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151話 聖剣奪還①聖剣スーパーグレートソード

 俺は今城壁の門をくぐり城へ続く城下町の道を歩いている。


 瘴気がかなり濃くなっており、人間を拒む魔素の量が多い。

 それと反比例してマナの循環が悪くされている。


 人為的なものを感じるね、国民の姿が見えないのは俺達を警戒しているからではなく、強制的に眠らされているからか。


 何故そうしてエワード王国全体に〈眠り〉の魔法を掛けたかは国民に、()()()()を見せたくないからに違いない。


 冥界の住人、【悪魔】がズシズシと我が物顔で道を歩いている。


 悪魔と言っても形は様々でその姿はニホンコクの悪魔とはかけ離れている。

 イメージだとデビルマ〇のデーモンに近いだろう。


 俺が見ているこいつは上半身はトロールなのに下半身はやせ細った、雌鳥(めんどり)で見るからに頭が悪そうな外見である。

 こちらに氣付くと喋りはしないが〈獲物を見つけたぁ~~〉、と薄汚い笑みを張り付けてやってくる。


 剣を抜き一瞬で切り刻む俺。


 他の悪魔達は氣にする事もなく、あてのない徘徊を続けている。



「エワード王国はどうしてしまったんだ? 私が国を出る時までは普通だったのに」

「国全体に〈眠り〉の魔法がかかっている状況と言い、ただ事じゃねえ事態が起きているみたいだな」


「【悪魔】はイメージの生命です。アベル様が倒した混ぜ物のような低級悪魔はまだいいですが、強力な【上級悪魔】には注意が必要です」


 アルマの動揺にシャウが返答する、メーレの言う強力な悪魔は確かに手強いだろう。

 何故なら上級悪魔は神越えモドキと言うべき存在だからだ。


 悪魔が持つレベル自体は参考にならない。

 敵として出た場合に注意する点はただ一つだけ、『神越えの様にイメージを現象として顕現できる』事なのだ。



 これを見越して俺が連れてきたハジメは過去に上級悪魔を、ある人物と協力して倒した経験がある。

 しかし多くの犠牲者を出してしまった。


 上級悪魔の見分け方は【人間の姿】をしている事。

 凝縮した肉体の強度はすさまじく、発達したその知能は人間種の賢者以上と言われている。


 トウ・ダーラ関係者を除けば、まともに戦えるのは神級(最低12000)のレベルをもつ者だけなのだ。


「カンミは俺を恐れて最悪の事態を起こすかもしれないね。みんな急ごう、スーパーグレートソードで封印を締め直すんだ」

「「はっ」」


「わかったのだー」


 急いで城へと駆けだすメーレ、シャウ、アルマ、オウ。

 だが、そっちは遠回りになるから違うんだよね。

【ふるさと】のメンバーが呼び止める。


「なにしてるのだ?」

「正規ルートから行ったら時間がかかるだけだもん」


「アベルさんどっちの方向でしたっけ?」

「こっちだぜ。勇者アベルの胸像〈ナンバー4〉から城の廊下に通じる抜け道がある。

 俺とバレンシアが共同作業で作った傑作品さ」


 俺を先頭に抜け道へ飛び込む中で、後ろから


「エワード王国で育ったのに知らなかった」

「アルマでさえ知らないんだもんな、メーレ知ってた?」


「アベル王を探しても姿が見えないって伝説は知っていましたけど、謎が解けましたよ」


 三人娘の会話が聞こえる。





 玉座の間の前まで来た。


 ここに来るまで兵士はおらず、代わりに町で見た悪魔を何十体も斬り倒す。

 封印が解けかかっているのかもしれない。


 アルマによると封印を締め直すこの時期は聖剣を地下から台座ごと、玉座の間に移して選定を行うと言う事だ。


「最初は僕達とリンキで何とか地下深くに封じましたからね。

 封印が解けてなければいいんですが」


 ハジメがそう零す。

 いやハジメだけじゃない口には出さないが

 冷や汗をかくニオとフルベルトも同じ気持ちのようである。


 

 俺の没後エワードは滅亡の危機を迎える。


 上級悪魔に国を乗っ取られそうになったのだ。

 シードルは死亡。


 勇者アベルとの縁故(えんこ)により【ふるさと】のメンバーであるハジメ、ニオ、フルベルト、ハイエアは一人の少年に力を貸し、上級悪魔の討伐に乗りかかる。


 リンキと言うシードルの息子はアベルの死後、初めて聖剣アルファ〈正式名称スーパーグレートソード〉に選ばれた聖剣の担い手である。


 彼はエワード流を駆使して上級悪魔を、城の地下深くの奈落へと封じ込めた。


 そう伝説に記されている。


 その後リンキはエワードの王となり封印された悪魔は、アベルの血に連なる者が監視してきたわけだね。



 俺はハジメとニオそれからフルベルトの頭を撫でた後で言ってあげる

「大丈夫さ、俺とみんながいるんだから。悪魔を封印と言わずに今度は滅ぼしてやろうぜ」


「アベルさんがいればやっつけられますよね。そうですとも」

「簡単だもん」


「みんながいるなら、あんな奴ひとひねりなのだ」





 扉を開けると台座に刺さる聖剣が見える、俺のはるか昔の記憶が蘇って

「研ぎ直せば使えるはずさ。アベルが冒険に行く時には研いで、アベルの守り刀にしておくよ。ねっ」


 エラリオがそう言って俺の家に遺した剣。

『お母ちゃんの剣』だ

聖剣に選ばれた少年リンキはアベルの孫にあたります、とは言えコピーの孫ですけど。

リンキはりんごの古語で、りんごは利宇古宇〈りうこう/りうごう〉が訛り

りんごになった説があるそうなのです。

この、りうこうは地域によりリンキとも呼ばれたそうでリンキの名はここから頂きました


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      彦馬がよろこびます

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