9話 小魔界・傭兵業2
「ソンクウ殿ありがとう。おかげで助かりました」
「バイクラン様もし母さんが来たら、お前の娘は少しずつでも強くなってると伝えてください。それじゃ失礼します」
依頼金を受け取った後、この村名物の焼き鳥を口いっぱいにほおばりながら
俺たちはリザードマンの村を後にした。
小魔界の北に位置するワーウルフの村からの依頼で俺達はレッサーヴァンパイアの群れと戦闘を開始した。
レッサーは知性が低く二、三匹片づけたら全体がたばとなって俺を追ってくる。
「オウヒト放て」
俺の合図で待機していた二人は簡易版の奥義をはなつ。
「合体奥義、層流闘力閃」
未熟なれど力を増していく二人の合体奥義で、レッサーの群れその過半数をしとめることができた。
だが残りの群れが俺へむかいその速度をあげてくる。
「予定どおりさ。俺は、ここにいるぜ追ってきなよ」
二人だけで奥義をはなった両名は膝をついた状態で、剣を横ばいにして最後のピ-スである俺をまっている。
二人のあたまを飛び越えると向きを変え闘氣をこめた剣を二人が構える剣へと振り下ろす。
「いくぜオウ、ヒト闘氣全開だい!」
「「完成 合体奥義 三位一体闘流閃烈波!!!」」
レッサーの群れをあとかたもなく吹き飛ばすと奥義の閃光は後ろにいた親玉にもダメージをあたえた。
「やるな……わが従僕のみならずこの私にまで傷をっっ?!」
しゃべり切るまでに敵の体に衝撃が走る。
自分の腹をヴァンパイアが見るとソンクウの投げた剣が突き刺さっている。
「アベル流飛翔刀刃剣」
姿を隠し、己の部下の影に隠れる臆病者など俺の敵ではないぜ。
そんな顔が奴からは見えただろう。
俺は、投げた剣を己の魔力ですいよせて、鞘に納める。
「楽勝だったね」
「ですね」
「うんうん」
この後俺達は、ワーウルフの長ディノムン(熊の獣人)に退治の報告をしてこの村名物月見団子をほおばり
「大兄貴一個多く食ってないすか」
末弟からのするどい指摘を受けて村を後にした。
▽
「片付いたぜ。前はオークで今度はジャイアントか、この村は大きいやつと縁があるよね」
「オ~ウ」
「大兄貴声が大きいっす。シー―ッ」
攻めるつもりはないんだが、弟二人が頭を抱えている。
ごめんふたりとも。
「ソンクウひさしぶり。見ればわかるお前あの時よりずっと強くなった」
檻番やってたハクザの兄ちゃんじゃないか。なつかしいな。
「思ったんだけどさこの村の戦力ってそこらのモンスターや、野党ぐらいなら倒せるけどそれ以上ってなると厳しいよね。
いままでどうしてたのさ?」
「傭兵に頼んでた。お前の母ちゃんは有名で優秀。
ただ最近は平和だったのでトウシンは遠くまで出稼ぎに行ってしまった、すこし残念」
まったくである。母さん不在で始めた傭兵業なのだけどいい部分もある。
こうして小魔界中の依頼を受けていろんな町村へいくなかで俺に剣を習いたいというものもすくなくない。
そんな者達にはゴブリン村のソンクウ道場を紹介するのだ。
「村長兼師範代のイスドゥレンです。よろしく」
体を鍛えてすっかり若々しくなった長老が今は師範代をやっている。
ぶっちゃけ俺、オウ、ヒトに次ぐ実力者になってるので後進の育成を任しているのだ。
「ハクザ兄ちゃんもよかったら道場に来ないか?腕がたつことで困ることはないぜ」
「俺まとまったお金ない」
なんだそんなことかい。
「少しずつのローンでいいよ生活が困らない程度のね。
強くなったら傭兵なり冒険者をして、お金を稼いで、一氣に返せばいいんだ」
そういうとハクザの兄ちゃんもソンクウ道場に入る運びとなった。
この時の道場経営が後々役に立つことを俺はまだ知らなかった。
【レベルが上がり神々からの祝福を授けます ちからまもりすばやさが300上昇 体力魔法力が1000上昇しました。攻撃魔法の火、水、雷、風、土のスパ(中)オーバ(大)ウルトゥア(超)の威力を取り戻しました】
正直ソンクウたちはお金には困ってませんそれは過去に痛い目にあってお金の大事さがしみているからです。
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