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86話 開戦

 朝、大音量の声がリリパラディスの近くの荒野にひびく。

 現在リリパラディスはゴドーリンに侵略を受けていて両国は戦争状態だ。

 なので両国の軍はここで戦争をする。

 いまゴドーリンの将軍が拡声効果魔法を使い俺たちに降伏勧告をした。


「抵抗をやめて降伏するなら命だけは助けてやる」というが将軍の狙いは、リリパラディスを丸ごと手にいれることだろうね。

 支配者である王は排除して民は労働力へ、財と技術は接収。

 それから城は他国への防衛の拠点にしてもいい、もしくは侵略用の砦にも使えるね。


 俺の説明に俺たちのそばにいるポウレン王は青ざめて「ゴブリン殿まことですか」と震えながら言う。


「支配するなら心のよりどころは邪魔じゃからのぅ」


「アーガシアのいうままだよ。王をのこせば騎士なり家臣が担ぎ上げて再起するだろう。だから担ぐ神輿を消すのさ、前王がいなくなれば国民は不満を抱いても、決起することなく支配の中で生きていくよ」


 国際社会だとそうはいかないが、あいにくここは弱肉強食のムンドモンドだ。弱いやつは生き方も選べない。


 ジクリコウが王家の血を絶やすことに血眼だったのは民たちの決起を恐れてだった。

 アンダルシアは再起を図り、140年の歳月をかけて国を取り戻したのだから。


 話を戻すと支配するなら相手を完全にほろぼすつもりでやらないと、だめだってことだね。

 俺はポウレンにほほえみ「大丈夫さ。あんた達は魔王タイセイ様の名のもとにトウ・ダーラが守るよ。安心してくれていい」

 サポート種の小妖精ゴブリンにそう言われて、半信半疑の顔でひきつる笑みをポウレンは見せる。

 ポウレンの周りにいる親衛隊もひそひそと不安を小声で話す。


「サポート種のゴブリンより戦闘はできると言っても近縁種ハーフリングはだめにゃ。マスターが抑えていても奥にある闘氣と魔力を感じればただものじゃにゃいってすぐわかるのに」


「しょうがねえよサポート種は闘えないってのが世界の常識だぜ。まさか白い珍種ゴブリンの正体がアップル (アベル)で神越えの一人とは想像できないって」


 不満が聞こえたニャハルのぼやきにミコットがすばやくフォローする。

 しかし二人は俺が不満を持たれているのが我慢ならないようで、ぴくぴくとこめかみが引くついている。



 すぅーと一息飲み込んでばぁと声を吐き出す。


「ことわる!!! 俺たちトウ・ダーラ国は魔王タイセイ様の命によりリリパラディスを守護する。引けば手痛い敗北をせずにすむだろう二秒待つ! 賢い選択を期待するぜ!!」


 ここまで侵略にきたから相手の返事は当然のノーだった。

 敵の「進め」の掛け声が開戦の合図になる。





 ポウレン視点

 ▽

 国対国の戦争は大軍勢同士のぶつかりあいが常識だ。

 でも私の目の前で常識がひっくり返されている。

 ゴドーリン軍80万人を相手に5人が互角の戦いを見せている。

 私の目が確かならば、少数のはずの5人が大軍勢を押している風に見える。

 戦闘が始まる前ゴブリンは安心してくれていいと、いったが私はその通りだと今は認めている。

 黄金の飛竜に乗り戦場を駆ける白いゴブリンは5人の中でも強そうに見えた。


「あの人たちは一体?」


 もちろん自分が派遣を依頼した傭兵だそんなことはわかっている。

 知りたいのはトウ・ダーラはあんな超人とも、ふとすれば怪物とも呼べる者が多いのか? それとも今いる5人だけなのかである。


「あの5人は実力を3割も出してないぞ」


「ワンキルばかりだと戦の勘が鈍るってのがタイセイ様の教えでさぁ。それとポウレン殿の疑問ですがトウ・ダーラはあんな強者ばかりでさぁ」


 ハクザとマーチドッグだったか。とんでもない内容を口にするが、驚きはこの後だった。

 丸眼鏡で金髪の少女はバフ掛けをするという。


「みなさん、バフいくっす。力の差を見せつけるっす」


 バフもしていない三割以下の戦闘力であれかと瞠目どうもくする。

 そんな私に丸眼鏡の少女サンはこういった。


「庇護を求めるならトウ・ダーラを頼りなさい。ハーフリングの技術を得てトウ・ダーラはさらに強力になるでしょう。魔王タイセイは……あのソンクウというゴブリンは世界を救う者ですから」


 私は冗談だと思ってみたサンの目は真剣だった。

小妖精ゴブとハーフリングはこの世界では近縁種の設定です。バルケスティは小妖精ゴブを改良して戦闘力をもたせ、ハーフリングを生み出しました。小鬼ゴブはにおいでハーフリングの場所をかぎつけますが実はにおいが、ハーフリングなのか小妖精ゴブかはわかっていません。


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