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95話 種族問わず受付します

 なんだかんだで俺の言う魔物を登録するギルドの案だが、通ってしまった。

 現在トウ・ダーラに戻りゲンサの手でできた、新ギルドの建物の前に俺とギルド長のアンサリーがいる。


「なかなか綺麗な建物じゃない~~。この『じどうどあ』もすごいよね~。やっぱりアベルの案に乗っかって正解だよ~」


 アニーは俺を誉めてくれるが、このギルドが八代目グランドマスターの管理下……つまり人間たちのギルドの一つと認められているのは、間違いなくアニーのおかげだろう。

 俺もグランドマスターになりギルドをつくり運営するなんて面倒事は避けられた。

 結果だけ言っても、あれなんで時間を戻そう。





~ギルドメインの町グランドマスターの部屋~


「私が問題点をあげたのは反対の意味じゃなくて~、反対する人を黙らせるためなんだよ~。問題は全部解決できちゃうし~」


 いいながらアニーは俺と腕を組むニャハルを見る、そして続ける。


「グランドマスターの権限で冒険者の昇級が可能だから、アベルはB級からA級に繰り上げね~」


 俺は簡単に決めるねと思ったがアニーが補足していう「アベルは生前A級だったし、それどころか魔王を倒して【今の世界を切り拓く】という難行をしてるじゃないか~実績は十分でしょ~」


 いいながらアニーの目線はニャハルだ。

 ……そうかアニーは獣人だもんね。


 続く問題の、魔物は人類の敵という認識は慣らしていけばいいというものだった。

 実際トウ・ダーラでは人間種と魔族や竜族がゲートで、それぞれの国を行き来して旅行もできてるし共存ができている。

 アニーは口で言うより冒険者を招いて体験させた方が、早いと判断したのだ。


 そして最後の問題。

 魔物登録のギルドを認めたら他のギルドで、暴動が起こるという件なんだが。



「「アンサリーはそれでいいのか」」


 まずヴォルフとオージが()()()()、ミコットは「悔いはないのかい? 仲間の願いとはいえ、アンサリーの生活を犠牲にする必要はないんだぜ」そうアニーの本心を聞いた。


 しかしアニーはあっけらかんとしたもので「アベルの力になりたいんだよ~。それにアベルはいけると思うんでしょ~アベルは、いけると思ったことは成功させてきたもん~だったら同じ風に乗らなきゃ損だもんね~」



 そうアニー解決法とは他のギルドの不信を抑えるため、責任をとり七代目のグランドマスターを退任するというものなんだ。

 仲間たちは心配そうな口ぶりだけれどアニーはかまわないという返事だった。

 ……それに、と付け足して……。


「私達獣人はみんなヴァルラハル様を尊敬してるからさ~。封印を解いたアベルは恩人でもあるわけだよ~」


 そういうことらしい、異種族の俺はしっくりこないけれど、ニャハルは獣人の生き神様で獣人達は彼女を崇拝しており、彼女の封印をいつか自分の手で解くのが夢の一つなんだとか。

 もちろんただ解くだけでなくそのあとの魔帝と竜帝からニャハル開放の許しを得ないといけないという試練があるのだが。


 俺は自分でも知らないうちに獣人たちの、大望を叶えてあげてたようだ。

 人生はどこで何につながるかわからないものである。



 アニーはその後、側近のギルド長を八代目のグランドマスターに任命して自分は、俺がつくる新ギルドのギルド長になった。

 そんな感じで俺はギルドメインで目的を果たし、高速飛行船に乗ってトウ・ダーラへと帰ってきたのだ。





「名前はもう考えてあるんだぜ」


 俺は鼻をこすりながら頭で温めていた、かっこいい名前を言おうとして――


「いいよ~名前ならこっちで考えるから~」とアニーに止められる。

 おまけに「アベルはネーミングセンスないんだもん~。あっこれだけは入れたいってワードを教えて~私含めてトウ・ダーラの幹部全員で考えて名前決めるからさ~」


……そんなことを言われる。

 名前に関して俺は蚊帳の外である。

 遺憾であり解せぬ!


 この後俺はレッドシュリンプ亭のエビフライをやけ食いするが本編とは関係ない話さ。



 その日の夕方に受付嬢が【種族問わず登録受付します】を言う、ムンドモンド初のギルド【ラーマオブゴブリン】ができた。

 意味はゴブリンの剣である。

アベルはゴブリンの剣と言いましたけど、ラーマは刃の意味なので厳密にはゴブリンの刃です。

アニーは責任を取る形でグランドマスターを退任してますけれど、弟子を八代目にして自分はアベルのそばにいる。ニャハルの近くにいるという目的を果たしています。

誰も損をしてないので、七代目グランドマスターの手腕はなかなかのものですね


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