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177話 アセンブリー④

 こんにちはアベルです。

 朝起きてエビサンドを食べてゆっくりコーヒーを飲んだ後で、窓から空を見上げる俺。


 いい天氣だ絶好のアセンブリー日和だね。


「我が君出立のお時間です。今日のアセンブリーは新参国の、『引き締め』がありますのでお急ぎを」

「そうだったね。

 でもさ俺からすると仲間がバレバレの演技をするんだよね、他国の者達は気づかないのかなぁ。同盟国と主要加盟国の王達はわかっているから、笑いをこらえるのに必死だけどさ」


 アンダルシアがクスっと笑うかわいいなあ。


『引き締め』は【ななつのくに】の盟主国の頂点トウ・ダーラが不動だ、と他の国々に示す行為である。



・小妖精が盟主なので侮ったり、下克上を考える国がいる


・そこで【神越え】と同盟国と主要加盟国の王が、わざとタイセイに悪態をつく演技をする。

 大声でタイセイを批判したり不信感がある、とアピールするのだ


・俺を軽んじる者は【ななつのくに】は一枚岩ではないと判断するし俺を倒そうとする者は、王と【神越え】に取り入って寝返らせようとするだろう。必ずそうなる。本人がタイセイを氣に入らないと演技しているんだからね。


・俺への反逆行為であるが見込みのある者なら俺が最後に、トウ・ダーラは一枚岩だと見せる行為で思いとどまり改心するのだ。

〈タイセイを討つなどとても無理だ〉、と考える。

 わからないヤツはしょうがない。


 俺がとるに足らないと見逃しても【情報収集部門】の長であるアンダルシアの判断で【ななつのくに】を惑わせる()()()()()()()()()()()()()



 さてディメンションドアからエルドラウフに向かうとしよう。

 アーガシア達は上手く演技してくれるかな?





〈※仲間達の演技をお楽しみ下さい〉


「遅えなあ。いくら最後の決断だけすりゃあいいと言ってもよお。遅れてくるのは、俺達【ななつのくに】をあの人が軽んじているからじゃねえのか?」


 アジュラムの言葉を不敬と見たセルバスが注意する。


「タイセイ様は私達と違い自分の国だけでなく【ななつのくに】全同盟国を抱えておられるのだ。

 理解があれば不満など出ないはずだが?」

「いえアジュラムの言葉も一理あります」


「然り。普段は【永夜の夜明け】としてタイセイ様の友である我らだが、アセンブリーではそうもいくまい。

 なにしろ我らは自国を背負っているのだからな。

 自国の利益を確保しなければならぬ

 タイセイ様は決断に至る経緯を見ずに最後だけで決めるのは、いかがなものか」


 ルーとヴォルフはアジュラム寄りの意見のようだ。彼を擁護しに入る。

 見かねるカンポンが臆しながら、二人を諫めに掛かる。その勇氣は素直に評価したい。


 「ルーヴァン殿、ヴォルデウス殿も不満があるのはわかりますが、誰がタイセイ様の代わりができるのです。

 あの方が多忙なのは、ご友人であるあなたたちが一番ご存じでしょう」

「しかしですね。盟主様と言えど会議の場にいないのはわれらすべての加盟国を軽く見ていると、言われても仕方がない事ですよ。

 妾はアジュラム殿の意見に賛同します」


 ヒノヤマトのチヨが毅然とした態度で、タイセイを批判する。



 俺は変装して観客席から会議の様子を見ている。

 う~んみんな役者だね。もっとも特別席に座る【神越えの実力者】がプルプル震えて、笑いをこらえるのに必死の様子だが。


 会場にいる反逆者達は『神越え』がタイセイへの怒りで震えていると、自分に都合のいい様に勘違いしたみたいだ。



 この後はチヨの発言をきっかけに同盟国、主要加盟国あわせて20人の王が言い争う場となる。


 アセンブリーを見る会場にいる支配国の王の中に下卑た表情で様子を見る者がいるが、闇に溶け込む情報収集部門の諜報員が〈危険分子〉としてチェックしているとは、露にも思わないだろう。



 俺の視界に入る三人組の中にドリマスがいる。

 頼んでいた通りジョフレとミコットが、連れて来てくれたのだ。


 ドリマス……俺が集めた沢山の仲間が見えるかい?  

 あんたもこの中に入ってもらう。

 俺はあんたが眠らせている〈剣を鍛える鍛冶師の才能〉を逃がすつもりがないのさ。



「しょせん戦闘に不向きの小妖精だろう? 頂点と言われてもなあ~」

「ハハハそうだそうだ」


「政治能力だけが高いんだろう? タイセイを倒して子分にしてしまえば俺達は、巨大国家の大王様というわけだギャハハ」


 エルブヘンシエル兵士があんなこと言っている。

 悪目立ちし、俺の事を悪く言うせいで諜報員に〈抹殺対象〉のチェックを入れられたとも知らないで。南無。


 

 その時俺の近くにシャッテンと森四郎が出現して

「タイセイ様お時間です。情報収集部門長(おさ)が魔王様をお迎えするようにとの事です」

「変装を解いてお召し物を変えて戴かないと、いけません。同盟国王だけが着る『なないろのマント〈トウ・ダーラの赤〉』をご用意してあります」


 アンダルシアからの言伝を伝えてくる。準備をする時間のようだ。


 俺は会議をもう一度見ていい演技だと思いながら、〈何人か演技中に笑いそうになっているな〉そう思った。

エルブヘンシエル兵士は次次回でタイセイを襲い返り討ちにあいます。目の前の光景を信じられず自分の都合のいい妄想に従った結果でした。

一人は情報収集部門が処理して、残りは悪党窟でこき使われています〈期限付きの服役ですが、改心せずに処理されました〉

悪党窟からアジュラムがアセンブリーに出ていますが

ほか二人が代表で来ることもあり、今回はたまたま、彼でした


※なないろのマントは同盟国の七人の王だけが着られる特別な物でアベルが赤、他の六人は虹の残りの色を着ています〈誰がどの色かは、決めておりません〉


  面白かった次も読みたいと思われた読者さま


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      彦馬がよろこびます

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