表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/347

25話 世界を救える者達〈魔物の勇者〉

「ソンクウさんを人間ヒト種に戻しちゃいけないっす!」


 血相変えたサンがミラルカに叫ぶ。

 すごい真剣だ。

 何か事情があるのはわかるのだが、それは俺に小妖精ゴブリンのままでいろと言ってるのだ。

 冗談じゃないぜ。

 

 ミラルカはなんで? 首をかしげながら両掌りょうてのひらを上にむけながらサンに聞く。



「はいそうですかって聞けないよ。ソンクウは僕の友達だもん、止めるならちゃんと理由を話してくれるんだろうね」

「うぐ、わかったっす。そのかわりミラルカさんは城全体を結界でおおってくださいっす。

 理由は誰にも聞かれないようにするためっす。」


 ミラルカだけじゃなく俺も力をかす。

 ミラルカと俺の手のひらを合わせてミラルカの魔力に俺の魔力が合わさった結界が城を覆う。


 この城には誰も入れず、そして出ていくこともできなくなった。

 サンがのぞむ人払いはできた。



 それではとサンは話しはじめる。

 話は神々の戦いにまでさかのぼった━━━



 神々が【世界を運営するのに必要な大権】を魔神に奪われて勃発した魔神VS万象の神々の戦いは、ある神の活躍もあり神々の勝利に終わる。

 魔神は消滅した。

 この世界に生きる者ならだれもが知っている昔話だ。



「最後の部分が違うっすよ。魔神はほろぼされる前に大権へこう、ねがったっす。

【神々と神々が生み出したものそして魔族に私はほろぼされない】っす。

 あの戦いで魔神を殺すことができないと判断した創造神バルケスティ様は即座に封印に切り替えたんすよ。」


 サンが続ける内容によると魔神は必ずよみがえる。

 そして大権を使い万象の神々と神々が生み出した俺達すべての種族を消し去り、世界を自分のものにするつもりだと言った。


 とんでもない話だね。



「戦いの後にバルケスティ様は魔神を消し去るために最後のお力を振り絞られたっす。

 魔神の大権の願いに該当しない者。

 すなわち神々でなく、神々が生み出したものでもない、魔族とも違う、【魔物の体に味方である人間の魂をもつ者】を歴代の勇者の中から7人選び転生させました。そうこれがソンクウさんに小妖精ゴブリンでいてもらう理由っす」

「でも小妖精ゴブリンはたしか創造神がつくったはずだぜ。このままだと魔神は殺せないだろ?」


 俺の発言にみんなは顔を見合せて「そうだよね」「たしかに」という。

 その答えもサンは話した。



 俺の小妖精ゴブリンというサポート種は魔神が神々から離反する前にバルケスティと二人で作り上げたらしく魔神の願いにぎりぎり該当しないそうで。


 そして魔神は確実に神々の計画に気づいているともサンはいう……。


「使者のうちはここまで来るのに遊んでたわけじゃないんすよ。アベルは白き龍に転生して場所も竜国ドラグニルにいるとわかってたんす。

 でも実際行ってみるとアベルは龍帝アーガシアに殺されているし。うちらは侵入者扱いで命からがら逃げてきたんす」


 アンダルシアの入れてくれたお茶を全員がずずとのみほす。

 ぷはーと一息ついたサンは続けた。



「ウチら9人は神様に言われた最初に見つけないといけないアベルを探すためバラバラになったっす。そしてようやく小妖精に転生したアベルさんを見つけたというわけすよ」


 俺をびしぃと指さすサン。

 そうか苦労したんだね。

 不敬と感じたアンダルシアとベアンたちを俺はいいからと座らせる。


 サンはこうも言った。



「アベルさんがゴブリンなのは魔神のしわざっす。分身のイフマイータをたおしたアベルさんを魔神イブナスは神よりも恐れてるんすよ、戦闘に向かない種族にさせたのがいい証拠っす」



 よくわかった。


 ラスボスはよみがえるが倒せる人間は限られている。

 俺は世界を回りラスボスを倒せる七勇者を集めればいいわけだね。

 俺はたちあがるとサンと握手をしてまかせとけという。


 その言葉を聞いたサンはすごくうれしそうに何度もうなずくのだ。



「ソンク~僕たちはいったんイフマナスへ帰るよ。何かあれば念話で呼んでね。君は大切な同盟仲間だからねすぐに駆けつけるよぅ」


 転移するミラルカに俺と仲間たちは手を振ってお別れする。


 ヒトなんか青ざめてたのに今は普通の態度だ。

 俺はなかなかコミュ力の高い男だなとへんに感心する。


 



「我が君~。かならず帰ってきてくださいね~」


 アンダルシアを先頭に国民が見守る中俺、オウ、ヒト、サンのパーティーは七勇者の行方を探して旅立つ。

 道中で国を良くする人材探しするのもいいだろう。

 国を大きくしたら俺も国民も豊かに楽な生活ができるだろうしな。

 


「アンダルシア、るちゅをタのむゾ。ゴホ行ってくるぜ!!」(かんでない、気づかれてない)


 俺は地面をけって大きく一歩目を踏み出すのだった……。





「おう、ねこ岩がおおきくゆれとるわい。こりゃあ猫神様が怒っとる」


 地元の老婆は名所であるねこ岩を見ていった。

 着実にこの場所に白いゴブリン達が近づくことなど知る由もなく。



「にゃあ~~。ここから出せにゃ―――――――!!!」

ドラグニルにいたアベルを名乗る白竜はアーガシアに殺されました。何があったんでしょう? 

  面白かった次も読みたいと思われた読者さま


          下の



      ☆☆☆☆☆を押して


      ★★★★★に変えてください



      助かります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ