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162話 黄金のスケルトン〈レイン・ボゥ・ヘレルマト〉

〈ニャハル視点〉


 ニャアとマスターが結界を張ったから、力を解放しても城がぶっ壊れる事がなくなったにゃ。


 ここは玉座の間、ニャアの目の前に異世界の魔王マルヴァピーヨがいるにゃ。


「俺がマルヴァピーヨだ。勇者アベルと竜帝アーガシアがトラップに掛かったか。

 厄介な二人が消えた今、先にお前達から倒させてもらう」


 紫色の長髪に肩当てがついたマントをなびかせて、マルヴァが立ち上がる。

 

 『目』で見た所レベルは10,000か神級の力を持つらしいが、ニャア達はマスターと鍛練した成果でレベルが60,000になっている。

 負ける要素は全くないにゃ。


 それでもマスターがこいつを警戒する様子が念話でわかったから、逆に不気味ではあるにゃ。

 マルヴァはレベルとは別の何かを隠してるかもしれにゃい。


「ちょうど3()()3()で数も合うな。行くぞ勇者ども」


 3対3か、伏兵がいるにゃ。

 

 マルヴァが注意を惹きつける動きを見せ、ミラルカは同時に上体をお辞儀の姿勢にして攻撃をかわす。後ろから不意打ちされたのだ。


「上手く気配を消しているけど、僕には当たらないよぅ」

「そういう事だ。これでも余達は元の世界で十指に入る実力者なのでな、

 朕達を簡単に倒せると思うな」


 ニンフは攻撃をかわさずに、防御していた。

 相手の腕をつかみそのまま締め上げる。

 あれなら腕が折れるのは時間の問題だろう。


 だというのに敵は涼しげな顔をしていて、それどころか勝利宣言までする。

 どういう事にゃあ



「勝ったぞ。神越えの妖帝の力なんという強さだ。くっくっく」

「……あ、あ。まずいよ、ニンフがー」


 ニンフェディーネがやられた。

 ニャアとミラルカは敵から一旦離れて距離をとる。





〈アベル視点〉


 アベルだよ。数は多いが、元の世界と同じ魔物だ、俺達がこんな奴らにやられるわけもなく至極(しごく)楽に倒せた。


 俺達は部屋の中にいる魔物を倒しつくた後で、〈感知〉を使い、魔物がポップする魔力起点を念入りに潰す。

 こうする事で魔物が出現出来なくする。


 普段四季の家で鍛錬している事もあり、俺とアーガシアの連携は素晴らしいものになっている。


「アーガシアやったね」


 俺は彼女に向けて両手でハイタッチしようと待つのだが、ガチガチに固まるアーガシアは


「? がおぅ、むぐー、むーっ」と言い、どうやら勘違いしたようなのだが俺に抱き着く。


「ハグじゃないよ、ハイタッチだって」


 と言うと、アーガシアは、はっとなり慌ててハイタッチする、パタパタ動いて可愛いね。


 むぅ何故かアンダルシアの顔が浮かび、彼女に無性に会いたくなる俺。

 最近の俺はかわいいと思うとアンダルシアが浮かぶのだ。


 はっジョセ〇が言っていた、これが仁の心ってやつか! いや違う氣がする。


 彼女の事が氣になってしょうがないのだが不思議と悪い氣分がしない。答えが出そうな感じがする。


「アベル殿危ないのじゃ」


 その言葉で我に返る俺は、後ろから来る斬撃を剣技で受けとめる。

 気配を消して死角からの攻撃とは、念を押しているじゃないか。

 しかも太刀筋がアベル流なのだ、そのため簡単に受け止められた。


 なんだい? スケルトンか、それにしちゃ邪悪な闘氣を感じない


「素晴らしいです。先ほどの戦いぶりを見せられ、アベル殿の実力を確かめたくなってしまいました。本当にすみません」


 スケルトンは一礼をする。

 骨だけの体がカタカタと鳴った。


 〈幻影〉でただのスケルトンに擬態しているが間違いないぜ、彼が俺の探していた人物だ。



「申し遅れました。サンフレアとルナムーンの子で、今は七勇者の一人です。【黄金のスケルトン】レイン・ボゥ・ヘレルマトと言います。どうぞよろしく」


 レインが〈幻影〉を解くと白いスケルトンの体が本来の輝きである黄金の光に包まれる。


 惜しいなぁ顔が髑髏なのに、体が骨なのが実に惜しいよ。

 肉体が普通ならパンツを履かせてマントとシルバーバトンを持たせるのに……何処から来るのか蝙蝠だけが知っているあの、ヒーローができるのだ。

……ゴホンそんな事言っている場合じゃないよね。



 俺は罠を破りついに探し人を見つけた。

 後は魔王を倒して世界を平和にするだけだ。ニャハルにこっちの状況を伝えようと念話を開いた時だ。


(マスター戻ってきちゃだめにゃ。ニャア達にかまわずに逃げてにゃー)

(ニャハル!? そっちはまずいんだな、待っていなよ。すぐに戻って助けるから)



「向こうはアクシデントが起こったらしい、俺につかまってくれ。転移で玉座の間に飛ぶ」

「ここに来る転移は一方通行ですよ」


 俺の知らない情報を教えてくれるレイン、何だいそんな事か。


「アベル殿なら大丈夫じゃ、その手腕をとくと御覧(ごろう)じよ」


 まっすぐに俺を信じてくれてありがとうねアーガシア。


「実はさ俺は転移で飛ばされる前にあそこへ、転移ポータルをマーキングして残してるんだ。

 同時に敵の閉じた転移を一方通行から相互通行に書き換えしたから、どっちの方法でも玉座の間に戻れる。三人が心配だ、いくぜ」


 大口開けて驚きながら俺の手を取るレイン。そして優しく手を握るアーガシア、この二人を連れて俺は玉座へと転移する。

アベルには罠が効きません。アベルは過去罠を見つけるとわざと掛かり脱出を繰り返して

この罠はこう、この罠から抜けるにはこうだね、と脱出の法則を身に着けています。

【永夜の夜明け】からはこの行為をHENTAI、と評されました。


レインがアベルに攻撃するまでの流れ

・魔神に異世界へ転送される〈加護の眠りにより、長い眠りに入る〉

・アベルがレインのいる部屋に転移する〈前話〉、眠りから目覚めるレインは憧れであるアベルの戦いぶりを、観察する

・バルトエードの「強い者ほど強者と戦いたくなる欲求」に突き動かされて、アベルを攻撃〈アベル流はレインが地上にいたときに習った〉(今ここ)


レインは【黄金のスケルトンの体に紫の闘氣】を持つ、七勇者です

 

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      彦馬がよろこびます

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