表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
140/346

122話 蘇るコンノ・ココナ

 村でゴーレム職人から学べるゴーレム造りの体験学習をやらせてもらった後で、俺達はココナが没したココナの家に行く。


 まぁ今では『ゴーレムの母、コンノ博物館』になっている建物だが中に入る。

 いやいや外から見てもデカかったけど、中もかなり広いね。


「アーガシア様ココナはどこだ。ですか?」

「うるさいのぅ! コドラ坊は黙ってわしについて来ればよいのじゃ」


「タイセイ様アーガシア様が珍しくご立腹です」

「まぁしょうがないよ。彼女は大人さ、まわりに当たって被害を出さないんだからね。だから黙ってついて行こうね」


 なぜアーガシアの機嫌が悪く、こうなったのかと言うとゴーレムを造る時

 俺とトーマ、ロンメル、アリスそれと闇森四郎が造るゴーレムは、ゴーレム職人が太鼓判を押すくらい褒めてくれた。


「君達はいつでもゴーレム職人になれる」

 お世辞でも嬉しいし俺も鼻が高い。

 だがしかしマジックアイテムや宝剣など、珍しい道具を創る竜に向いていないのがゴーレムを造る事なのだ。


 異世界ニホンコクでは、ゴーレムは語源が【胎児】になっていて、人の形をした物が基本である。

 人化ができるというのに変な表現なのだが、竜は人間の形を完全に理解できていない。

 というよりも、表現が難しいのかもしれない。竜の形と人間の形が違うので、仕方がないと言える。


 ちなみにトーマとロンメルとアリスは外でゴーレム造りを続けている。





「こっちじゃーwむくふふ。アベル殿は優しいのじゃー」

「俺の打算を優しさと言う君の方が優しいさ」と言うセリフを飲み込んで

 俺の腕に腕を絡めたアーガシアの頭を撫でる俺。


 俺達についてくるこの村の村長さん〈兼館長さん〉は、あるゴーレムを指さした。


「あれが初代村長ココナ様がコフィン〈棺〉と名付けたゴーレムでございます。

 私どもは『アーガシア様が、この村に再び来られた時に棺を開けよ』と言うココナ様の言葉を守ってきました」

「うむ。大儀であった、そなたらの献身はココナも喜ぶじゃろう。」


 俺は目の前にあるゴーレムを見て違和感を感じる。

 ()()()()()()()()()()()()


 手をかざして中を探るとゴーレムの装甲の奥に、確かに『誰かの魂』を感じる。


 まず間違いなくココナの魂だ。


 ココナはゴーレムに封印の術式を込めて自分の魂を死後、天界にも冥界にも渡さない様にしたのだ。

 これなら時間はかかるけど、誰かの〈蘇生〉で蘇える事ができる。


 そして彼女が〈蘇生〉をかけてくれる相手として()()にしたのがアーガシアだ。


「待たせたのぅ。長き眠りから目覚める時が来たようじゃ。我が友(ココナ)よ」

「この大きさのゴーレムにこれ程の術式を集積させたのか。人間種にしてはやるな。です」



 アーガシアが〈蘇生〉をかけている最中にドラ五郎が、ベタベタゴーレムに触っている。

 まずいと思った時にはもう遅かった。


 俺が前もって注意しておくべきだった。


 アーガシアは目を見開き「馬鹿者!! 好奇心が強いアベル殿が、ゴーレムに触れない理由を考えろなのじゃ!」と言い

「ドラ五郎触れてはいけません。術式にトラップ作動の条件として、【竜帝以外が触れるべからず】そう書いてあります」

 言いながら森四郎がドラ五郎に抱き着き、引きはがすが俺はトラップ起動の術式が解放されるのをこの目で見る。


……

………あたりを見回すが何も起こらない。


「私を生き返らせるのと同時に騒動を起こすのか、アーガシアが連れてきた友人はトラブルメイカーじゃなぁ」


 俺は声の方角を見る。


 ツインテール (と言っていいのか?)髪の束を、四房作る独特の髪型に紫紺の髪色。

 麿眉で、どこか狐を思わせる顔立ちの女性が裸で立っている。


 腰に手を当てながら堂々と立つ体は、背が低く華奢だ。

 なのに胸と腰は発達している。出るとこが出ている体形だ。

 アーガシアは【神越えの力】で、裸のココナに甚兵衛が体に密着したような服の上から白衣を着せる。


「ココナ見ての通りじゃバカコドラがトラップを発動させよった。ぬし権限で起動停止はできぬか? 事態は急を要するのじゃ疾く答えやぃ」

「一度発動したら【金剛四聖】は命令を終えるまで止まらんのじゃ。

 おまけにアーガシアの戦闘力を元に、私が没するその時まで改造を重ねたからねーじゃ。結論を言うと戦闘不能まで追い込むしかないのじゃ。

 そうすれば、自己防衛の休止モードに移行するのじゃ」


 だったらひと暴れして敵を止めれば、事件は解決になると言うわけだね。

 お互いに頷きあうと俺達は外に出る。


 ちなみに、コドラはアーガシアにしっぺをくらっていた。地味に痛い。





 外では村の中央の地面に擬態していたゲートから、四体のゴーレムがのそりとはい出てくる。


 村のゴーレム職人は自分のゴーレムを戦わせているけど、歯が立たないのが見てわかる。


「ココナ様復活万歳ーーでもトラップ起動したやつ誰だよ。馬鹿やろーー」


 すみませんトウ・ダーラ(うち)の馬鹿です。

 俺はドラ五郎をジト目で見ると、さすがのドラ五郎も反省してシュンとしている。


 トーマとアリスとロンメルは自分達で闘わずに、自作のゴーレムを【金剛四聖】に向かわせている。

 そんなゴーレムより君達が戦った方が強いだろ、と心で突っ込む俺。


「2チームに分かれて四体のゴーレムを破壊する。チームは俺・アーガシア・森四郎・ココナだ。後はトーマ・アリス・ロンメル・ドラ五郎で行くぜ」

「「おお!!」」


 俺達は目標目掛けて加速する。





 戦いの後、ラビレム村ではココナの復活祭と、打倒四聖の大宴会が開かれる。


「「初代村長ココナ様復活おめでとうございます。国家の庇護も得て、めでたいでーす」」


 村人が言う通り、アーガシアの仲介でココナと俺は正式に同盟を結ぶ。

 トウ・ダーラに新しい加盟国が誕生したのだ。まぁ国と言っても村なのだが。


 ココナが生み出したゴーレムの性能は素晴らしかった。

 大気中の元素とマナを組み合わせて、ゴーレムの胎内から〈びっくりどっきり〇カ〉のようにゴーレムが出てきた時は、感動した。


 この技術力を生かすためにトウ・ダーラに新しく【技術部門】をつくる事を決める俺。

 今からわくわくが止まらない。


「どうじゃココナよ。アベル殿はぬしが、遺言で言った人物に当てはまるかのぅ」

「うむ。あの時諦めないでよかったと思うのじゃ。アーガシアありがとう、私はもう一度だけ、ムンドモンドで生きてみようと思うのじゃ」


 なんだい? 視線を感じる方向を見るとアーガシアとココナが、俺を見て笑っている。

 もちろん嘲りではなく信頼を込めてだ。

 二人に手を振ると、力いっぱい手を振り返してきた。


 料理がうまいからご機嫌になってるのかな。

 俺はそう思う


【ななつのくに】


加盟国ー1グォウライ

    2魔法学院

    3剣士の里

    4ゴドーリン

    5悪党窟

    6アルカイン

    7ヒノヤマト

    8ヒノヤマトコウ

    9エルドラウフ

    10バウバッド

    11ラビレム村

アーガシアは人の形をしたゴーレムを作るのは苦手です。

しかしアベルのアイデアで後に竜の形をしたゴーレム【メカドラゴン】を作り出します。

ココナも「アーガシアは、出来る子じゃ」と褒めるのでした


  面白かった次も読みたいと思われた読者さま


          下の



      ☆☆☆☆☆を押して


      ★★★★★に変えてください



      彦馬がよろこびます

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ