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125話 誕生 炎刀とメカドラゴン

 俺はトウ・ダーラに新しく【技術部門】を創る。


 部門長はココナで副長はポウレンだ。

 ポウレンはリリパラディス王なので二足の草鞋(わらじ)になるのだが、技術に必要なセンスと手先の器用さは、ココナが最高と認める才能がある。


 幹部を集めてゴーレムの元〈粘土細工のようなもの〉を幹部全員に触らせて、ゴーレムを作らせてみたのだが始めて三分で

「君、技術部門の副長に採用じゃ」と言われたのがポウレンである。


 今はリリパラディスの統治のせいで留守がちだけど、【情報収集部門】と違いやる事が多いわけではないので現状でかまわない。

 ポウレンのレベルが上がれば〈分体〉を教えて、自由に動けるようにするしね。



「んやぁーーココナーー」

「ミコット久しぶりじゃー。あの小さかった少女が、今は【鍛冶王】かい。活躍しておるのぅ」


 靈刀四季の量産の件でミコットとココナ、それからジョフレを引き合わすとココナとミコットは知り合いだったようだ。

 オージの時の様に、ミコットはココナの周りを猫か小型犬の様に嬉しそうにぐるぐる回った後で、ココナに抱っこされていた。

 積もる話もあるだろうけど、とにかく仕事をしてほしいぞ。


 俺の横でジョフレが面白くなさそうに腕を組んで、足でタンタンと地面にリズムを打ち込むんだからさ。


 この後ジョフレが持つ〈加工魔法〉を使い靈刀四季は量産ができるようになった。

〈加工〉はジョフレがカルナティオ神の試練を乗り越えた事で身に着けた彼女だけのオリジナルである。


 だがそれもさっきまでの話、俺は【神越えの力】でラーニングして習得させてもらった。

 神越えのラーニングは見てしまえば習得できるのである。


 話を戻して〈加工〉により戦士の魂をコピーしたらミコットが打った四季に植えるのである。そうして量産型霊刀四季は完成する。


 ミコットとジョフレ、ココナが三人でヒソヒソ内緒話をしている。何だろう? 


「それいいな」とミコットが喋った後三人は作業に入りあっという間に刀が一本打ちあがった。


 げぇ、俺が刀から感じる感覚はすごく覚えがある。


「「完成この世に一本しかない【炎刀アベル】だぜ/ですわー/じゃー」」


 やっぱりそうだった、さっきの作業の間だな。

 ジョフレが俺に「アベル失礼しますわ、動かないでくださいまし」って触れた時にどうも怪しいと思ったんだよ。


 俺は誕生と同時に廃棄にしようと炎刀を折ろうとするが思いとどまる事にした。


「ミコ達から魔王様への献上品だぜ」なんて言われては廃棄などできるはずもない。


 ただし俺の武器にするつもりはない、理由は俺がアベルの意志を持つ武器を持っていてもメリットがないからだ。

 俺の戦闘経験は俺一人で間に合ってるぜ。


 三人に理由を話して許可をもらうと大切な彼女にトウ・ダーラを支えてくれている褒美として炎刀を下賜(プレゼント)する俺。


「あぁ我が君ありがとうございます。アンダルシアは生きてきてこんなに嬉しい氣持ちになった事がありません」


 アンダルシアは涙を零して俺からのプレゼントを受け取り喜んでくれた。

 抱きしめられる手に力が入って痛いが不思議と気にもならない。


 この感覚は何だろうか、いつか分かればいいなと思う俺。





 アーガシアはゴーレムの作成に没頭している。額には汗が浮かびツウーと目に落ちるが、彼女は氣にせずに組み立てを続けている。

 自分の作品を見つめる、アーガシアの目は真剣そのものだ。


「できたのじゃーーー」



 アーガシアは両手を高々とあげて叫んだ後で、ぱたりと地面に寝転がる。


 技術部門の本部である建物に人型ではないレッドメタルを基礎に、イエローメタルの装甲を纏うゴーレム【メカドラゴン】が存在感を放っていた。


 ラビレム村でアーガシアだけ、納得のいくゴーレムが造れない事がかなり悔しかったみたいだね。

 だがメカドラゴンはその過去を払拭するくらい見事な出来栄えなのである。


「へへーアベル殿のアイデアのおかげなのじゃ。そうでなくばわしは未だに、人型のゴーレムを造っていたに違いないからのぅ」

「俺は『人型で失敗するなら竜の形で作ればいい』、と言っただけだぜ。メカドラゴンを造った功績はアーガシアのものさ」


 まったくもって素晴らしい。メカドラの出来栄えに


「アーガシアはできる子なのじゃー」

「にゅぅうう。負けたにゃ。

 ばばあを正直侮ってたにゃ、ごめんにゃん」


 ココナが褒めて、ゴーレム造りでアーガシアより出来がいいゴーレムを造ったニャハルがアーガシアに降参する。


 とはいえ、ニャハルへの対抗心があったからアーガシアはあそこまで真剣にゴーレムに没頭できたと言える。だからニャハルそんなに落ち込まなくていいんだぜ。


 ん? 何だろう? ニャハルが、俺の体をグイグイ押すね。


「悔しいけど賭けは賭けにゃ。マスターばばあにキスしてあげてにゃ」

「はあ?」


 ニャハルはアーガシアのゴーレムに自作のゴーレムで勝つ予定だった。

 どちらからは覚えていないが、【勝者がアベルのキスを受ける】とそんな賭けをしたようだ。

 まぁいいけどさ。顔を真っ赤にして怒り眉、目をつぶってキスの口で待つアーガシアに「賭けは無効。キスは無し」、と言うのは酷という物だろう。


 俺はアーガシアのおでこにキスをする。

 これだけでも彼女はすごく喜んでくれた。



 ちなみにニャハルだが「主を賭けの賞品にするとは何事か」、と後でアンダルシア・ヒト・ルー・ケシ太郎・森四郎に怒られるはめになる

今は炎刀だけですが、後に火剣アップルと火焔の太刀タイセイが生まれます。なにかのご褒美で誰かに渡すかもしれません。

おそらくはトウ・ダーラの幹部が手にするはずです


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      彦馬がよろこびます

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