26話 天魔と牙獣と小妖精達
俺達【5人】は巨大な化け猫退治を頑張ってる。
俺は突撃の前にみんなに気合を込める。
俺たち4人とプラス1人は強いきずなで結ばれてるのだ!
「いくぜみんな。力を合わせろ!!」
「「おう!!!!」」
「にゃんっ!」
サンが魔法で後方から援護をおこない、オウは中距離から飛ぶ斬撃で攻撃する。
俺とヒトそしてねこさん(獣人の助っ人)は化け猫へと斬りかかった。
~完~
▽
サンたち天界の使者が持つ捜索能力で、7勇者を探す旅をしている俺たち。
ねこ岩がある村で一服しお茶を飲んでいた。
「いや~見つからないっすね~」
「そりゃね、捜索能力って言っても『大体この方向にいるかもしれない』程度の精度じゃね。見つかるわけがないだろう」
「なんすか。文句はだめっすよ! 目的がないまま探すよりマシでしょう」
俺とヒトがサンに愚痴るときオウ次郎が聞いてきた。
他の七勇者について。
俺は竜に転生させる予定みたいだから、もともとほかの勇者達も、強力な魔物に転生させるはずだったようだ。
しかし魔神の妨害で、誰が何の種族に転生したかがわからなくなり。
わかってるのは目印となる色のみ。
「例えばアベルさんは白といった具合っす、他の勇者達も転生した種族では珍しい色になってるはずっす」
どうやらそういう事の様だ。俺を除いて後6人をこの広い世界でさがす。
色違いだけの情報で見つかるかなぁ?
そう思った時俺の目に長い行列が目についた。
氣になった俺は、店の主人にきいてみる。
「あの岩に並んでる行列は何だい?」
「旅人さんは珍しいでしょうけど、この村の名所『ねこ岩』ですよ。ちょっとした言い伝えがありましてね。
あぁそうだ。店も暇ですし、案内しますよ一緒に行きましょう」
行列に並び順番を待つ中で主人はいろいろ教えてくれた。
大昔、猫の神様はいろんな国で悪さをしたらしい。
みかねた別の神様がそれぞれ【龍】と【魔】の姿をとり、
暴れまわる猫の神様をとりおさえて、大岩に封じ込めたんだそうな。何だいそれ?
「以来ここは大岩を中心ににぎわう観光地になったんですよ。触ると強くなれるご利益があるんです。旅の冒険者たちはこぞってここに来るんですね。」
「じゃあさ、先頭の人は何やってるの?」
「あっ俺も思ったっす。なんか引っ張ってますよね」
俺とヒトが聞くのは、氣になる疑問だった。
主人は言うには、龍と魔の神様は封印に札を使うとこう言ったそうな。
「この札をはがした時、邪悪なばか猫は解き放たれるだろう。しかし案ずることはない。
札をはがした者は我らの同胞となる者である。馬鹿猫はその者が退治するであろう……」
そうか、それで札を引っ張ってるというわけか。
そんな事して、手に負えない魔物が出てきたらどうしようとか考えないのかね。
嘆かわしいもんだぜ。
「不謹慎っすよね」
「まったくだい」
俺達は全員がうなずいた。
しかし事件は起こる。
「いや無理ですね。びくともしない」
「僕もだめだった、固くはりついてるよ」
「ウチはもともと下界の種族じゃないので、いないものとして遠慮するっす」
俺達は不謹慎といいつつも札剥がしを試している。
理由は、はがせたら村がねこ岩でためてきた名所の見学料金の7000万ディオンが手に入るからだ。
まあそうそうはがせるわけもないから軽い気持ちでね、そしたら、ベりっと音がするんですよ。
どうしよう札がはがれたぞ。
すると大岩から煙が噴き出す。
次の瞬間岩が割れて、巨大な化け猫が姿を現した。
▽
イフマナスに帰ってきたミラルカはベッドの上でくつろいでいた。
キルレインなんて、かっこいいんだろうと思う。
キル君ってよんでいいですかと聞くときは、顔から火が出るくらい恥ずかしかった。
もっと嬉しかったのは、それをキルレインが許可してくれたことだ。
その時の事を思い出しながら、ミラルカは甘い時間に浸っている。
だがあえなく甘い時間は終わりを告げた。
誰かがミラルカと、アーガシアで封印したあのばか猫を解き放ったのだ。
「アーガシアばあちゃんは……だめか動けそうにない。とっとにかく封印の場所までいかなくちゃ」
飛び起きたミラルカは、じいに事態を説明した後イフマナスから飛び上がり加速する。
▽
「にぎゃ~~。ようやく出てこれたにゃん。にゃ? 俺は、ちょうど腹減ってたところにゃ。全部食ってやるにゃ~~」
でかい猫の怪物は俺たちを食うという。
話し合いの余地なしだね。
俺はほかの冒険者たちに、避難するように言った。
これで被害も出ないだろうし、俺が化け猫を退治すれば、すべて解決する。
「いきなり出てきてふざけたことを言いなさんなよ」
やつの注意を避難する冒険者ではなく俺達へ引き付けるのだ。
「「俺達がお前の相手をしてやる。食えるものなら食ってみなよ!!!!」」
「にゃ~~。その戦い、助太刀しますにゃ。ニャアは……えっとえっと、そう! 旅の者にゃ。決して、でかい猫と一緒にあの岩の中にいたわけじゃにゃいにゃ。信じてにゃん」
俺に話しかけるのは、ねこの獣人かい?
煙に紛れて岩から出てきた氣がしたんだが。
今はそんな事を氣をかけている場合じゃないか。
見たところ、かなりのつわものだから、
ここは協力してもらった方がいいだろう。
「ありがたい、オウ、ヒト、サンこの人をパーティーに入れてねこ退治だ。いいか!!」
全員の「おう」と返事を聞き。
俺達5人はこうして化け猫退治にかかる!
「ソルジャーノン(身体と攻撃防御強化魔法)。みなさん決めちゃってくださいっす」
「にゃっ! にゃあ―――――ん!」
ねこ獣人の強烈なアッパーが化け猫の腹に炸裂する。
かなり痛かったようで、ねこは動けなくなるほど硬直した。
いまだ!
俺達3人は腰を落とすと居合の構えからエンデ・ジ・エンドを化け猫めがけて放出する。
「「合体奥義、エンデ・ジ・トライアングルラヴィジ―――――!!!」」
【レベルが上がり神々からの祝福を授けます ちからまもりすばやさが800上昇 体力魔法力が800上昇しました。
術を取り戻しました。】
その後、瀕死の状態にした化け猫をまえに、ねこ獣人が俺の手を取って挨拶してくる。
俺は、加勢してもらった件に対して「ありがとう」そうお礼を述べる。
「にゃっにゃ、ありがとうはこっちのセリフにゃ。ニャアにはこんな事しかできないけど、お礼の氣持ちです。受けとってにゃ」
変な感じだぜ? 握手を通して俺の魂に触れられてる氣がする。
でも、不思議といやな氣分ではない。
なんて暖かいんだろうと思った。
「あ~~~。やっぱり封印が解けてばか猫が出てきてる~」
声の方に振り向くとミラルカがたっていた。
初めて見る焦った表情だ。
「平気っすよ。出てきた化け物は俺たちで今たおしたところっす。それよりミラルカはこんなところで何してるんすか?」
「えへ〜キル君こんにちは。じゃなくて……よく聞いてね。今君たちは世界をほろぼす災厄を解いてしまったんだよ。ねえ、そうだよねヴァルハラハル・クーゴ」
〈ふぅ、これでこの小妖精と、契約はできたにゃ。
うるさいやつが来たけど、また大岩の中に封印されるのだけはごめんにゃぞ。〉
俺の手を握ったままミラルカの呼びかけに、ねこ獣人はミラルカの視線を受け止めながら口を開いた。
俺は、手を握ったままなのでいい加減はなしてほしいと思う。
「天魔皇帝ミラルカにゃ、来るとは思ってたけど見たところ弱点〈※:ヒト三郎の事〉作ってるみたいだにゃ~。その状態でこの【牙獣征王帝】を相手にする気かにゃん」
おいおい、何だか雰囲気が危なくなってきたぜ。
名前が違うけどこの獣帝はニャハルの事です。
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