85話 改革のための一歩
俺がトウ・ダーラに帰ってからハジメにもらった知識で国の改革は進む。
大規模の工事作業はドワーフやノームとテッキ国から救い出したジャイアントそれとオーガの手でいい具合に進んでいるが、細かな作業じてんしゃなどのパーツをつくるのは苦手らしい。
ドワーフは大工事と細工作業どちらもこなせるけど、ドワーフだけに負担がかかるのはよくないだろう。
それでなくてもドワーフは武器製造をドワーフたちだけで生産してくれてるんだからね。
やっぱり細かい細工をこなせる種族を俺の国に取り入れたい。
欲を言うとドワーフまでとは言わないが工事と細工の両方ができる種族だ。
「それでしたら小人を勧誘するのはいかがでしょう」
玉座に座る俺を膝に乗せたアンダルシアがいう。
たしかにハーフリングなら俺が言った条件を満たしている。
ただハーフリングは小妖精とちがい隠形がうまく他の種族とくに人間種から隠れるように生活しているのだ。
この世界にはハーフリングの国を探すのはチキュウへ行くより難しいという言葉があるくらいである。
「でもさアンダルシアのことだ。なにか心当たりがあるんだろ? 話してくれよ」
「上意をいただきました。アンダルシアは我が君の貴重なお時間を無駄にするような部下ではありません」
前置きが気になるね、それに部下じゃなくて俺の大事な仲間だけどさ。
アンダルシアの語る内容はこうだ
・ハーフリングの国が侵略を受けていて、トウ・ダーラは傭兵派遣の依頼を受けている
・マーチドッグとハクザで足りると思うが派遣した二人から応援の要請をうけている
妙だな、ハクザの兄ちゃんとマーチドッグは現在のレベルは4900の超人レベルで並の冒険者と魔物は軽く蹴散らす強さだ。
「わかった。あの二人が言うなら予想外のことが起きたんだね。行って見てみるよ」
「我が君がいかれずとも魔王将をいかせては?」
「真実を見極めるなら自分の目さ。もちろん他人を信用してないわけじゃないぜ、俺の性分なんだよ。そういうわけだからさアンダルシア、心配してるところ悪いね」
「はい」の返事の後に俺の耳元で「悪いとお思いでしたらアンダルシアはでぇとを我が君に所望します」という。
むーなるほど。
それくらいならいいかな俺はアンダルシアといるのは嫌じゃないし。
外で一緒に過ごせばいいんだよな、これいうとヴォルフが「ありていに言えばそうと言えるしそうではないともいえる。
まぁ貴公も少しずつアッチも前進しておるな」とあきれるのだが……。
▽
ここハーフリングの国リリパラディスの王城にトウ・ダーラの援軍アベル・ニャハル・ミコット・アーガシア・サン・ブーニカの六人が王と会っている。
もちろん依頼主に話を聞くためだ。
リリパラディスは自然と建物が融和したいい国だ。
トウ・ダーラに依頼したハーフリングの王ポウレンが語る内容は、俺がアンダルシアに聞いた内容と変わらなかった。
しかし侵略する敵は達人級レベルのハクザとマーチドッグを退ける何かをもつのはわかっている。
「簡単にたおせますけど、相手が相手なんで一応陛下にお伺いを立てようと思ったんでさぁ」
「陛下に俺たちの見た映像を見てほしい」
俺は魔法でハクザが見た記憶を映像にして空中に投影する。
昔ルーがお母ちゃんの仇を俺に見せるために使った魔法である。
「にゃ~、これじゃあハクザたちは手を出せないにゃあ」
「騎竜と飛竜を買い込んだのは戦争で使うからじゃのぅ」
「なるほど、こういうわけかい。俺に遠慮せず倒せばよかったのに」
ハクザたちはアベルに遠慮したんだ、戦争の相手はかつてのアベルが治めたエワード国の分家にあたる国ゴドーリン。
たおせばエワード王国が出てくるのはわかり切っていた。
ゴドーリンはアベルと形式上の妻バレンシアの兄、その子孫の国です。
ハーフリングの国をゴドーリンが見つけたのはゴブリン(小鬼)の嗅覚によるものです。
ハーフリングとアベルがなったゴブリン(小妖精)はにおいが似ていて、
小鬼ゴブはこのにおいがかぎつけられるんですね。
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