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144話 シャーリー

 人帝ペリルか。

 |平和な時代《親のタンが帝国を創った後》に生まれて、大きな力を持つがゆえに世界征服なんて馬鹿げた夢を持つのだろう。


 しかもペリルは実現できるからたちが悪いと言えるのだ。


 世界征服(支配の時代の再現)は他の神越えが障壁になるのがわかっているし、数で言うとペリルが圧倒的に不利なのはわかっている。


 なのにアーガシア達はペリルに手を出さずにいる現状を考えると、俺の脳裏に一つの疑問が浮かぶ。


 当然俺はアーガシアへ疑問をぶつけてみる

「何故ペリルをやっつけない」か、をだ。


「無理じゃ。わしらが徒党を組んでも各個撃破されるのが落ちじゃ。」

「ソンクーが考えているままだよぅ

 ペリルに数で勝てるのなら、僕とばあちゃんとジロウでやっつけてるって」


「ニャアも今の話の流れでわかってしまったにゃ」


 ニャハルは陽氣さが身を潜めて、らしくもなく冷や汗をかいている。

 そんな彼女を見た後でミラルカとジロウと視線をかわした後、アーガシアは重く事実だけを口から出す。



「ペリルのレベルは隠匿しておるが10万近いのがわかっておる。だからこそわしらはアベル殿が出てくるまで待たねばいけなかったのじゃ。

 レベルが戦闘における勝ち負けの全てではないにせよ

 奴と対決できるのは同じレベルのアベル殿だけじゃからのぅ」



 なんか妙なんだよね

 ペリルの名が放つ言霊の強みから、レベルが10万で済む感じがしないのだ。それとニンフェディーネの三位(さんみ)がペリルと強い結びつきになっているのが氣になる。


「にゃ~~。ペリルやべーにゃ、マスター」

 と言いながら、俺に飼い猫の様に抱っこを要求して頭を俺の体へグリグリ押し付けるニャハルをよしよししながらで、申し訳ないのだが



 三位とは人物を構成する〈魂/精神/肉体〉の事である。


 例えばニャハルとアーガシアは俺の使い魔なので高レベルの者ならアベルの名を聞くだけで、俺とニャハルとアーガシアは結びがあるのを察知できるのだ。


 まぁ正確にはアーガシアではなく、分身が俺の使い魔だけどさ。それとニャハルを除いてここにいるみんなから、力の残滓(ざんし)が見える。


 どうやら見えているのは俺だけのようだ。



 俺はとりあえずアーガシアの話を最後まで聞いてから動く事にする。


「大王のタン殿さえ生きていれば状況が違っておったのじゃが昔のペリルは、父のタン殿を尊敬するいい子じゃった。

 後見人であり師匠である霊帝が姿を隠した時から野望を持つように変化してしまって……」



 そこで場がシンとなったので頃合いだな、と俺は口を出す。

 俺にまだ聞いてもいないのに全幅の信頼を寄せるからか「さすがマスターにゃん」というニャハル。



「アーガシア質問いいかな」

「う……む。アベル殿なんじゃ?」


 俺の質問は二つだ


・ニンフェディーネとペリルの結びつきについて→ジロウから聞いたニンフェディーネが封印状態にいたのと、関係してるんじゃないか?


「アベル僕が答えますよ。ニンフはペリルと戦いレベルを全て獲られているんです。

 彼女のレベルはデータ上は5万で表記されていますが薄く見えるのは、ペリルから貸し与えられている状態だからです」

「お師様朕にも説明させてくれ、奴は余を手駒に使う氣だった。

 今の朕はレベルをとられている以上経験値が入らぬのだ。

『元に戻してほしくば俺の言いなりになれ』、と余に奴は言った。朕は奴に使われてなるものかと自ら眠りの封印についたのだ」



 それでペリルを倒せる機会に復活したわけか。

 じゃあ次の質問だぜ


・俺がみんなにかかっている幻覚〈洗脳認識〉を解いていいかい?


 最初はアーガシアとミラルカを解く。

「なんじゃと!?」

「え? え? うそ~~」


 俺は次に、ニンフェディーネとジロウの(しゅ)を解いてやる。


「余からレベルを奪うだけでなく、意識にまで細工をしただと。殺してやるペリル!!」

「待てよ何時だ? ヨルゼンとして下界に降神召喚された時か? いや、しかし……」



 驚き方はそれぞれ違うが、ペリルはごく自然に認識の一部分だけを変えたようだ。

 だからこそ、この人達にも氣づかれなかったんだろう。


 では奴が【竜】【魔】【妖】の神越えの三人と十二神の何の認識を変えたかと言えば



「お・の・れ・が~~ただの異世界人の盗人ではないか。

 ペリルめ!! タン殿のご息女をどこに隠した~~!!!!」

「アーガシア落ち着け。シャーリーは殺されていないはずだ。彼女が死ぬと、人帝が持つレベルが消えるからだ。

 タン君の本当の娘(本当の人帝)シャーリー・ドオ・タンはどこかで生かされている」


 気持ちはわかるがアーガシアは怒りで危うく大会議室を魔力で吹っ飛ばしそうになる。

 急いでジロウが落ち着かせに入るが、ニャハルがとっさに結界を張らなければ危ない所だったぜ。



 俺はちらりとミラルカを見て撫でて落ち着かせる。


「ありがとソンクー。僕はシャーリーと友達だけど、ばあちゃんみたいにタンから子供を頼むって言われてないからさ、()()()()()()()()よ」


 普段の明るいミラルカはそこに居なく、代わりに魔王のミラルカが「殺してやる許さない、許さない」と呪詛をはいていた。



 ペリルはシャーリーから人帝の力を奪い帝国を乗っ取っている。

 倒すにはこのままでは無理だね。


 俺は皆が落ち着いてから、俺がとるべき次の行動を話す。

 ペリルを倒すには俺の剣がいるのだ。


 エワード王国と決着をつけて俺の聖剣を取りに行くぜ

聖剣を取りに行く前に、今回仲間になったジロウとニンフの後始末を次回で紹介します。

その後にアベルの聖剣『お母ちゃんの剣』であるスーパーグレートソード(世間での名称は聖剣アルファです)を、取りに行くストーリーになります


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      彦馬がよろこびます

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