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143話 【支配の時代】

 俺はルーと一緒に各同盟国を回り移動門(ゲート)横に、ディメンションドアの設置を完了する。


 そうして今トウ・ダーラ国に帰ってきているのだが


「すみません、アベルには無理を言ってみんなを集めてもらいまして」

「大した苦労はしていないからいいよ」


 俺は実際に苦労していない。


 なぜならトウ・ダーラ城の一室は、ルーの魔法により拡張された空間になっていて、【居住発展部門】が建てた同盟国の王族が宿泊できる施設になっている。


 それとは別にアーガシアとミラルカなどは個人の邸宅をトウ・ダーラに、用意しているので

 ジロウに今回【神越え】達を集めてほしいと言われても、すぐに招集する事が出来た。ニンフェディーネがいると聞いてアーガシアなんかは、「いよいよこの時が来たのかじゃ」と言っていたし、緊急事態のようだ。



 そう言う訳で俺を含めて【神越え】が五人、【世】【竜】【獣】【魔】【妖】とジロウ神は、トウ・ダーラ城の大会議室に集合している。

 アーガシアが予定通りだと言う感じで話し始める。


「ニンフェディーネ復活おめでとうなのじゃ。

 じゃが、今回皆に集まってもらった理由は皆もわかっておる様に単純明快じゃ。いよいよ人帝を叩く時が来たのじゃ」


 えっと!? 周り人の顔を見るとみんな頷いたり、「とうとうか」と独り言で相槌を打つ者ばかりだ。


 正直俺だけ置いてきぼり感は否めないね。

 だいたい、人帝って誰だよ?



「すまぬ、アベル殿は人帝と面識がなかったのぅ、わかりやすく順を追って説明させて頂くのじゃ」


 アーガシアは本当にいい子だね。

 彼女は一度瞳を閉じると重々しく口を開く。

 ところどころ怒りを抑えられないように感じるのは、人帝に向ける怒りが凄まじいからだろう。


「はじまりは一人の異世界人がムンドモンドに召喚された事じゃ。

 彼は名をタンといい、凄まじい力と人を引き付けるカリスマで大帝国を築いた。ちょうど今のアベル殿のようにのぅ。

 タンの名前は知らぬ本人も隠しておったし、ニホンコクなのにタンと言う珍しい苗字なのは【はぁふ】だからでガイコクが生国と言っていたそうじゃ。

 本人は【りょしんのしこと】で【ニホンコクにてんこ】した時に、ムンドモンドに召喚されたと言っておったのぅ」



 タンの説明はムンドモンドの生き物にはわかりづらいらしいが、俺はハジメのおかげでニホンコクの知識を持つからすぐにわかった。


 〈ガイコク生まれのタンはニホンコクとガイコクのハーフで、両親の仕事の都合でニホンコクに転校したんだな。

 そしてムンドモンドに召喚された〉、とそう言う事か。


 帰す時と違ってムンドモンドへ来るにはニホンコクからしかチャンネルがつながらないから、ハーフとは言えガイコク人が呼ばれるのは珍しいケースと言える。



「タン殿は『我が(タオ)は万民と共に()えあれかし』を信条に、善政を敷いておりタン殿と民草は幸せな時を過ごしておったよ。

 かく言うわしとミラルカそして靈帝も、タン殿の仲間でのぅ。

 彼が寿命で亡くなる時までタン殿を支えておったのじゃ。

 なかでも靈帝はタン殿と仲が良く、彼がなくなる時に『タン大王(ダーワン)大丈夫ですよ安心してください。あなたが創った帝国は、僕が支え続けます』と言うとそのまま国の守護神になるほどタン殿に、心酔しておったのじゃ」


 異世界人の寿命は百年と決まっている。

 たとえ体が長命種であってもそのルールからは逃れられない。


 タンは精霊になるわけでなく、天寿を全うする道を選んだのか。



 アーガシアはギリッと奥歯を噛むと顔に険をつけながら話す。

 彼女だけでなくミラルカ、ニンフェディーネそれからジロウも同じようにしている。


「帝国二代目の王のペリルは師である靈帝の下で、生まれた時から持っていた凄まじい力をさらに鍛え上げて、またたく間に五人目の【神越え】に、つまり【仙素道人太極帝せんそどうじんたいきょくてい】になりおった。

 力づくで神から精霊の試練を受けて【人間種の精霊】となり、寿命問題も解決しておる厄介な輩じゃ」


 うん? ペリルの説明を聞いたが問題があるようには思えないぞ。

 俺だって経験値を積んで世帝になってるわけだし。

 なんでアーガシア達は、ペリルの話をするだけで機嫌が悪くなっているんだろう。


 俺と封印されていたため事情を知らないニャハルは、お互いに顔を見合う。


「ペリルは帝国の範囲を広げ続けておる。

 のぅ話は変わるがアベル殿は千年前にイフマイータが掲げていた政策を覚えておいでか?」

「もちろんさ、魔族至上主義の【支配の時代】だ。

 魔族以外の種族は全て魔族の奴隷だったぜ。

 ……まさか!」

「ペリル・フォン・ジェパディーメナスは、【神越えの力】で国々を傘下に収めておる。

 奴が目指すのは世界征服よ。ペリルは魔族ではなく人間種による【支配の時代】を創ろうとしておるのじゃ!!」


 俺はアーガシアの話す内容を聞いて、

 ガタンと椅子を倒して気付かないうちに立ち上がっていた。

 冗談じゃないぜ。

 あんな最悪の時代を再現されてたまるかい!

外国人でも日本にいるならムンドモンドに召喚されます。今回帝国を創るタン君は転生勇者ちゃんが○遊記のキャラモチーフなので出しました。

タンにしたのは台○で一番多い性なのと〈それだけポピュラーだから〉、玄奘三○法師の名字がタンだからです。

日本では別の読み方になりますが


彦間の好きな小説で、外国の異世界人が出ているのを見て、大丈夫に違いないと判断しまして出させて頂きました


※すみませんNGな時はタン君を日本人の山田君にします


  面白かった次も読みたいと思われた読者さま


          下の



      ☆☆☆☆☆を押して


      ★★★★★に変えてください



      彦馬がよろこびます

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