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閑話~メイ~

 元と同じ閑話の回です。


 かなりお気に入りの回なので、ほぼ修正無しでの投稿となります。

 ケンヤがギルドを出てからしばらく後、朝の喧騒も落ち着き、ギルドの職員もおのおの休憩を取る。


 ケンヤの受付をしていたメイも、自分で作ったお弁当を手に取り、奥のお茶室に向かった。

 お茶室にはすでに、数人の女性職員が食事をしながら世間話に花を咲かせている。


 メイは少し離れたテーブルに着き、持ってきたお弁当を広げた。

 自分で作ったサンドイッチを一口食べた所で声を掛けられる。

 メイの隣の窓口で受付をしていた同僚の女性職員のサチだ。


「ねえねえ! 今朝メイが受付してた初登録の男の子、めちゃくちゃイケメンだったよねえ」


 それを聞いていた別の職員が会話に入って来た。


「そうそう! 私もさあ、他の冒険者の対応しながらチラチラ見てたんだけど、ありゃあカッコイイわ!」


 それをきっかけにお茶室の話題はケンヤの話しで盛り上がる。


 メイは皆が盛り上がってる話しを聞きながら水筒に入れてきたお茶を飲んでいると、サチがニヤニヤしながら話しかけてきた。


「でもさあ、あのメイがあんな笑顔で対応してる所初めてみたよ! クールビューティ、冒険者の憧れのメイがねえ」



 ブホッッ!



 思わずお茶を吹き出しそうになってしまった!!


「な、なに言ってるのよ! 普通に対応してたわよ!」


 えっ! な、なに……確かにイケメンで最初少し見とれちゃったけど、出来るだけ顔には出さず、冷静にいつものように対応出来ていたはず!


 反論するが、サチは更に追い討ちをかけるように突っ込んできた。


「何言ってんの? 普段あんな懇切丁寧に説明してないでしょう! ランクの説明なんか普通、受付に置いてるパンフレットを渡すだけだし!」


 うっ……は、反論できない……


「メイにもやっと春がきたかあ〜、かなり年下だけど……うふふ」


 なに? 確かに今年で二十一ですけどっ!! かなり年上ですがそれがなにか? ってか、最後のうふふがムカつくんですけど!!


 いやいや、そう言う事じゃなく春ってなによ!


「しっかしまあ、あのケンヤって子、他の冒険者達にイジメられないか心配だわ」


 え? なんで? 


「だってさあ普段クールなメイがさあ、あんなにニコニコ対応してたら、他の冒険者が嫉妬するの当たり前じゃん! メイは気付いてなかったもだけど、涙目になってケンヤ君睨んでた冒険者、一人や二人じゃないわよ?」


 マジですか……


 それを聞いていた周りの女性職員達も話しに乗っかって来る。


「そうそう! 中には腰の剣に手をかけようとしてた人もいたし焦ったわよ!」


 どんだけですか……


「これ、私達女性職員がケンヤ君を守らなきゃいけないんじゃない?」


 一人の職員が訳の分からない提案をする。


「ウンウン! 久々に現れた目の保養……いや優秀な冒険者を守らないと!!」


 今目の保養って言いましたよね? 確かに言いましたよね? 言い切った後に言い直してももう遅いと思うんですが……


 するとサチが何やら書かれた一枚の紙を持って来た。


「ではここでケンヤ君をこっそり見守る会を結成いたします! 参加者はこの紙に署名捺印をお願いします!」


 サチいつの間に……ってか、こっそり見守る会って……


「よし! ここにいる女性職員は全員だね! 後はメイだけよ? どうすんの? 入るの入らないの?」

 

 

 うっ……


 そしてそっと署名捺印するメイ……



 ケンヤを見守る会が誕生した瞬間であった!


 今回署名した職員らは、後々ケンヤを見守る会の幹部として君臨することとなる……




 このメイさんとサチさんが最後にあんな事に……感慨深い……おっと、ネタバレ注意!!

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