八咫烏
さて、今回も短いお話しです。
評価のお星が復活して来て嬉しいかぎり! ((o(。>ω<。)o))
ご意見、ご感想お待ちしておりますm(_ _)m
時は少し遡る。
アルメシア王国より東、一つ国を挟むと海に出る。
そこから更に東に向かうと、小さな小島が点在し、その内の一つにはダンジョンが存在する。
そのダンジョンの最下層に、静かに瞑想する体長五十センチ程の漆黒の烏の魔物の姿があった。
いや、烏ではない。
よく見ると、その二本の足の他にもう一本の足が!
八咫烏である。
八咫烏は目を開き隣りに倒れている巨大な物体を一瞥、また目を閉じ瞑想を始めた。
巨大な物体は恐らく魔物であったのだろうが、その原型は留めていない。
腐食し、肉は崩れ、骨まで溶けかけている!
その腐食は今も続いており、回りに異臭を放ちながら肉や骨が崩れ落ちていた……
そこへ何者かの声が響く。
「うわー……、これは酷いわね……貴方、この臭いの中、よく瞑想なんか……」
八咫烏は目を開き、声のする方へ首を向ける。
「…………オノクリスか」
「あら、なに? 久しぶりに会ったのに冷たいわね! けど……貴方のこの能力、相変わらずえげつないわね……、その姿でもかつての力は健在ね!」
八咫烏は何も言わず、オノクリスを見つめている。
オノクリスは溜息を吐く。
「今更だけど、私達の誰かに宿っていれば、そんな姿にならなくてすんだのに……ホント頑固なんだから……」
八咫烏はオノクリスから視線を外す。
「別に姿や形は気にしていない、この姿でも不便はないからな。まあ一部使えなくなったスキルはあるが……」
「そのスキル、今のままでも誰かに宿ったら使えるんでしょ?」
「ああ……だが、お前達に宿るつもりはない。別にお前達がダメって訳ではないんだ……」
オノクリスは更に深く溜息を吐く。
「分かってるわよ……前に聞いたから。なんか違うって事でしょ! 神の名を宿す者はその力を与えるのに直感を大事にするって言うもんね……私達が力になれないのは残念だけど……」
「それで何の用だ? 俺自身今の状況が飲み込めてないんだ……、突然転移させられてな、このダンジョンのボスか? 巨大なキマイラに襲われたんだ……前の邪神の残滓の仕業とは理解しているが……」
「その邪神の残滓は今、ウァプラ達が排除してるわよ」
八咫烏は目を見開く!
「なっ! まさかお前だけじゃなく、他の二人もこの世界に来ているのか……一体どうやって!」
「貴方……その姿で感知もかなり鈍っているみたいね……」
「元々俺は感知は余り得意では無かったからな……確か……氷結はその辺得意としていたが」
「その氷結龍、フロストドラゴンは今勇者と魔王と一緒にいるわよ! 光龍もね、雷龍は……チョットいたずらしちゃったけど」
勇者……魔王……
「もし雷龍が倒されでもしたら、ここにもくるわよ? 貴方はどうするの?」
何やら考え込む八咫烏……
「あっ! そうだった! 今の私達の事話さないとね。私達新しい邪神、マモル様に召喚されちゃったのよ! 三体共よ! ビックリでしょ」
あ、悪魔達三体を召喚!! しかもこの上級悪魔達を!?
「それは凄まじいな……それで、その邪神はあちら側なのか?」
オノクリスを睨む様に見つめる八咫烏。
「今回の邪神……マモル様は違うみたいね。アレのシステムからは外れているみたいなの……五百年前の勇者アキラの様な感じかしら……しかもその力は膨大ね! アキラとは比べ物にならない程よ!」
八咫烏は絶句する!
「…………そ、それは……マズイな……成程! お前達三体が大人しく召喚されたのも……そう言うことか!」
オノクリスは頷く。
「ええ! マモル様のあの力……絶対アレは興味持つわ!」
「それで勇者の方はどうなんだ? やはりアキラと同じ類か?」
「まだ分からない……ただ、アキラの時のあの方の様に、今の勇者にはシル様が付いているわ!」
「…………シルウェストレ様が……」
「シル様には悪いけど、その力を測る為に雷龍をぶつけてみるの! 使い魔を放っているから映像でその様子を見れるわ」
「成程……雷龍には申し訳ないが……勇者の力を測るのなら雷龍は絶好の相手だろう……アッサリ雷龍に倒されるようで有れば心配はいらない。ただ……オノクリスよ、両方死なない様に配慮はしろよ!」
「分かってるわよ! もし勇者になにかあったらシル様に叱られてしまうしね!」
「ふむ……なら私はここで勇者を待つ事にしよう。実際戦ってみないとその強さは測れまい」
「分かった! じゃあここでも雷龍との戦闘見れる様にするわね!」
頷く八咫烏。
じゃあまた、とオノクリスは転移する。
「アレがまた動く……か……」
転移した跡をじっと見つめ呟くのであった。
八咫烏?




