこを理想郷へ作り変えろ!! 悪魔どもを纏め上げるのだ!!」




 なるほど。そうやって理想郷(アルカディア)が生まれたわけだ。


「僕も最初はサタナの命令じゃったが、永くおると悪魔達にも愛着が湧いてのぅ。

 いずれ復活する【魔神】ごときに僕の冥界と部下たちを消させてなるもんか!! と、僕なりに戦力を増強していたのじゃ」


 うん!? 俺を見るアルカディアの目つきがきついな。心なしか睨まれてる様な氣がするぜ。


「悪魔は邪悪な人間の魂を好むため。レイゾックや、ペリルのような心が汚い人間を契約者に選んだのじゃ。

 最終的に奴らの魂を契約で取り上げる。

 と、このように地上のゴミ掃除も兼ねておった契約だったんじゃがっ…………!

 どこかの勇者に計画を邪魔され、潰されてしまったと言うわけじゃ!!」


 ペリルと、レイゾックを倒した事を言ってるんだね。

……そんな奴がいるのかい…………。

 凄く身に覚えがあるから不思議だよね。

アルカディアは生まれたときの子供状態を維持しています。ですが、〈転化〉の応用により成長することが可能です。

その場合サタナと同じ見た目になります。


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