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175話 アセンブリー②

〈ドリマス視点〉


 俺はエルフの空中都市国家であるエルドラウフに来ている。


 トウ・ダーラからグリフォンが引く〈アセンブリーツアー行の〉飛行便に乗り、主要加盟国のエルブヘンシエルへと辿り着く。


「アセンブリーが開催される国は【ななつのくに】の同盟国と、主要加盟国だけと決められているからなー。

 今回のエルドラウフはリリパラディスとチキュウの様に隠れ里になっているから、行くにはそれなりの手順が必要なんだぜ」


 アセンブリー見学について来たミコットの説明を聞きながら『エルブヘンシエルを取り戻したる!』、と改めて心に誓う俺。



アベル(さるお方)からあなたの面倒を見てやってと言われて【武器製造部門】の最高責任者が二人も来ているのですから、感謝してくださいまし。

 行く方法ですが設置した移動扉(ディメンションドア)で座標を設定して、空中に転移空間をつくり出すのですわ。

 飛行船でそこを通ればアセンブリーの開催国に辿り着け……何が何だかわからない顔してますわね。まぁ、実際に行ってみればわかる事ですわ」


 俺の事をアホを見る目であきれるジョフレ。



 彼女を先頭にしてミコットと俺は、アセンブリー行きのツアー船〈専用飛行船〉に乗り込む。トウ・ダーラ上級兵士は俺達を見て


「これはミコット様ジョフレ様、アセンブリーの見学とは珍しいですね。お二人の身元は分かっております、どうぞご乗船ください。あ、君は許可証を見せてもらわないと駄目だよ。

 悪いが気まりでね、なるほどアンサリー様から発行された許可証と言う事は……君が例のお客か。

 イヤなんでもないアセンブリーを楽しんできたまえ、仲間になった時はよろしく頼むよ」

「???」


 訳が分からない態度だ。


 俺は貴様らの魔王を、倒す氣でいる敵だぞ。


 嫌な氣分だ! まるで奴らの掌の上で踊らされている。もしくは掌の上(タイセイの思惑)から抜け出せないような、奇妙な感覚を覚える俺。



 飛行船は離陸した後ある程度飛び続けて転移空間から目的地に着く、20分くらい掛かったが


 ミコットが言うには「飛行時間は適当だぜ前は5分だし、その前なんか1分さ」と言うから敵に転移の仕組みを隠す工夫がしてあるようだ。そう! 俺のような敵にな!


〈移動扉について〉


・座標を決めて任意の場所に転移空間を作れます、味方以外と通る時は移動空間をつくりその中を通って、目的地に行きます


・扉自体が転移装置なので中を通るだけで目的地に行けます。アベルは小人数のパーティーの場合、こっちの方法を使います





 アセンブリーは()()()()()()でするらしく

 俺とミコットとジョフレは、アセンブリーが始まるまでエルドラウフを観光する。


 タイセイを倒し俺が【ななつのくに】の頂点になれば、この国が手に入るのか悪くない。


 ん? アセンブリーは同盟国と主要加盟国で開催されるのに、会場が同じなのはおかしいって? 


 大丈夫だ安心して欲しい俺は正常であるし、決して馬鹿ではない。



 開催地は毎回異なるが会場自体は異次元空間にある建物で行われるらしく、その空間も建物も【神越えの世帝】が力で生み出したらしい。


 その話が本当なら世帝をこのドリマスの味方に何とかつけたいものだ。

 そうすれば魔王タイセイを簡単に倒せるだろうガハハ


「ドリマスは何か馬鹿なこと考えているな」

「私達ではわかりませんがアベルは『欲しい』と言っていましたから、彼に何か光る素質があるのでしょう……たぶん」



 何故か俺を見てあきれる二人、そうだタイセイを倒すための行動を開始しなければ


「二人ともトウ・ダーラの中で高い地位にいるのだろう。聞きたいんだが世帝とやらにはどうやったら会える?

 何をするんだ。俺は正常だ熱などないぞ!」


 真顔で俺と自分の額に手を当てて熱を測るジョフレ。

 ミコットは〈回復〉を掛ける姿勢に入っている。


 変な発言をしたつもりはないんだがな



「時間ですわ行きますわよミコット、バカ……ドリマス」

「んやー」


「おう」


 今俺の事を馬鹿って言った?





 ジョフレの案内で普通の民家につく。だが出てきた住人はエルドラウフ兵で、ジョフレは「アセンブリーに参加しますわ」と手短に言う。


「どうぞ、階段を上がって右の部屋が会場です」



 言われた通りに右の部屋に入る俺。中はベッドと机が置いてあるだけの簡素な部屋だった。

 トウ・ダーラからのツアー客だけで、700人は超えていたからとても、この部屋に収まるものではない。


「二人とも私の近くへおいで下さいまし。飛びますわよ」


 言われるままにジョフレに近寄る俺、彼女は机の上にあるおもちゃの模型に手を添える


「セイーテ・ターシィ・ジャウギョ・ウ・ゴクーソン」


 家の模型から光が発しあたりを包み込む──



 俺が次に目を開けて見た光景は……広すぎる会場に恐らく、【ななつのくに】中から集まった多くのツアー客達だった。


「なんという、いやこんな事が出来てしまえる国力なのか」


 驚く俺の耳にトウ・ダーラからのお守り役である二人の声が響く


「「ようこそ【ななつのくに】の会議(アセンブリー)へ」」

アベルは生き返らせたドリマスに戦闘〈力の差〉ではなく

国力〈自分とドリマスが持つ王の器の差─格の違い〉を見せつけて屈伏させようと考えています。


アベルの性分ではないですが、ドリマスはアベルをたかが小妖精と思っているのが侮りの原因なので、そこを取り除こうとしているのです。


彼女はドリマスがこんなのでも魔神討伐戦の大きな助けとなる人物とわかっているので、逃がすつもりはありません。


模型がアセンブリー会場なのは、アベルがルーの魔法使いの塔の技術をラーニングした成果です。ジョフレが唱えた呪文は【斉天大聖孫悟空行者せいてんたいせい・そんごくうぎょうじゃ】のもじりになっています


  面白かった次も読みたいと思われた読者さま


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      彦馬がよろこびます

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