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115話 バウバッド夜の戦い⑤オールメンバー

「(こぉおおおお)喝ーーっ!!」


 喉から深く吸い込んだ息を対象目掛けて掃き出し、俺は氣合でトーマを吹き飛ばす。


 トーマは吹き飛ばされる体勢から、くるんと回転すると着地した。

 俺に向ける憧れの色はトーマの目から消え失せて、代わりに敵に向ける怒りの色に染まっている。

 彼もようやく俺を、敵と認識したらしい。


「むくふふ、アベル殿がわしを。このわしを! 凶悪な敵の手からまるで姫の如く守ってくれたのじゃ~」


 俺の胸に顔をくっつけるアーガシアは左右にスリスリと顔を動かして、何やら悦に入っている。

 氣にせず俺は指パッチンをする。


 そうする事で、バウバッドの結界の上書きが解除される。

 つまりトーマ達はバフがかかって、俺達はデバフがかった元の状態に戻った、というわけだ。

 十英雄を倒すもう一つの策を見せる準備は、これでできた。


現在のレベル

アベル達 (全員8000)

トーマ達 (全員13000)



 使い魔のニャハルに意識を乗せると、オウ達に攻撃するドライを抑え込んでいた。


 ニャハルは本性の、大化猫の姿に戻って戦っている。

 そのニャハルの視界から見るドライはフェンリルの姿をしていて大迫力だ。

 さながら怪獣大決戦と言うところか、木の葉の気高き碧い猛獣に、同じコメントをしてもらいたい。


『ニャハル、相手にある程度のダメージを与えた後で、オウ達を回収して俺の所へ来るんだ。ミラルカの力がいる』

『了解だにゃ。ニャアに任せてにゃん』


「さて」

 その場でくるんと一回転。

 次の瞬間にはアーガシアを抱いた状態で空中にいる俺、その足元には召喚したニンバスがいる。


 トーマはコドラを呼び寄せている。どうやら俺達を追いかけてくるみたいだ。

 いいぞ思うつぼだぜ。


 俺は分身を作ると空中の追いかけっこの途中で上手く入れ替わる。

 それからアーガシアと一緒に、仲間で固まりながら防衛するジョフレ達と合流した。


「アベル遅いですわ、オウ次郎達はとっくに来ていましてよ」

「悪い。ワンがなかなか引き離せなくてさ、ミラルカもいるね、ニャハルでかしたよ。これで奴らを攻略する二つ目の策が発動できる」


 言うが早いか俺と神越えの三人。

 すなわちニャハル、アーガシア、ミラルカは手を繋ぎあった。


「アベル殿魔力の担当は誰じゃ、またわしがすればいいかのぅ?」

「いやここは俺に任せてくれ。発動は俺がやるから、三人は魔力の循環を頼むよ」


「頼りにしてるぜ」そうほほ笑むと

「マスターの頼みなら、ニャアはどこまでも力を引き出せるにゃ」


「他でもないソンクーの頼みだからね。僕も張り切っちゃうぞ」


 俺を見つめて笑顔で頼もしい発言をするミラルカ。


 ニャハルお前の言う内容が、アンダルシアに似てきてるんだけどマスターは、彼女ではなくて俺だぜ。


 ニャハルはアンダルシア、アーガシア、ケシ太郎俺が手助けした冒険者チームの女と仲がいいから、何かの影響を受けているかもしれないな。



 繋ぐ手から、魔法の起動に必要な魔力が集まって流れてくる。

 繋ぐ手が火の様に熱い。

 いくぜ! 世界で初めての新魔法を見せてやる。


「合流魔法【モンドール】」


 魔法を使った俺の周囲に光がともると、中からは呼びかけに答えた仲間たちが姿を続々と現した。


 今回ジョフレを入れた事により、俺の仲間が全員そろったのだオールメンバーで行こうじゃないか。



 ちなみに【合流】は転移ではなく召喚魔法であるため、バルトエードが設けた戦闘の転移禁止のルールに引っかからない。

 発案者は俺で、魔法の源になる存在も神ではなく神越えの俺になっている。


 呼ぶ仲間の数が多いので魔法力を使い切ってしまうが、ゲームに置き換えたらどうせ1ターン過ぎれば回復するのだ。

 ここで出し惜しみするつもりはないぜ。


「アベルさん、フルベルトは迷惑かけてないですか?」

「アベルのこだわり? 自分のレベルを下げた状態にして、敵を負かす必要性がわからないもん」

「テイイチそれからニオも来たのだ」


 チーム『ふるさと』のメンバーが揃い


「ジョフレはちゃんといます? アベルは、恋愛事情がよくわかってないですから心配で」

「ひ~ど~い~~。せっかくレベルを12000にしたのに~

下がっちゃったよ~」


「まぁまぁ、オーリンジお久しぶりですわねナイスタイミングですわ。

 アベルに聞いてた、合体技は出来上がってるようですわね」

「アンサリーも来てくれたか、レベルが下がるのは一時的なものだから、気にしなくていいぜ」


 チーム『境界なき照陽』が集合した


『ゴブリンと愉快な仲間達』はオウとヒトが現場にいるが、サンは呼べなかった。


 念話で確認したから間違いないのだ。

 彼女は今【強大な敵】と戦っているらしく氣を一瞬も緩められない状況なのだ。


『後で手を貸そうか』と言ったが『大丈夫っす』の一点張りで、取り付くしまもない。


 まぁサンなら何とかするだろうね。サンが相手している敵の、素性は知らないが頑張れ、と心で応援する俺。


 そして最後に

「死にたい方は誰です? 私のアベルに手を出して、冗談では済ましませんよ!」

「物騒である、しかしその意見には大賛成であるな」


「レベルをわざと下げて強大な敵に立ち向かう。くぅ~燃えるぜ!」

「セルバス殿、拙者忍びの立場から言わせてもらうがこのやり方は下策でござるぞ」


 チーム『永夜の夜明け』が勢ぞろいする


 敵も集合をかけており、同時に本性も見せている。


 トーマは竜にロンメルは花が咲き乱れる樹と獣が融合した魔物に、アリスはフェンリルに変身していた。

 さながら三匹の大怪獣と言った様相だな。


「もっとも攻撃範囲も増えて躱しづらくなったとも言えるがね、みんな準備はできてるかい力を貸してくれ」


 俺の呼びかけに俺の仲間は大きく「オオ!!」と返事をする。

 そうともレベルが負けていようが、それだけで勝負は決まらないんだ!


 いくぜ大火力でまとめて吹き飛ばしてやる

ニャハルは別働隊で、離れたオウたちを助けに行きました。

ちょうど手を振り下ろすフェンリルに猫タックルかまして倒した後で押さえつけてました。

アベルが見たのはこの場面です


  面白かった次も読みたいと思われた読者さま


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      彦馬がよろこびます

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