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163話 十英雄のトトニカとオニオ

 俺は転移で元の場所へと帰ってきた。


 玉座の間に座る紫の長い髪の魔族は俺が知る、魔王(イフマイータ)とは異なっている。


 倒した魔王将と違いやたらパワーを感じるぜ、探ってみようかなと『目』で確認したところレベルが10,000ある。

 こいつがマルヴァピーヨで間違いないだろう。その前に


「隠れているつもりだけど無駄だぜ。魔王の部下かい? 出てきなよ」


 俺に言われて、現れる二人は人間種の女性だった、ただし、魔物の力を感じる。

 それから魔神に近い闘氣は前にも、覚えがあるぞ。

 一回目がトウ・ダーラの大闘技場で、二回目がバウバッドだ。女は口を開き涼やかな声音が響く。


「さすがと言わせてもらおう。バルケスティが世界の命運を託すわけだ。」

「上手く隠れていたつもりだがお見通しとはな。さすがは勇者、さすがはアベルよ」


 敵からお世辞をもらっても嬉しくないやい。

 俺とアーガシアを前にしても纏う魔力と闘気がいささかもブレない所を見ると、自信があるようだ勝てるとね


「名乗らせてもらおう魔神が選びし十英雄が一人。私はオニオ・アガノンだ」

「同じく! 我はトトニカ・カンバーと言う。

 戦いの前に受け取れ」


 トトニカが念動力で投げてよこす物体をキャッチする俺。

 優しく掴んでよかった、これ猫状態のニャハルだ。

 獣人の姿はともかく、猫ハーフボルトの姿でもないなんて何があったんだ? しかも喋れなくされているし。


「にゃー、にゃあーにゃっ。にゃにゃにゃんっ」


 ニャハルのやつ喋れない状態なのに

 俺に何かを伝えようとするとは……何だい? お前は何が言いたい?


「無駄だ。そいつはただの猫になっているからな。我が何をしたのか説明してやる」

「なんだって! 〈吸体形成(きゅうたいけいせい)の術〉? ミラルカと妖六郎はつまり十英雄に体ごとレベルを吸収されて

 ニャハルはレベルをとられず力を封じ込められ、何とか逃げだせたのか。

 そうか、だから喋れないただの猫状態なんだね」


「ねえ何でわかるの?」


 オニオとトトニカが唖然としているが、俺とニャハルの絆の前では喋れない事などなんでもないのさ。

 ニンバスだと絆がそこまで達していないのは内緒だ。



 さて、向うさんも戦う氣まんまんの顔つきだし、3対2の状況だが俺とアーガシアなら数の不利など関係なく勝利するだろう。

 ただ激しいバトルになりそうな予感がするぜ。


「戦う前に口上をさせろ、いいな」


 武人氣質の性格みたいだね。

 俺が感じる嫌な予感は、この十英雄二人からだったのだ。


 オニオとトトニカは並んで立つと俺達に向かい発言する。


「ジャジャジャ、ジャーン待っていたぜ勇者アベル」

「勇者アベルここがお前の墓場だ」


「緊張感がそがれるのじゃ」


 飽きれた顔で言うアーガシア。

 俺も〈魔〇ブウじゃないけど嫌な予感して損した〉気持ちでいっぱいになる。


「アーガシアいいかい。トトニカがミラルカの力を持ち、オニオが妖六郎の力を持っている。

 奴らが【神越えの力】を吸収でどれだけ引き出せるのか未知数だが、ここは魔帝の切り札である【魔王の鎧】を使えると想定していこう。

 争った形跡がない事から一瞬でも掴まれたら、吸収されると考えていいだろう氣をつけなよ」

「わかったのじゃ。今『目』で確認したがトトニカ、オニオは両方レベルが72,000〈神越え60,000+元のレベル12,000〉になっておる。

 アベル殿が勝利のカギじゃ」


 十英雄のレベルがアーガシアを上回るため、戦えるのが俺だけと言うわけだね。

 久しぶりに全力が出せそうだ。とは言え俺も奴らの『吸収』には氣をつけないといけない。

 俺が吸収されれば勝ち目がなくなるからだ。



「マルヴァは陽動だ。動いて奴らに隙を作れ」

「我とオニオのどちらかがアベル達に触われば、吸収して勝てる」


 オニオとトトニカの指示を聞いてマルヴァがニヤリと笑う


「かしこまりました俺にお任せください。姉上達のおっしゃる通りにいたします」


 こんな時になんだが、あの三人のやり取りを聞いていると|俺達《アベルとオウとヒトの三兄弟》のようだなと思ってしまう。さて戦いのはじまりだ!





「くそぅ、この短時間で俺の動きを全て見切るのか」


 マルヴァが放つ火魔法の追尾性大火球をよける俺。

 その俺に奴は魔剣を振り下ろす、しかし、その剣を弾き同時に奴の体に大きな傷をつけてやる。


「がふ」


 膝をついて(うずくま)るマルヴァにとどめを刺そうとする俺。

 しかしそうはさせまいと俺に向けて樹木といばらの鞭が振り下ろされる。

 邪魔が入るせいで魔王の首を斬れない、せいぜい肩を切断する程度になってしまった。


(妖六郎の自然の鞭か、ロンメルが使うのと同じ技だ)

「邪魔をするないオニオ」


 俺は言いながら手を奴に向けてオニオを念動力で浮かせて壁に叩きつける。


「あうっ」


 ちょうどアーガシアがトトニカに触れられそうになっていたから、邪魔をする形になった。


「勇者アベル~~要らぬ邪魔を〜」

「セーフなのじゃ、ぬし様ありがとう」


「どういたしまして、十英雄への意趣返しだぜ」


 奴らは彼女よりレベルが高くなっているから、アーガシアにはきつい相手かもしれない。

 とは言え本来ならアーガシアが勝てる相手ではあるのだが。


「どうしたのじゃアベル殿? 笑みが零れておる」


 アーガシアが俺の顔を見て不思議そうに尋ねる。


 不利な状況だがバルトエードの掟に触発されたせいか

 イフマイータと戦ったこの場所のせいなのか、俺が持つ闘争本能が喜んでいるのがわかる。


「いい氣分だね、少しだけどワクワクしてきた」


 俺の笑みを不敵に笑うものと勘違いしたのか、オニオとトトニカそれとマルヴァの三人が後ずさる。

んでいます。

二人が生前勇者に何をされたかはアベルが元の世界に帰るときにわかります。

異世界ムンドモンドのお話は少し長いです


……アベル無双の言い訳を次回で書いております、苦しいかもです


  面白かった次も読みたいと思われた読者さま


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      ★★★★★に変えてください



      彦馬がよろこびます

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