133話 グォウライ事変③城を取り戻せ
俺の目の前に3メートルの大男が立っている。
そして俺の後ろには、俺達が今たおした大勢の兵士が倒れている。俺は城の結界を消す4つの宝玉を、奪いに来たのだ。
敵の幹部犠牲者第一号は、こいつになると言うわけだね。
「部下をたった一人で倒したのは褒めてやる。しかし貴様にノルト・リーマス様の配下である四天王の俺は倒せぬぞ。
貴様からはカロットのにおいがするな、おそらくは残りの十魔王将の誰かだろう」
四天王の男が言う内容は、はずれだ。
こいつの読みだが、俺が隠しているとはいえレベルの差を感じ取れない時点で、
魔神と戦う戦力として見れはしない。
これが高レベルの者なら「お前強さを隠しているな」とか、「俺の方がレベルが上のはずなのに、いやな感じがなくならない。目の前の小妖精は奥の手を隠している」
なんて風になるんだけどね。
たとえ敵でも伸びしろがありそうならヘンリーの様に、スカウトするんだけど、こいつはいらないや。
俺はため息をついて
「十魔王将ではないけど兄弟分という意味で近い存在かな。一つ提案するけど、結界の宝玉を渡すなら命だけは助けてやるぜ。
【俺の使い魔】はグォウライを乗っ取られて、『マスターの前で恥をかかされた』と怒っているからさ。
戦闘になれば俺は彼女に任せるし敵の命を獲るな、と彼女に制約を課す氣もないぞ」
この後お決まりの敵が俺を馬鹿にする
→ニャハルがサングラスをとり正体を明かす
→「ニャハル王!?
それがどうした、い、今更オリジナルが国に戻ってきてももう遅いわー」
→「俺が許可する。ニャハルの氣が済むように好きにやりなさい」
〈戦闘開始〉
殴り、蹴る、後ろに回ってジャーマンスープレックスで投げると言うよりかは、地面に落とすニャハル。
その後敵を立たせると何度も何度も殴り続ける、〈まるで鋼入りのダ〇にツケを払わせる、承〇郎のようだ〉
ニャハルは「よくも」と「マスターの前でニャアに恥を」と言う。
彼女と繋がる俺にニャハルの感情が流れてくる。
ニャハルの人生でTOP3に入るくらい彼女は怒っている。
こうなる理由は俺に、自分の情けない部分を見せてしまったという感情であるらしく
恋愛感情に疎い俺でも今なら何となくわかったりする。
「ホォーニャッ! ニャータタタタタタタタタタタ、おわにゃー!!」
最後は怒りのままに100発はあろうかという拳を、全身に叩き込まれ敵は「ひでぶ」と吹っ飛んだ。
「ツケの、領収書だにゃ」(バァ〜〜ン)
〈北斗の〇なのか、星の白〇のオラオラのラッシュなのか判断がつかないぜ〉
「ニャアは悪い奴をやっつけたにゃ、マスタァー褒めてにゃあー!」
抱き着く彼女をよしよしと頭を撫でる俺。
ちなみに敵はピクピクと痙攣しているが、呼吸はしているのでギリギリ生きてはいた。
まぁ生きてはいるがグォウライの刑法で、死罪は免れないだろう。
意識がはっきりした状態で、自分がした罪を悔いる羽目になるわけだね。
とりあえず結界の宝玉、まずは一個目ゲットだぜ。
二人目の敵は魔王センセキが相手をした。
傍から見てあまりにも一方的な戦いで、母さんもニャハルと同じく氣が立っている。
無理もない。
カロットおじさんとアメシス達が人質になっているのだから。だから、「カロット達が捕らわれている場所はどこだ」
とボコボコ状態の敵に聞いた結果
「しらないですぅ~~」
そう言う敵を、地面に何度も叩きつけた後で引き起こし
「アルのかないのか、どっちなんだ?」
「たっ、たから知らないって言いました~~。アルって何?」
聞いた後で一刀両断と言う、無慈悲の姿を見せてもしょうがないと言える。
しょうがないよね?
三人目の敵は俺が相手をする。だけど俺の降伏勧告を最初の敵と同じく聞かなかったので、〈不殺〉を掛けた剣で喉と水月を同時に突いてあっさり倒した。
事件が終わるまで気絶してな。
起きたらお前がした罪を悔いる刑罰が待っているから。
四人目とはじゃんけんで闘う相手を決める。
俺に決まり小妖精の俺を見た敵は、俺を舐め切っていた。
これがトウ・ダーラの事情に詳しい内部の人間ならば、トウ・ダーラの小妖精は戦闘技術を持つ。そう警戒するけど、〈やっぱり外部から来た敵はだめだな〉そう思う俺。
「あたーーーーー!」
〈不殺〉を掛けた剣を頭に打ち下ろすと敵は、「あいでぇ」と叫んでバタンと倒れる。
悪の魔法使いノルトの部下の四人を倒した感想だが、カロットおじさんとアメシス達が負ける相手ではない。
そうなると二つ程可能性が思いつくね。
ノルトが強いのかもしくは……
おそらく俺の想像で間違いないだろう。
その時が来れば【神越えの力】を全開にして戦う必要があるな。
「マスターどうしたにゃ?」
「何でもないよ」
心配そうに見つめるニャハルへ俺は、笑みを帰してグォウライ城へ歩いていく。
神越えの実力者。
城で【ドッペル/魔王ニャハル】と本氣の勝負が待っている
北○の拳好きの彦間は最初四天王に南斗六○拳伝承者のパロを考えていましたが、長くなるのでザコにしました。
二部からないアル修羅を使わせていただきましたが、土蜘蛛忍法を使う名もなき修羅も捨てがたかったです
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