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119話 神越え 勇者と魔王の勝負

 俺は【夏の間】から出て、アンダルシアが用意した着替えを、身に着ける。


 下はこげ茶のパンツで、上が紫色の前合わせがある袖なしの服だ。

 エルドラウフの技術で作られた魔法衣であり、防御力は良質の鎧を軽く凌駕する。


 トウ・ダーラとエルドラウフに作った縫製工場で、大量に作れるようになったため仲間達に装備させる。

 そして輸出だ。ミコットが束ねる武器部門と並ぶ防具部門の誕生である。


 ちなみに防具部門の最高責任者はジョフレがしている。

 ミコットと付き合っているかは定かではないけど、仲が良く武器と防具それぞれの責任者が力を合わせれば、向かうところ敵なしである。



 俺はアンダルシアと一緒に彼女が用意した軽食を食べながら考えている。


 【神越えの力】についてだ。


 実験としてニャハルとアーガシアとミラルカの三人で、何度か戦闘を行い【神越えの力】を使用してわかったこと。


 それはこの力に限界はない、という事だ。


 創造神のレベルを越える神越えの実力者は膨大な魔力があり、この魔力を使ってイメージした物をムンドモンドに顕現できるのだ。

 簡単に言うと、何でもできる超能力者が一番近いと思った。


1 イメージを世界に現わせられる。

 時間停止、自動治癒、透明化、念動力。

 バルトエードのルールに引っかからない瞬間移動などがあたる、逆を言えばイメージできなければ現象を起こせない。

 アーガシアがアベルに勝てないと言いきるのは、自分の発想がアベルに追いつかないため


2 魔力を使い切っても1ターン (ゲーム換算)すれば、魔力が全快する


3 レベルが高ければ肉体強度も上がるため、【神越えの力】を解放した神越えに純粋な肉弾戦で、相手できるのは神越えのみ


4 ラーニングで技術、魔法、技、能力は何でも習得できる


5 以上の事から純粋な意味で、神越えと戦えるのは同じ神越えだけ



 俺は当然、アーガシア達は普段は【神越えの力】を抑えて戦闘しているけど。

 同じ【神越え】と戦う時は、【神越えの力】を解放して全力で戦う事になる。


 抑えるという言葉で、俺の頭に

「パワーがあり余り過ぎて、自分でもうまくコントロールできないからです」と言う宇宙の帝王のありがたい言葉が浮かぶ。



「我が君。相談なのですけど、お話してよろしいですか」


 アンダルシアの話を聞くと、流通と軍備の件だった。そういえば俺に決めてほしいと、言ってたっけ。


 まず流通はヒノヤマトから海産物と、その他を運ぶのに新しい手段として、飛汽車を使ってよいかと聞かれる。


 飛汽車と言うのはヒノヤマトの城下町にあった、使われていない汽車を改造したもので地面ではなく、大氣中のマナを車輪でつかんで走るのだ。


 これによりゲートを使わずにヒノヤマトからトウダーラへ、短時間で輸入出が可能になる。

 ゲートは土地のマナを大量に使うので、何とか消費を抑えたい。


 発案者は俺で、改造してくれたのはミコット達ドワーフとハーフリング。

 それとルーとアニーだ。


 みんなのおかげで、俺が思うより早く完成した。

 空中の他に海の上と、魔力のバリアを張る事で海中も航行できる。


 ただし宇宙は無理だ。

 空も飛べる汽車なので、〈ぜひ戦士の銃を持って機械の体をもらいに行きたい〉ところなのだが、残念である。



 軍備はエルドラウフよりグリフォンを輸入したので、ドラグニルから輸入している騎竜も含めて、どんな風に兵士に分配していくかという相談だ。


 アンダルシアとケシ太郎で決めてもらっていいよ、と言うのが俺の正直な意見である。

 しかし俺がトウ・ダーラを離れる事が多かったので、彼女は一緒にいれる時間を作ろうとしているのかもしれない。


 俺は文句を言わずにアンダルシアと二人の楽しい時間を過ごす。


 ちなみに着替えた後ミラルカはヒトの元へ行ったし、アーガシアは猫状態のニャハルを抱くと


「アベル殿世話をかけるがこうでもせんと、魔帝もスッキリせぬじゃろう。なにより魔帝が敗北を望んでおるしのぅ」とわけの分からぬ事を言い、それから


「ぬしはわしと一緒じゃ。二人の邪魔するでないぞ。

 正妃に進展してもらわんとアベル殿の恋愛感情は止まったままじゃからのぅ」


 そう呟きサンにお礼を言いに行くのじゃーと軽やかに去っていく。

 

 セイヒ? あぁ成否か。

 アーガシア任しときなよ、俺は決断を間違えたことがないのが自慢なんだぜ。


 俺はアンダルシアといると不思議な気持ちを感じている、心が温かいような感じでいつまでもこうしていたいと思う『二人だけの時間』を過ごした。





 レッドシュリンプ亭でエビフライを食べた後、アンダルシアと別れた俺はミラルカに声を掛けられる。


「僕と戦ってよ、ソンクーと本気の勝負がしたい」


 彼女の目には決意がみなぎっている。

 ただし殺意は一切ない。魔族の強い者に従う本能に突き動かされての事だろう。

 彼女は本能のせいでストレスを感じているはずだ。


 と言うのも俺とミラルカの最初の勝負は神越えでなかった当時の俺を、ミラルカが見逃す形で引き分けにしたので

 魔族の本能で彼女は自分が、上だと思っている。

 なのでミラルカは負け越している今の状態が、ストレスになっているのだ。


 だから俺の方が強いとはっきり示せば彼女は今後、ストレスを感じなくなる。

 アーガシアがニャハルを連れて去ったのは神越えの仲間である、俺とミラルカに配慮しての事だろう。


 あの時の決着をつける時が来たみたいだね


「いいぜ。ミラルカの自覚がないストレスを解消してあげるよ」

「うんうん。さすがー! 僕の見込んだソンクーだよ」



 俺とミラルカは【秋の間】で、制限なしの本氣の勝負をする。

 勝負の結果は濁すけど、この勝負の後でミラルカが、俺の意見に逆らう事はなくなった。

神越えの力を開放していないアベルのレベルは、アベルの仲間と同じ12000です。

ニャハル、ミラルカ、アーガシアも同じです。

それと少しづつ恋愛感情が芽生えているアベルてすが、自覚をさせるのはやはりアンダルシアです。彼女がヒロインですから


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      彦馬がよろこびます

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