90話 自他共栄・万物殷富・ご安全に1
俺はトウ・ダーラを改革するためにアンダルシアと家臣団を集める。
【ななつのくに】の六番目になるチキュウの情報は改革のきもになるだろう。
もちろん他の国の人間と技術は改革の大きな助けになるはずだ。俺の主観だけどね。
俺はこの国を治める魔王としてアンダルシアに下知する。
俺の意見はアンダルシアを通して家臣団に細かい命令となり伝わる。
異世界の知識を使って住みよい国造り、そのための大工事を始めるのだ。
最初ハジメに知識の説明を受けていたが、細かいところがどうしても伝わらない……。
俺はそのためハジメの「アベルさんいいですよやってください」の許可をもらった後、ハジメの頭に手を置いて異世界の知識を探らせてもらう。
これで俺は異世界人の知識をすべて持つムンドモンド人になったわけさ。
異世界の知識という材料をもとに俺はどういう文化を思いつくんだろう。
ハジメはチキュウをハジメが暮らしていたニホンコクと同じに造り変えた。
でも俺たちムンドモンド人からすればあの『びる』という建物は、住むには違和感をどうしても感じてしまう。
俺たちムンドモンド人が住みよく作り替えないといけないだろうね。
人は本能的に楽つまり利便性を求める生き物だから、綺麗で便利な住みやすい国にすれば富も人も集まるはずだ。
話を聞いた七勇者の仲間もやってくるかもしれないし。
最初の工事は下水工事を俺の神越えの力で行った。
汚いのは誰でも嫌だ、このくらいチートで処理してもズルとは言われまい。
いう人がいればそこを何とかと堪えてもらいたいものである。
とにかくトウ・ダーラ国の全トイレは冷暖房完備の水洗仕様に生まれ変わった。
アーガシアとミラルカはトウ・ダーラのトイレを見た後で、トウ・ダーラと同じトイレを自分たちの国に取り入れる。
二人が神越えの力を使ったのは言うまでもなく、俺にアーガシアとミラルカは、神越えの力を使うなと口が裂けても言えないだろうね。
「チート使うのはここまでさ。あとは工事班にお願いするよ。お前たち頼むぜ」
「「お任せくださいソンクウ様」」
工事班はドワーフのゲンサを頭に異種族混合の大チームである。
本来はミコットを頭にしたかったが彼女は武器製造業のトップで、工事の間とはいえ武器製造をストップさせるわけにはいかない。
なのでミコット推薦のゲンサが頭になる。
その下に頭補佐のハーフリングが二人ついている。
それからチームの中にテッキ国の魔物使いにあやつられていたオーガやオーク、それとジャイアントが入っている。
普段は城の兵士をしているが、今回の工事の話を聞いて自分から参加してくれた。
「王のためなら」と口々に言うが、こそばゆいからやめてほしい。助けたことなんか気にしなくていいのにと思う。
細かい細工はハーフリングが担当して力仕事はオーガたちの出番というわけさ。
「では君命を始めさせていただきます。ソンクウ様どうぞ号令をおかけください」
「ん? (俺か)あぁそうだね。じゃあ工事を始めてね。ご安全に」
「おお!! 自他共栄、万物殷富ご安全に!!!」
……気合が入りすぎと思わなくもない。
バンブツインプなんて聞き慣れない事を言うし……。
ちなみにチームがいう自他共栄は自分だけでなく、他人と力を合わせていい社会をつくっていこうという意味で。
万物殷富は国が栄えてすべての者が豊かになるという意味さ。
ななつのくには共存国家群だから自然と、工事チームの合言葉になっている。
俺は時間がかかってもどの種族も住みやすい国をつくるつもりさ。
トウ・ダーラを頼り各国から加盟国が増えますが、エピソードは挿まず今の加盟国は20になりましたのように淡々と描写します。
もちろん必要なエピは挿むんですけれど
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