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156話 異世界ムンドモンドにゴブリンと猫

 こんにちはアベルです。悪魔アベルじゃなくて小妖精の俺だよ。


 俺は今エワードにいる。

 どうも異世界に来ているらしい。



 昨日は【ラーマオブゴブリン】で宴会したんだ。

 子供でも飲める酒モドキを作った記念であり、泥酔した俺はアンダルシアに運ばれたまでを覚えている。


「我が君は飲みすぎですよー、だめだめでふー。

 アンダルシアが寝間へお運びひますから、お休みくださいまれ」


 そうは言っても酔いは疑似的なもので次の日には分解されているし、体に残る事はない。いくらでも飲めるおまけに、急性アルコール中毒になる事もない。

 酒ではなく『もどき』なので味は落ちる。少しだけどね。


「あと一杯だけぇー。んにぃーー」


 俺は彼女の腕の中でジタバタもがくが、アンダルシアに優しく拘束されて寝間に転移する。アンダルシアさんお腹に顔を埋めて猫吸いはやめて下さい。


「「アベル、奥さんに迷惑をかけるなよー」」


 そう言って俺を茶化すセーナとアップルの声が聞こえる。いやいやアップルはもう一人の俺なのだから、あんたにだけは言われたくないぞぅ。


 俺はベッドで彼女に「ありがとう」とお礼を言うが


「アンダルシアは我が君にご褒美を所望します」


 と言われたのでキスをして……どうでもいいね、ベッドで寝たのだ。



 夜が明けて起きるとエワードにいた。

 もう一度言おう、トウ・ダーラで寝た俺は何故か起きたら異世界のエワードにいた。

 夜中に何かがあったとしか思えない状況だね。





 異世界のエワードは魔王軍から攻撃を受けているらしく、城下町に魔物が入り込んでいる。

 城の兵士が戦っている中で俺達一般人は、エワード城の中庭に避難しているのだ。


 だが人類側は劣勢でエワードの召喚術師が呼んだ異世界人の勇者とやらは、押されてこの中庭まで来ている。


「マスターどうする、助けるかにゃ?」

「このまま様子を見るよ。

 助けるのは簡単だがこの世界の人達に『危ないときは誰かが何とかしてくれる』、と言う悪癖を植え付けかねないからね〈時の勇者があらわれた時系列の〇イラル王国民のように!〉

 世界の危機はこの世界の人間が何とかした方がいい」


 俺は横に座るニャハルに説明する。彼女は俺と繋がるため何時でも俺の影や周囲のマナを通り、アベルの元へ来られるのだ。


「いないから探ったんにゃが、マスター何でそんな場所にいるにゃ」


 そう言ってこちらに移動してきた経緯がある。

 異世界にいる理由はこっちが聞きたいくらいだと思う俺。


 はっきり言うと帰るのは簡単だ。


 魔力を使い次元を渡るチャンネルを開けば、

 俺とニャハルは何時でもムンドモンドに帰れる。

 しかし、帰還すると俺が何故ここに呼ばれたのか? その理由が不明のままだ。

【帰るのはまだ早い】と俺の勘が告げている。



「がんばれー勇者ブンキチ(文吉/江戸時代より召喚)、魔王軍なんかに負けるなー!!」


 この異世界(ムンドモンド)はいまでも魔王に支配されており、人類はムンドモンド人では魔王に勝てないと結論したようで、召喚術を磨いた。


 負けるな―と応援したのがその召喚術師と言う訳だが、

 ブンキチは応援もむなしくやられて動かなくなった。

 最後の言葉が


「餅が食いてぇ」なのが、いたたまれない。


 いくら異世界人でも呼ばれたばかりではレベルが低かったのだろう。()()()()()()()()()()()()()()()()()



「愚かな人間ども! 貴様らの浅知恵で呼んだ勇者が、この魔族師団長カマセー様を倒せるとでも思ったか。

 後悔させてやる、城にいる人間は皆殺しだ!!!」

「俺を殺すと言ったかい? 面白く吠えるじゃないか、やってみなよ」


 中庭にいる人間が絶望の顔を見せる中で、サポート種が立ち上がり魔族に向かってそんな言葉を吐く。

 カマセーには滑稽に映ったようだ。


「バハハハハ、さ、サポート種の小妖精が今何を言った? 殺してみろだとぉーバハハハハ」

「マスターを待たせるにゃ、代わりにニャアが相手してやるにゃ。マスターとやるよりは、お前の生存確率が上がるにゃん」


「うらぁーー!」


 彼女の挑発によりキレたカマセーは戦斧を振り下ろす。

 技術も何もない頭に血が上ったせいで、力任せに振り下ろされる攻撃を

 ニャハルは親指と人差し指だけで止めてしまう。


「スローすぎてあくびが出るぜにゃ」


 カマセーは両腕で斧を引っ張るがびくともせず、ニャハルは「おめえじゃニャアには勝てねえ、ニャアにはそれがわかる」とバーダッ○の息子のように言う。


 とは言えカマセーは俺にとっくに、倒されている。ニャハルに攻撃が行くあの時に、体が反応してやつを真っ二つにしてしまったからで、

 俺は彼女は平氣とわかってはいるのだが反射で体が動いた。


「この斧を離して、三秒後にお前は死ぬにゃ」


 3秒待つまでもなく死んでるけどね。

 ニャハルと俺だけが知っている。


 カマセーはニャハルの言う通り、三秒後に真っ二つとなって死亡する。

 師団長がやられて魔族は撤退した。



 俺は勇者ブンキチを生き返らせた後で彼を、元の時代に送り返す。


 この世界の人間が――とは言ったけど、これも何かの縁だろう。()()()()()()が困っているなら力になろう、と思い直す俺。


「ゴブリンさんは強いなー、ひょっとして俺が召喚したのはブンキチじゃなくてゴブリンさんと猫さんだったりして。

 自己紹介が遅れたっす、じゃなくて、遅れました

 俺はエワードの宮廷召喚士をしています、

 キルレイン・オーゼルユイヴァスと言います。ゴブリンさんにはエワード王であるアルマ女王に会っていただきたい」

「いいぜヒト。あんたの困り事はこの大兄貴に任せておきなよ」

「俺の名前はそのヒなんたら、ではなくてキルレインですけど?」


 俺はヒトに言いながら、この異世界のムンドモンドを平和にする事が俺が召喚された理由かな? と考える

アベルを異世界に送り込んだのは誰か? 送り込む理由は? 次回でわかります。

ちなみにニャハルと同じく使い魔のニンバスはアベルのもとに呼べますし、アベルと同じ神越えは力づくでチャンネルを開いてアベルのもとに来れます。

力こそパワー、トキ兄さん〈パチもん〉も「暴力は良いぞ」といってました。


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      彦馬がよろこびます

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