89話 【ななつのくに】の七番目隠(なばり)国リリパラディス
オウバを倒したあと俺たちはゴドーリンへ乗り込み徹底的に壊滅させた。
なぜかと言うとポウレン王から、今後リリパラディスが侵略されることのないようにと追加注文を受けてのことなのだ。
俺はクライアントが言わなくても攻め込む氣ではいた。
理由は簡単であるゴドーリンが使った聖剣兵器の技術をトウ・ダーラのものにするためなのと、アーガシアが言うようにゴドーリンが再起できないようにするためだ。
他の国々にトウ・ダーラに敵対すると、どういう末路をたどるのかの見せしめにする。
俺にゴドーリンへの同情はかけらもない。
他国を攻めなければゴドーリンは今の状況になることはなく自業自得と言えるからだ。
テッキ国とおなじだね、あの国も他国にタブー兵器を使ったことがばれて没落しているみたい。
おもえばバレンシアのいとこのタロッコは計画性がない、そのわりに根拠のない自信をもつ変な男だった。
俺はタロッコの子孫のゴドーリン王を前に過去を思い返す。
「こっこれで余の命はたすけてもらえるので?」
「なんじゃ気概のない男じゃのぅ。アベル殿に聞いた直系ではなくとも、バレンシアのいとこの血筋というから期待してみれば拍子抜けじゃ」
「んや〜、アップル調印は終わったんだろ? なら国に帰ろうぜここは空気が悪いよ」
「くあ~~~~。」
トウ・ダーラの傘下にゴドーリンをくわえる調印を結ぶとゴドーリン王をみてアーガシア、ミコットは退屈そうに感想を言い。
ニャハルはあくびを漏らし、ブーニカは「ふぉ~~~」と聖剣兵器をおもちゃの如く振り回している。
この聖剣兵器はミコットたちドワーフの手でさらに改良されてトウ・ダーラの助けになるのである。
ゴドーリンは調印の内容の一つに今後侵略行為はしないとあるので、リリパラディスはおろか、他国に攻め入ることはできないし破れば滅びの道が待っている。
変な氣はおこさせないさ。
ちなみにトウ・ダーラに支配されたゴドーリンは今後豊かになり反乱の気配はなくなるのだがそれは別の話である。
▽
オウバ視点
▽
何とか体を回復させて帰り着いた俺をまつのはあざけりの言葉だった。
だが他の十英雄たちの嘲笑よりも白いゴブリンが俺を、わざと見逃したことが俺のプライドを傷つける。
「七勇者が相手なら……俺たちが戦うのに問題はない、俺はブーニカを吸収して勝っているからな。だがサポート種のハンデを持つはずのアベルは違うぞ。ハンデはとうに克服して魔神様の思惑を超えている」
俺を笑う十英雄たちは静まりかえり、俺がもたらす情報の分析をしている。
「やつは魂のひとつをとり戻して神越えになってしまった。戦った俺の感想は本物だ。何度でもいうが、七勇者は問題ではない脅威なのは七勇者のくくりに入る【規格外の神越え】……アベルだけだ」
この世界のどこかで十英雄はアベルに憎悪を募らせる。
▽
後日、ポウレンの要請でトウ・ダーラとリリパラディスは正式に同盟を結んだ。
サンの一言がポウレンを同盟させる決定打になったことを、俺はポウレンから後で聞くのだ。
城にきたポウレンは同盟の調印式でトウ・ダーラの魔王 (俺)を見た時は大いに驚いていた。
さもありなん、世間的にガウがタイセイになってるんだから驚きもするだろうね。
ななつのくに最後の同盟国を迎えるのに俺・ミラルカ・アメシス・メーレ・アーガシア・テイイチという各国の王がそろってポウレンを迎えるがポウレンは委縮している。
「ほんとに私が加わってもよろしいので」
そういうけれど俺からみたらななつのくにの改革に必要不可欠の国なのだ。
絶対に逃がすつもりはない。
俺はにこやかに笑い
「俺の目から見てリリパラディスは不足なんてないさ。そうだよなみんな、ポウレン殿も同盟に加わってくれるだろう? ね」
アーガシアたちは俺の気持ちがわかりポウレンに同盟を組むように口を動かす。
ようやくななつのくにの同盟国が完成する、なお盟主を決めるとき一斉に指をさす指名制で決めたんだけれどトウ・ダーラ国つまり俺が盟主になった。
いいだしっぺだからが理由だがそういう感じでいいかもしれない。その代わり責任も重くなるが。
トウ・ダーラを含めた【ななつのくに】
同盟国ー1トウ・ダーラ
2魔族本国イフマナス
3結晶国カラット
4神聖法国パラディーゾ
5竜国ドラグニル
6異世界文化国チキュウ
7隠国リリパラディス
加盟国ー1グォウライ
2魔法学院
3剣士の里
4ゴドーリン
この先加盟国は増えていくだろうから、俺はもっと頑張らないと、と強く気持ちを引き締めた。
ゴドーリンをとられたエワードも近いうちにトウ・ダーラに攻撃するだろうしね。
ともかく改革で国力をあげていくぜ。
アベルのそうだよなみんな発言で、ミラルカ達はポウレンを同格と認めました。
ブチャ○ティの「ブチャ○ティが連れてきたんだ愛想よくしろよ」と思ってくだされ
トウ・ダーラは国土以上に領土を広げます、ルーの技術によるもので次回からは改革国造りのお話です
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