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148話 世界の頂点トウ・ダーラの戦争②

 数体の巨大ゴーレムを倒すと、何体ものゴーレムがわらわらと軍団になって、こちらに向かっている。

 増殖し続ける様は俺に、アルティメッ〇ガンダ〇の「自己増殖」を思い起こさせる。


「なんだいアレ? ムンドモンドは荒廃が進んでるわけじゃないんだけど」

「ありゃあ私が創ったデビルゴーレムじゃ、『自己増殖』と『自己再生』機能を持っておるのじゃ。

【覇権戦争】で、完全に破壊した機体を修理したんじゃな」


「ココナ製か通りで強い魔力を、感じるわけだね」



 俺とココナは視線を交わしてお互いに笑みを見せる。

 旧型対新型の展開はトウ・ダーラが保有するゴーレム軍団の、性能テストにちょうどいいからだ。


 俺はココナに頷き出陣の合図を送った、同時に右手を頭上に掲げてやつを呼ぶ


「出ろぉおーーーー! ドライグゥーーー!!」〈指パッチン〉

「ゴーレム軍団出撃じゃ。ココナ製ゴーレムの新型の力を

 旧型を持ち出す愚か者供に見せつけてやるのじゃ!」



 ゴォーと風を切る音を轟かせて登場したドライグは、巨大ゴーレムに攻撃を開始する。


 ココナは改良した【金剛四聖】をリモコンで、四体同時にあやつる離れ技を見せる。

 リモコンの形が少年探偵の〈敵に渡すな、大事なリモコン〉なのは内緒だ。


 あと

「見よ脳波コントロールによる四体同時操作を! これぞ〈砂隠れ、チ〇婆の極意【指の数】じゃ〉」


 そういうがココナのリモコンはロ〇家の入り婿の様に脳波コントロールなので、指は関係ないと思う俺。



 うちのゴーレムは、リモコンとパイロット操縦のハイブリッドになっている。

 パイロットと言ってもゴーレムの中に操縦席があるわけではなく、同盟国に設置した【モニタ】から遠隔で操縦する。


 早い話がゲームセンターのロボ操縦モノである。


 ムンドモンド人はパイロット操縦を好まない。

 これはあくまで自分の体で闘いたい欲求が強いからなのと、画面に酔うからだ。


 では誰が動かしているかと言えばチキュウにいる、多くの異世界人がパイロットを務めている。

 彼らはこういう技術は慣れっこのようだ。



 しかし

「すごい、5倍以上のエネルギーゲインがある」

「【ななつのくに】が駄目になるかならないかなんだ! やってみる価値ありますぜ」


「真面目な戦い! 討たせていただきます!」


 コレ絶対に遊んでるよねぇ。


 出撃したココナ率いるゴーレム軍団はエワ-ド軍の兵士を、紙細工を割くように倒してしまう。


 奴らも諦めてなく貴族連中が命令を飛ばすと、デビルゴーレムから巨大ゴーレムが産まれてココナの金剛四聖とぶつかる、しかし巨大ゴーレムの勇姿はそこまでだ。


 四聖ゴーレム〈スザク・ゲンブ・セイリュウ・ビャッコ〉は二対一組になると、エワードの巨大ゴーレムの動きを止めてしまう。

 羽交い絞めであったり足を攻撃したりと方法は様々なのだが、そうして動きが止まればたくさんのゴーレムが強襲して止めを刺す。


 見事だ! 


 劇場版青狸の旧鉄人兵団で鉄人兵団に群がられて、倒されるザンダク〇スを彷彿させる。

 勘違いせぬよう説明しておこう、鉄人兵団がトウ・ダーラ(うち)だ。


 現時点でトウ・ダーラの負けはない、とみていいね。


 ただし油断をする氣はない。


 なぜなら俺は勝つまでは、戦争中は何が起こるかわからない事が身にしみてわかっているためで、チラリとココナを見る。


「ジャハー。

 手を握れ正義の味方! 叩き潰せ悪魔の手先じゃー」


 ココナがギリギリのセリフを吐きながらリモコンを動かす、その横で

「動けセイリュウ・ゲンブ」


 とジャイアント〇ボを動かすように腕時計に、話しかけるポウレンがいる。


……見なかったことにしよう。

 さてあっちはどうなっているかな。

 やられていなければいいけど





 トウ・ダーラ軍の中で他の兵士と違い動きが遅く、力が弱い浮いた集団がいる。


 トウ・ダーラ軍は正規兵・悪党窟軍・ラーマオブゴブリンの冒険者・ゴーレム軍団と4つの軍閥に分かれているのだが

 装備を統一していないので、一目で、どの、軍なのかがわかるようになっている。


 しかし現在エワードのエリ-ト兵に押されて敗北しそうになっている集団は4つの、どの、軍でもない。



 彼らはルーヴァンの【魔術師の島の塔】に幽閉されていたニセアベルの集団なのだ。



 (いか)るルーは彼らを永遠に閉じ込めておくつもりだったのだが、本物のアベルと再会できた事

 なにより、その、アベルが「許してあげようよ」と言った事により

 ルーはギリギリ許す範囲の恩赦で、今回の戦争参加を彼らに課す事にする。


()()()()()()の役に立ちなさい。

 私は私と、アベルの仲間達を騙した対価を支払わないのなら、あなた方を見逃すことはできません」


 強い口調で言う。

 アベルも「落としどころとして仕方ないか」、と承諾したのだった。



 永遠に幽閉なのが一度戦うだけで自由の身になれるのだから、ニセアベルには破格の待遇と言える。


 しかし楽して名声を得ようとする性格が仇となり、訓練を積まずに戦争参加するニセアベル軍の命運は、今、尽きようとしていた。



「ひぃいいいいいい、じにだぐねえよぉおー」


 ニセアベルの頭にエワード流を使うエリート兵の一撃は、これ以上ない正確さで振り下ろされる。

 しかし何者かの手により阻止される。


 ギィンと鋭い音がした後で剣を止めた男の声が戦場に響いた。


「まったく『面倒見てやって』って、自分の名を語るニセモノなんて見殺しでいいと思うんすけど。

 大兄貴の……まっ、人の良さと言うべきすよね」

「ニセモノさんたちは下がってて、エワード道場出身のエリート兵の相手は僕達がするよ」


 ニセアベル達は震えながら助けに来た、六人の後ろに急いで回る。


 エワードのエリート兵と対峙するのは、オウ、ヒトを含む〈七兄弟(セプテム)〉である

ムンドモンドにはニセアベルの他に、アベルっ子がいます。ニセアベルはアベルの偽物ですが、アベルっ子はアベルのようになるようにと親が我が子にアベルのフルネームを少し変えて名付けます。

アデルだったりアーベルだったりです。

アベルっ子には歴史に名を残した大魔法使い、アベル・ジービールがおります


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      彦馬がよろこびます

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