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121話 ゴーレム職人の村へ

 俺はグリフォンの背に乗ってゴーレムの聖地と呼ばれる村へ向かっている。

 使い魔のニンバスの、けたたましく鳴く文句が俺の頭の中で響き

 ニンバス(分身)の元であるアーガシアから、ジトーッと冷たい目を向けられる。


「のぅアベル殿。グリフォンに乗らんでもぬし様にはグリフォンより速くてかっこいい飛竜がおるではないか。

 それかわしが、アベル殿を乗せて運んでもよいのじゃが?」


 とうとう口に出されて文句を言われてしまう。

 だがこれには理由があるのだ。俺はグリフォンに乗った事がないため、乗ってみたい。


 個人的な理由がひとつと、公的の理由は魔王として軍事につかうグリフォンが飛べる速さ、それから連続飛行できる時間などを正確に調べる必要がある。


 後はグリフォンの攻撃を受けれる耐久力だが、これは今は無理なので後回しだ。


 この事情をアーガシアに話すと彼女はようやく機嫌を戻してくれた。

 もっとも頭の中で、ニンバスは「キュイキュイ」と納得がいかない様子だ。


 ニンバスは俺を乗せる事が存在理由なので仕方ない。

 本体アーガシアを見習いなさいと言うのは簡単だが、ニンバスはまだまだ子供なのだ。


「アベル様。もう少し早く飛んでいいか? です」

「コドラ。アベルさんは俺達の魔王だぞ、お前はちゃんと敬語使えないのか」


「言うこと聞くようになっただけですごい進歩。アリスはそんな、【ドラ五郎】を応援する」

(こそこそ)『アベルさんのネーミングセンスは僕達の上司の神様が、保証するくらい皆無ですから。【闇森四郎】さんが嫌になったら言ってくださいね。

 僕とトーマさんと、アリスさんはあなたの改名に尽力しますから』


「私はタイセイ様がお授けになった、やみもりしろうの名前を誇りにしています」



 俺とアーガシアの乗るグリフォンの横を飛ぶ大竜の上にトーマ、アリス、ロンメルそしてアゲハが乗っている。


 彼女達の会話に出てきた【闇森四郎】と【ドラ五郎】は、俺がアゲハとコドラにつけた名前だ。

 アーガシアから『俺の下につける』、と預けられたのでケシ太郎の様に名前をつけた。

 ダークエルフだから闇森で竜だからドラ五どうだい! こんなにいい名前を思いつける、自分のネーミングセンスが恐ろしいぜ。


 しかしオウとヒトは猛反対して【永夜の夜明け】からも「もう少しましな名前をつけて/やらんか/あげて下さい/やれよぅ/あげて欲しいでござる」などと、ため息交じりに言われる。


 やれやれ、あいつらネーミングセンスないもんね。

 ホントダヨ。俺泣いてないし悔しくないから。



 結局アゲハが「ありがたく拝命いたします」と無表情で言ったので、みんなは俺に文句を言わなくなった。

 当事者が、それでいいと言うんだからそういう事だ。


 誰もいない所で嬉しそうにジャンプするアゲハを見て、無表情というより不器用なだけかもしれないと思う俺。



 ドラ五郎は「いやだーー。です」と文句を言うが黙らせる。


 ヒトの時と同じで、嫌なら俺は預からない。怒り心頭の、アーガシアの元へ帰りひどい処分を受ければよい。

 冷たいようだが、死ぬような思いをするよりは我慢した方がましだよね。


 それに「二人が一人前になれば名前で呼ぶよ」とヒトの時の様に教えてる。



 さぁ今回の旅の仲間アーガシア、アリス、ロンメル、闇森四郎、ドラ五郎と行こう。


 目的地は目の前だ





 城壁の代わりに柵がグルリと囲うラビレム村。

 村策の高さは、大きすぎず小さすぎず、これなら簡単に飛び越えられそうだ。

 村の規模も大きくはなく、中規模の栄え様といった感じだね。


 野党が目をつけやすそうな『手ごろな村』が、俺がこの村に抱く印象だが。

 とはいえ野党共も襲う氣にはなれないだろう。


 俺はその理由を見上げる。

 ミラルカの【魔王の鎧】、とまではいかないけれど全長6メートルの巨人。


【ゴーレム】が立っている。


〈海と大地のはざまにある、魂の修練の場所の〇ーラバトラーと同じ大きさ〉か。


 異世界人らしく世界を巡るマナに目をつけて、尽きないマナを動力源に使用する手際は、神越えの俺から見ても見事だ。


 今回の目的となるアーガシアの仲間、つまり異世界人コンノ・ココナ〈紺野狐々菜〉は召喚されてこのラビレム村を創ると、本人には護身用の武器なのだが、禁忌指定になったカノンと、ゴーレムを造った偉人である。


 ココナの名前が悪党として後世に残っていない理由が、覇権戦争でアーガシアと共に自分が生み出した全兵器を破壊したからだ。



 ムンドモンドの昔話の絵本では涙を流しながら、アーガシアに協力して兵器を破壊するココナが聖女のように描かれていたりする。

 生前の彼女を知るアーガシアに読ませると、痙攣を起こすくらい笑っていた。


「むくふふ……はーっはっはっは。あやつがこんな言葉使いするわけ無かろぅー。

まったく、嘘で人を笑わせてくれるのじゃ」


 俺の伝記と同じで脚色されてるみたいだぜ。

アベルの直下は今ケシ太郎からドラ五郎がいます。アベルを入れると6人なのできりよくあと一人入れて、七人兄弟にしようと思います。

もっともアベルが兄弟分と考えているのは、オウとヒトだけですけど


  面白かった次も読みたいと思われた読者さま


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      彦馬がよろこびます

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