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108話 新たな加盟国

 白を基本とした明るい色で飾られた玉座の間は清廉な空氣が漂っていて心を落ち着かせる。

 俺はエルフの王フランソワ・パンデリックから熱い歓待を受けている、この男、名字でわかるようにジョフレの父親なのだ。


 エルフは寿命が一万年ある長命種で、不老のため老化することがない。

 彼らは寿命が尽きる一日前に老人となり、老衰で生涯を終えるようだ。

 なにかの物語にあるように長く生きることが苦痛に感じないのも特徴の一つだ、もっともエルフに限らず、この世界の長命種はみんなそうなのだが、違うのは転化した場合だろうか。


 詳しく言うと、人間種がエルフや魔族のような長命種になるときに気をつけなければいけないのが、人間種の感覚を残す事である。

 感覚を長命種仕様にしておかないと前に言った、『長く生きる事』が苦痛に感じるようになってしまうからだ。

 それは物事に無感動になったり、愛する者に先に死なれる環境に絶望したりといった具合。

 この事は【転化の失敗】と呼ばれている。


 創造神の転生法はさすがというか。俺は元人間種だけど小妖精になった後も、何の不都合も感じてない、ルーに完全な転生法と言わせるだけはあるよね。

 バルケスティ様を二人で誉めてたらサンがくしゃみしてたけど、あいつ創造神様と特別なつながりがあるのかもしれないな。

 まぁ七勇者を探す捜索隊と、上司くらいのものなんだろうが。



 そういうわけで俺の手を両手で固く握るフランソワの外見はとても若く、ジョフレと並んでも兄弟のようにしか見えない。

 それもフランソワが弟のように見えるからね、人間種の一部から見たらうらやましがられるかもしれないな。

 細い金髪を長髪にして、四肢は細身だけどよく鍛えこんである。

 戦士としても一流だろう。体にまとう服は薄く白を基本にと赤と青で装飾された物理・魔法防御に長じた逸品だ。


 取引でいいから俺の国に引き込みたい、もちろん同盟できれば、それに越したことはないのだが。


 フランソワにせがまれてイフマイータを倒した話をする中で、ジョフレはミラルカに気づいて俺に尋ねる


「魔族のお嬢さんは面白くない話でしょうけれど我慢してくださいましね。アベル新しい仲間なら私に紹介してくださらない?」


 いずれバレるからいいかと思い


「父はルクトォ・ナイヴィス。母はマードレ・イグレス魔族本国イフマナスの現魔王、ミラルカ・イグレスその人だよ。俺の弟の婚約し……」

「「魔王? 【魔帝ミラルカ】が、エルフの国に侵攻しに来たか!!」」


「しないよー」そう言ってあっけらかんとする彼女の無害な姿に、一度戦闘態勢に入るジョフレもフランソワもガクっと肩透かしにされる。

 二人には悪いがミラルカが侵略する氣なら、彼女一人で国を支配下に置けるだろう。

 ジョフレとフランソワはレベルは英雄級 (8000)だが神越えの足元にも及ばない。


 それが俺が持つ感想なのだ


「魔族は武を重んじるからね、やるなら僕は正面から堂々と乗り込むし、支配に興味はないんだ。僕の父さんは体が弱かったし、おじさんはオーリンジに倒されたし、おじいちゃんは長く支配できたけど自分が生んだひずみのせいでソンクーにやられちゃったし。僕は今の平和な世の中が一番だと思うよ」


 ミラルカははっきり自分の魔王のスタンスを口にする。堂々とか……。


 そういえばトウ・ダーラに来た時フェンと二人だが、俺と戦うときは一人だったね。

 武を重んじると言うこの魔族は、俺が経験したエワードの王と貴族より信用できると思う。


「アベル殿の仲間に失礼した。どうかお許し願う」

「ぜんぜんいいよーでも一つお願い聞いてもらえる? アベルの国と君の国で同盟組んでよ。お互いにメリットがあるし、僕もキル君の兄貴の同盟国には何があっても手を出さずにいれるからさ」

「【ななつのくに】の盟主国トウ・ダーラと同盟ならむしろこちらからお願いしたいですよ」

「昨日お父様に相談されていて、私から既知のアベルに頼む手はずでしたのよ」


 フランソワとジョフレは同盟を望むようで、素晴らしいぞミラルカ! あ、こっちに隠してピースしてる。

 顔は得意げに、ふふん、と擬音が聞こえてきそうだ。


 いやいやいやありがたいぜ、エルフの持つ魔法衣服を織る技術は、これまで門外不出だったのだ。

 技術提携できるのはうれしいし、トウ・ダーラの文化と合わさることで新しい技術も生まれるかもしれない。『クー……ねー』ん? 念話だ。


『ソンクー僕役に立ったよね』

『うん、ありがとうミラルカ』

『えへへへ、じゃあさじゃあさキル君に稽古つけてあげてよ。彼は今、壁ができててね神越えと闘えば何か掴めるかもって言ってるんだ。僕はキル君には本氣出せないし、ばぁちゃんとニャハルは嫌 (じゃ・にゃ)っていうだろうから君にしか頼めないの、お願いだよぅ』


 ミラルカがしてくれた事はそれ以上の事なのだお安い御用さ。


 場所はイフマナスと指定があったから今度暇なときに稽古しに行こう。(ちなみに稽古場にはヒトの他に、有力な魔族がたくさん来ていて、俺は全員に稽古をつける事になる。有意義な時間を過ごせたのだった。)



 話を戻すとその場で正式な同盟の調印をおこない【ななつのくに】に新たな加盟国が加わった。

 しかし話はそれで終わらなかったりする。加盟国のフランソワ王はななつのくに盟主のトウ・ダーラ魔王……俺に自国の困り事の解決をお願いするのだ。


「竜が敵対しているだってぇ?」

「なんじゃとぉ!!」


 フランソワの話す内容にアーガシアが反応した


【ななつのくに】


加盟国ー1グォウライ

    2魔法学院

    3剣士の里

    4ゴドーリン

    5悪党窟

    6アルカイン

    7ヒノヤマト

    8ヒノヤマトコウ

    9エルドラウフ

イフマイータの血筋は父方です、名字のナイヴィスは組み替えるとイブナスになります魔神の名前ですね。

母は魔族の名門イグレス家でミラルカは母の名字を名乗ります。

自分は祖父たちと違い支配は望んでいないと名前で示しています

それとミラルカはヒト三郎に色々尽くしてますね、ヒトも同様にミラルカへお返ししています


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      彦馬がよろこびます

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