116話 バウバッド夜の戦い⑥大火力で決着だ
トーマ、アリス、ロンメルの三人は俺達に休む暇を与えないように、大規模な攻撃を休むことなく繰り返す。
それは竜のブレスであったり、魔法と闘氣技と様々だ。
人間の形をしていないのに、闘氣をあそこまで操れることに感心する。
しかし氣を体の中心で練り上げて、出口から放出するまでの流れが遅い、と不満はあるのだが。
あとは種族の体を使った攻撃だろうか。
爪に魔力を纏わせ攻撃。
花弁をカッターにしたり、蔓の鞭を見せられるのだが
俺とニャハルとアーガシアそしてミラルカの防御でなんなく防がれているのだった。
俺達が防ぐ中で、後ろにいる仲間が十英雄を攻撃する。
たとえレベル差はあっても、何度も奥義を喰らい続ければ、ダメージは蓄積していくのだ。
なづけて織田長篠戦法だぜ。
実際の信長は三段撃ちをしておらず、創作らしいけどね。
時間はかかるがこのままいけば、倒せるだろう。
それも十英雄があの手を使わなければなのだが、そう俺が考えた瞬間である。
「龍とエルフ共は奴らを攻撃しろ。その場から逃がすんじゃねえぞ!」
ダークエルフと竜は言われるがまま、トーマがしたように俺達を攻撃する、トーマめどうやら氣付いたらしい。
それまで俺達を包囲していたトーマと残りの二人が場を離れて集まりだす。
「ソンク-氣づいてるよね、あいつらの闘氣が爆発的に上がっている」
「まずいのぅ、今のレベルでは防げぬのじゃ力を開放して結界を破るか。どうするアベル殿?」
いやいやアーガシアが言うやり方は、最初にそうしとけばいいじゃないかって方法でしょ。
策を用意したんだから、計画通りにするさ。
「このまま迎え撃つ」
「にゃ~~もう逃げる時間もにゃいにゃ」
ニャハルの言う通り十英雄は俺達目掛けて合体技をぶっ放す。
「「チフラトレス・ヴァンジャンス!!!」」
同時に【永夜の夜明け】は、待っていましたと腰を落として合体技を放つ。五人でするエンデ・ジ・エンドだ。
「「合体奥義ツァールサンク・エンデ・ジエンド!!!」」
それぞれ解き放たれたエネルギーはぶつかり相手を飲み込もうと、その威力を増していく。
勝負は十英雄の技が勝った。
まぁここまで俺の予定通りではある。
「次は【ふるさと】の合体技だ。おみまいしてやるぜ」
俺の分身はしゃべりながら、ハジメ達と一緒に呼吸と闘気を合わせて技を放つ。
その後は【境界なき照陽】と、それから【ゴブリンと愉快な仲間達】の合体技を続けて放つ。もちろん十英雄達に避けるいとまなど与えるものか
「合体奥義四種混合降魔曼荼羅ーー!!」【ふるさと】
「合体奥義ゼックスセイス・ジョイエッロ・クリスタニアーー!!」【境界なき照陽】
「合体奥義三位一体トリアトレス・トライクラフトーー!!」【ゴブリンと愉快な仲間達】
分身ソンクウを入れたチームが放つ合体技は、勢いをなくした敵の合体技を軽々と粉砕するとトーマ、アリス、ロンメルに大ダメージを与える。
妙だな 本来なら倒せるダメージなんだが、やはり彼らに協力する神の力で守られているようだ。
俺は上空の結界を見ながらひとりで納得した。
…
……んん?
結界の解析をしておいて今更なんだが。
魔力の流れに見覚えがあるぞ、あれは誰のものだったっけ?
たしか……
その時だった。
協力者のバフかけを重ねがけにした十英雄の合体技が再度俺達を襲う
「絶対に負けん!! チフラトレス・ヴァンジャンス!!!」
本氣中の本氣と言うやつらしい。
これをまっていたのさ、たとえ倒せなくても敵最大の攻撃を出させられたのなら、俺達の勝ちは絶対に揺るがない。
さぁ喰らいなよ
「こんなのを相手にしないといけない魔神に同情するのである。オーバーキルであろう」
そんなヴォルデウスのつぶやきが聞こえるけれど、【神々の大権】を持つ魔神が可哀そうなわけあるかい、俺は知恵を絞りながら頑張ってるだけなのだ。
などと言ってるうちに、こちらの相手の技を迎え撃つ準備はできていた。
俺を真ん中に仲間は剣の構えをさながら右バッター、左バッターの様にして整列する。
決着は一瞬だった。
「「合体奥義アリトモス・アルティオス・レスクレーシオイグニスーー!!!」」
オールメンバー16名が合体技で放つ『レスクレーシオ・シュート』だ。
威力は俺が一人で放った時と比べ物にならないくらいに高く、しかも相手の技を取り込み倍加させて攻撃する。
喰らったトーマとアリスそしてロンメルは、魂すら消滅してこの世界から消えた。
▽
そう他の仲間達には見えたことだろうね。
トーマ達が技を喰らう瞬間に、神越えの力を開放して〈合流〉でバウバッドの誰もいない場所に『召喚』移動させたのだ。
俺と繋がるニャハルだけわかったようで、彼女は
「マスタァー、ニャアは逆らう氣はにゃいけれど、これでいいのかにゃん。ばばあだけには話とくとかにゃ〜?」
そう言って上目遣いで寂しそうな表情を見せる。
もちろんこれでいい、トーマ達は俺の仲間で魔神と戦う同士だからね。
だからみんなが気付いていない以上は、正体を暴いて要らぬ感情をぶつけさせたくはないのだ。
俺はニャハルを撫でて、優しく微笑んだ後に、人差し指を口元にもっていき『シーーッ』と言う
アベルがレベルの差を覆して勝利した事で、バルケスティは大権を持つ魔神にアベルなら、対抗できると確信しました。
大権の詳細は神々の戦いでわかると思います
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