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プロローグ2

 勇者アベルは、自領にある森の中で秘術にいそしんでいた。

 

 それは転生の秘術である。魔王を討ち、人の世に平和をもたらした人類初の大英雄と呼ばれる人間。


 この者は『はじまりの勇者』の号で呼ばれていた。



 魔王討伐後ロイヤル・エワード王国の姫を妻に娶り、王の命令とはいえ自身の流派を広く王国の民達へ伝授する。


 それからも何十年という月日を幸せの中で生きてきた栄華の時代。


人間種(ひとしゅ)】の生の中で、自分には確かにそう呼べる時間があったのだ。



 しかしアベルは老いた今になって常に思っていた。冒険がしたい、世界を何処までも行って見てみたい!


 凡百の者にとっては、幸せをつかんでしまえば冒険など、そこで終わりだっただろう。


 だが勇者は、どこまでも『冒険に心をはずませる者』であったのだ。


 今でも思う。まだ見ぬこの世界の何処かで、理不尽に泣く。自分の力を必要とする者がいるのではないか。



 アベルは、そんな日々の中で天啓を耳にする。



「私の声が聞こえていますね。アベル、いずれ来る大きな戦に備えなさい。」



 老いた身では、大きな戦を戦い抜く事はできぬ。


 アベルへと神は、そのための〈転生の秘術〉を授ける。そしてこう続けて言った。



「姿、技術、知識を次の生に受け継ぐがよい。

 転生後、貴方のもとに使いを出します。詳しい話は使者に聞くといい」



 アベルは、こうして死後転生を遂げるために魔法陣の中へ入った。

 

 しかしアベルはこの時、思いもしなかった。魔方陣に大きな誤りがあったのだ……。



「この光、なんか嫌な予感がするぜ」


 

 これは魔物に転生した勇者が再び、仲間達と共に世界を救う物語である。

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