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145話 セプテム

 俺達はペリルを倒す計画を話し解散する。奴を倒すには、いろいろと準備がいるからだ。



 後始末の話をしよう。


 ジロウは

「アベルがいてくれて良かった。サン殿に人帝を排除する計画を実行に移す件を、伝えておいてくれない?

 サン殿は今のトウ・ダーラが居心地がいいせいか天界に、なかなか帰ってこないのだ」


 俺は伝言くらいならいいよと言う。


「それから弟子の、ニンフェディーネの面倒を任せる。」


 ジロウはさらりと爆弾発言をして天界に帰ってしまった。


 何で俺がと思わなくもないが、「もう一度封印の眠りに入るのが面倒だ。お師様はアベルが何とかすると言っていたぞ、よろしく頼む」


 本人にそう言われてなんだかなぁと思う。何とも他人任せな師弟だね。


 まぁいいや俺もニンフェディーネの体を調べて、ペリルが使ったレベルを奪う術を解析するつもりだったし、交換条件と言う形で了承する。





 ニンフェディーネを、トウ・ダーラでの仮住まいに案内する時だった〈家はゲンサに言って用意させた〉。


 彼女に後ろから突然襲いかかられるが、俺はニンフの腕をかわすと彼女の首に腕を絡めて地面に押し倒す。

 二人はドプンと言う音を残し、この世界から姿を消した。


 案内についてくるオウの「兄貴の〈異界潜行〉だね。

 バルトエード様の『強者ほど強い相手と戦いたくなる掟』に、触発されたニンフさんに付き合うなんてさ。

 兄貴は御面見がいいなぁ」の発言が、事態を飲み込めていない憲兵達を安堵させるのだった。


 後で聞いたがトウ・ダーラ中にドズン、と異次元から闘う音が響いていたそうな。



 俺は異界でニンフェディーネをやっつけてから現世に帰還する。

 彼女はボロボロになってキュウ、とまいっているので〈全回復〉をかけてあげた。


「すごいよ兄貴、これでアーガシアさんを除いて神越えに全勝しているじゃない」

「手強かったけどね」


 ふ~~とひと息つく俺をニンフは後ろから抱きしめる、何だい? 羽交い絞めにして戦闘再開か? 


「すごいぞアベル余に勝つなんて、お師様以外では初めてだ。なぁ朕を(なれ)の弟子にしてくれ」


 彼女の中では俺は、二人目の黒星の相手らしい。ん? ペリルに負けたんじゃなかったっけ。

 あれはレベルを獲られただけで、負けたわけじゃないのか。

 ニンフェディーネが逃走した事実で負けになりそうなものだけど。要らん一言は封印しておこう。



「あんたはジロウの弟子だろう、俺は今オウとヒトがいるから弟子はこれ以上要らないぜ。

 どうしてもなら、あんたを俺の配下である魔王将の様に、空いた時間で鍛えてあげるよ」


 むぅ~と頬を膨らませる妖帝はクールビューティーな外見にあわない、可愛さを見せる。

 こんな風な子だったのか、幼い部分があるんだな。


「お師様から聞いたぞ、オウ達の他に兄弟がたくさんいるとな。余もその中に入る」


 あんだって? イヤ別にいいか。

 トウ・ダーラに神越えを苦労せずに取り込めると考えるなら悪い取引ではない。



「あ、兄貴が悪い顔してる」

「そんな事ないよオウや。

 俺は、この娘をジロウに託されているんだから俺の下につける、【アベル預かり】にするのは当然の帰結だよ」



 俺の弟分になるので当然のように、名づけをしてあげる。

妖六郎ようむろう】決まった! 自分のネーミングセンスに身震いがするくらい、かっこいい名前だぜ。


 集めた他の兄弟達〈オウ、ヒト、ドラ〉は「かわいそうに」だとか「嫌なら今言うんだぞ」、と文句を言っていたが、頷きながら拍手をするケシ太郎と森四郎を見習いたまえ!


「すごいなアベル、じゃなかったな(あね)様凄くかっこいいじゃないか」

「おぉ! 妖六郎わかってくれるかい」


「もちろんだ。他の(あに)様、姉様もよろしく頼む。こんなにかっこいい名前をつけてもらった朕は幸せ者だ」


 そうだろうとも、俺ほどのネーミングセンスは【神越え】クラスにならないと理解できないのさ。

〈まだわかんないか、お前のレベルじゃあ〉ってやつさ。


「大兄貴/兄貴/ソンクウ様/アベル様と同じ人間がいるとは」、と引くヒト達。



 後にトウ・ダーラ王直属の『懐刀(宝刀)』と呼ばれる【七兄弟(セプテム)】はこうして誕生するのだった。



 ちなみにこの話を聞いたハジメとココナは


〈センスが百年ほど古いのじゃ〉

〈こんな名前をつけられたら、僕なら一生山にこもっちまいますね〉


 などとかっこい〇太郎の名前を聞いた、猫と豚の変身人間のリアクションをする。ら○ま〜。

 ムンドモンド人と異世界人では文化が違うからわからんらしい、実に嘆かわしい事だ。

 だが二人とも「いい名前……か……なぁ~~?」と最後は褒めてくれるのだ。





 さて【神越え(ニンフェディーネ)】の件が終わり俺は、エワード王国と対決して聖剣を取り戻すために動き出す。


 アーガシアが謁見した人間に会うのだ。

 彼女はシードルの子孫で今のエワード王の近親にあたる。

 いわゆる分家の者だ。

 その彼女が直接トウ・ダーラ王の俺に依頼があると言うので、貴賓室に逗留させておいた。

 俺は中の者に声を掛けて部屋に入る。


「これはご先祖様。ご足労感謝する」


 長い金髪をおさげにまとめた髪型の、背は若干低いがグラマラスな体系の女騎士が俺の目の前でひざまずく。


「いいよ、俺とバレンシアの(コピー)のシードルの子孫が君だ。

 誰も見ていない所で、身内の俺に頭は下げなくていいぜアルマ」

「すまない」


 言うやスクっと立ち上がるアルマ。

 彼女から聞く依頼内容は、エワード王の暗殺である

ニンフェディーネの格好はボンデージのようなレオタードに似た服の上から、上着を羽織っています。

彼女がアベルに襲いかかるのは試しではなく本気の戦闘がしたくなったからです。この時のニンフは(オラわくわくすっぞ)と考えていたようです、アベルに返り討ちにされましたが。

七兄弟〈セプテム〉はみんなアベルの親衛隊所属です〈これは七勇者もそう〉。

そのうちトウ・ダーラの軍団紹介の回をするかもしれません


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      彦馬がよろこびます

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