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22話 僕だよ~ 魔帝ミラルカ・イグレス

 新生トウ・ダーラがはじまって1日目。

 いきなり俺達の国は存亡の危機にみまわれたんだ。



「もうお城に住まわれたらいいのに~」


 アンダルシアは口をとがらせてかわいく言う。

 俺とオウとヒトは変わらずにゴブリン村で暮らしている。

 アンダルシアが奮発して買った飛行船が毎朝迎えに来るおかげで城まで通勤10分で着くからだ。

 前世のことから俺は城暮らしが好きじゃない。

  そのことはアンダルシアもわかっているから、あまり強くは言ってこない。

 たまに不満のおねだりを言うぐらいだ。

 俺も城の雰囲気になれたら、ここに移るつもりだ。

 なれたらだけどね。


 ドカドカという足音とともに兵士が俺のいる玉座へ駆けてくる。

 どうしたんだろう?


「魔王将筆頭(ケシ太郎)様より、陛下をお呼びです! 至急しきゅう武闘場まで来てほしい。以上です!」


 本来ならそこにいるベアンから「騒々しい、陛下の御前であるぞ」と注意するんだが。

 そこは歴戦の将だなアンダルシアもベアンも事態が深刻とみてひかえている



 現在トウ・ダーラ(我が国)は広く人材を集めていて、武闘場がテスト場になっている。

 ここで人材はマーチドッグと戦いその内容で一般兵士、上級兵士、部隊長にふりわけられるのだ。

 マーチドッグに勝った場合はケシ太郎が相手をして、勝てば魔王将に登用される。

 まあまずありえないだろう。

 ジクリコウをやっつけたあの時から仲間全員がレベルアップしている。


 強さでいえば俺、オウ、ヒトの次にケシ太郎、ベアン、アンダルシアの横ばいで並んでる。

 つまりケシ太郎の強さはこのトウ・ダーラの10位以内に入るのだ。


「ケシ太郎に外部の者が勝つなんてありえないと思ってたんだけどな……」


 そのありえないことが起こったみたいで。

 はしる俺たちは武闘場に到着する。

 


 武闘場の上の三人。倒れたケシ太郎は除いて、フードマントをはおった魔族が二人いる。

 どちらも強力だが小柄なほうが放つ魔力量は『ケタちがい』だ。

 おそらくケシ太郎を倒したのはこいつだな。

 するとフードが声をかけてきた。

 手をあげた態度は飄々(ひょうひょう)と軽やかで、この声は女だ。


 「こんにちは。魔王の習わしどうりに見にきたよー。いい国だよね活気があっておいしい物多いし、国民みんなが笑顔だしね。よっぽど王様うえが好かれてるんだねー。」


 女はフードをとると戦いの姿勢に入る構えをとり、抑えていた魔力を解放した。

 ボーイッシュな外見とは反対に体つきは女らしくなまめかしい。

 このギャップは男をとりこにするだろうな。って俺は何考えてんだ。


「魔王タイセイは誰? 上がってきなよ。僕と勝負しよう」


 おいおいぶっそうだなと思いながらも心はワクワクしてる【強いやつほど強い相手と戦いたくなる】この世界の鉄則のせいだろうか。

 こっちはケシ太郎をやられてるしそれから、向こうは習わしと言っていた。

 俺が知らないだけで魔族の事情があるんだろうね。

 もういいや。

 ワクワクした俺はジャンプしてやつの前に立っていた。


「ほんとに白いゴブリ……ンに、人間の魂。あっ君がアベルか。でも僕がわかるのはこの魂の名がアベルってことまでで……」


 女は俺をまっすぐ見た後、値踏みするように聞いてきた。

 いら立ちはなく動作はゆったりとして冷静だった。


「ねえ君はどのアベルなの? 歴史に名をのこしたアベルは五人いるよね。斉王アベル・オーリン、大魔法使いアベル・ジービール、開拓者アベル・ヨシュア、賢公爵アベル・バーナブット……『はじまりの勇者アベル・ジンジャーアップ』……」

「そいつだ!」俺は女が俺の名を読み上げおわるまえに言う。


 女の正体も読めてきたぞ。

 俺は魔王イフマイータの仇なんだ。

 さぞ憎いだろうな。


「お前が前にしてるのは、アベル・ジンジャーアップルが転生に失敗した姿だよ」


 女の魔力と表情が怒気に包まれた。

 ああその気持ちは痛いほどわかるとも


「そうなんだ君が魔族の世を終わらせたアベル本人か~。ならば魔帝ミラルカに殺されても文句は言わないよね」


 

 その言葉と態度を見てフードの男フェンは思う。

 姫はなかなかのタヌキですな。

 そして口元にはくすっと笑みがこぼれるのだ。


 「魔王タイセイ様我らもともに戦います」

 そういうアンダルシアとベアンこの場にいる兵士を全員手で制止させる。

 無駄な犠牲は出したくないからだ。

 そして俺は刀を抜きミラルカに斬りかかった。


 千年のときを超え、はじまりの勇者と魔王の血を継ぐ者の戦いは、はじまった。

 イフマイータの血脈は真の魔王と言われてます。真の魔王は新しく生まれた魔王は世界をほろぼしうるのかを見極める習わしがあるんです 

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