19話 踊る道化(魔王)と勇者の魔法(ライトーラ)
ソンクウがやられてますが最後まで読んでほしいです、接戦もどきなので白いのが勝つわになるんです
一方的な戦い。
小妖精がジクリコウになぶり殺しの目にあわされている。
体は傷だらけで動きは疲れで鈍くなるが。
それでもその目にあきらめはみえない。
とうぜんアベルもやられっぱなしではない。
魔法――神々を源にする魔力現象で。
ウルトゥアファイエア(超火魔法)でジクリコウの前にブオァアっと目隠しをつくり。
そのまま奥義をゴォオオウンという音とともにはなつ。
だが奴を倒すことはできなかった。
痛めつけられたジクリコウは怒りのままに俺の腹に剣をさすと無造作に地面へドンとたたきつける。
なんてひどいことをする奴だい……。
おまけにザンと音がして魔剣の斬撃を飛ばし追い打ちしてる。
俺は弱者が大きな力をもつと、とんでもないゲスが生まれるんだなと思った。
力及ばずとも正しくあろうとする者。
自分を律する者そういう心の強さを持つ人達を、俺は弱者とは思わない。
だがジクリコウはちがう……。
仲間たちは檻の中から口々に叫んでいる。
アンダルシアは「おのれアクジャ」と、オウとベアンは「檻から出せ卑怯者」と言う。
ジクリコウはゲシィが口をはさんだことが気に入らなかったらしい。
彼はオーバサインダー(大雷魔法)で早々に気絶させられている。
ヒトは怒りが頂点にきたらしく。
「くそやろう。その人をこれ以上傷つけてみろ、この手で必ず貴様を殺してやる!」と檻に額をぶつけ怒鳴り散らしている。
さすがにこれ以上心配させるのは嫌だなあ。
そう思う俺は仲間にネタ晴らしをする。
まずはヒトだ。
それで全員解けるだろう――。
「ヒト! おいヒト三郎きこえるかい?」
おどろき顔のヒトと目が合う。
そりゃおどろくだろうな。
目の前で『ジクリコウと戦っているソンクウとは別のソンクウ』が話しかけてきたんだから。
「大兄―」
俺は叫びそうになったヒトの口を慌ててふさぐ。
あぶないなもう~、ジクリコウに気づかれたらどうするんだ?
その衝撃でのこりの四人も俺に気づいたようだった。
「簡単にいうと、あれは【狂乱と悦楽の神シーフーバを源にする】幻影魔法だ。正攻法で闘うとてこずるからさ。早めにはめてやったのさ。」
みんなも状況がわかったのか、ひそひそと小声で疑問をきいてきた。
「兄貴がてこずるの?」
「正直、トンチンカンと同じぐらいにしか見えませんよ?」
「ひょっとしてあの魔剣に秘密があるのですかな?」
「その通りさ、さすが歴戦の魔王将。いい目の付け所だ」
俺はやつの強さの秘密を語る。
ジクリコウはつよくない、魔剣を持たせてもそのつよさはトンチンカンと同じレベルであり。
本来なら楽にたおせる相手だ。
なのに幻影の俺はやられまくっている。
ジクリコウの魔剣には能力があって対峙した相手のちから、すばやさ、まもりを下げるデバフの効果を持つんだ。
実際にたたかっても幻影の俺と同じ目にあわされていただろう。
だから幻術にはめてやってるわけだが。
ただ真正面から行くだけが戦いじゃない。
このやり口を、俺は旅の仲間のレンタロウから教えてもらった。
「オウ、ヒトこんなやり方もあるんだ、仕上げをよく見ておくんだぜ。」
俺は強く手をたたきジクリコウを正気に戻した。
きづいたジクリコウは俺の胸ぐらをつかむ。
俺を空中に持ち上げると口上を述べる。
完全に自分の優位を疑っていないな。
「どうやって移動したのか知らんが、こうして捕まえればもう逃げられまいしね!」
そういうと同時にジクリコウは魔剣を俺ののどへ突き出す
この瞬間。
魔王の敗北が決定したのだった。
「こんなもんだろうね」
勇者のはなった光魔法はジクリコウを腹で二つに分断した。
ドチャっという音はジクリコウの上半身が地面に落ちた音だ。
この世界の魔法は神々を源にしますが、神の強さを超えた実力者は自分を源にして新魔法をつくれます。
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