冒険者ギルド
今回特に修正点はございません。
ちょっとした言い回しと、数字の統一ですね。
やはり数字の扱いが難しい……
横文字小説は漢数字だと見にくい気がしてきました……
何方か正解を教えて下され〜(*-ω-*)
オリブの宿を後にし、意気揚々冒険者ギルドへ向かうケンヤ。
冒険者ギルドは北門の近くに位置する。
北門から出れば、北の森と呼ばれる広大な森林が広がっており、森林奥深くにはダンジョンも存在する。
北の森にはスライムやゴブリン、オーク等が生息しており、ダンジョンにはゴブリンやオークの上位種なども生息している。
また、この森には各種ポーション等の素材になる薬草も豊富で、ピサロの街の冒険者達はほとんどの者が、この森やダンジョンで生計を立てている。
北門に近くに冒険者ギルドがあるのは、冒険者達がスムーズにこの森に行き来する為だ。
そんな冒険者ギルドの建物はかなりの敷地面積を誇る!
この冒険者ギルドでは、冒険者への依頼要請、魔石や素材の買い取り、食用魔物の解体、冒険者達の訓練場、はたまた銀行業務まで一手に引き受けている。
それなりの規模の建物になるのは必然であった。
街の中央にある領主の館に比べても遜色のない程だ。
そのギルドの扉を開きケンヤは入って行く。
ギルドの中はまだ早朝なのにも関わらず混雑していた。
皆が一斉に此方に振り向く。
うっ! なんか緊張する……
少しドキドキしなが受付に向かった。
確か一番左の受付が新人の為の受付けだったな。
他の受付はかなり込み合っいてたが、左の受付けは空いていた。
新人には最初登録手続きや各種説明等時間がかかる為、専用の窓口が設けられている。
新人用の受付には多分二十歳前後かな? 若い女性が対応していた。
「あのう、登録したいんですが」
少し緊張して話しかける。
「初登録の方ですね、登録の担当をさせていただくメイといいます。とりあえずこちらの書類に必要事項を記入下さい」
ふむ、記入する内容は……名前、年齢、職業だけ?
「えっと書けましたけど、これだけでいいんですか?」
「はい! 結構です。お次にこちらの魔道具に手を乗せてください」
それは透明の丸い水晶の様な魔道具、占い師が使ってるやつに似ている。
言われた通りにカウンターに置いてある魔道具に手を置く。するとそれまで透明だった魔道具が青色に変化した。
内心で「うおー!」って感動!! 流石異世界!!
「問題無いようですね。実はこの魔道具、犯罪者登録されてる方とか、魔人が変身していた場合赤く光るんですよ。ちなみに書類に嘘の記載した場合は黄色く光ります」
へ〜って感じです。
ってか今魔人って言わなかった? 魔人って普通に変身してその辺闊歩してたりするの??
って聞いてみたら笑われました……はい
「今は魔人なんて現れないですよ! 昔〜し昔、数百年前に魔族との大規模な戦争があったみたいで、斥候として下級魔人が変身して人間の領土に現れる事があったみたいです」
またまたへ〜って感じです。
「現状、魔族領がどうなっているのか確認出来ていませんが、魔王不在の現在、魔族が人間の領土に踏み入れる事はないと言われています」
ふむ、けど冒険者登録するのにレベルやステータスのチェックはしないのかな?
疑問に思い聞いてみたら……
「レベルやステータスはわざわざ人に見せるものじゃないですよ! 大事な個人情報なんですから!」
メッ! って感じで叱られてしまった……
まさかこの世界に個人情報保護法とか! マジですか!
「それに組合での評価はレベルや職業、ステータスでは評価していません! すべて組合への貢献度で判断させて頂いてます」
「組合への貢献度って?」
「依頼の達成件数とか、依頼難度とかが主ですが、高レベルの魔獣討伐、ダンジョンで珍しいアイテムを見つけ組合に提供するとかですかね。まあそれ以外にも細々と評価基準はありますが、大まかなのはこんな感じす」
けど、その基準ならそれなりの強さが必要なのでは?
そんな疑問を察してくれたのか、丁寧に説明してくれた。
「たとえば一ヶ月なにも動かない高レベルの冒険者と、一ヶ月一生懸命依頼をこなしてくれた低レベルの冒険者だと、当然後者の方が評価対象になりますよね?」
なるほど! 納得です。
「まあまた魔王復活、魔族が動きだした! なんて事になったら、評価の対応も変わるんでしょうが」
ふむふむ……なんかフラグな気がしないでもないが、ここはサラリと流しておこっ!
なんにせよ今のレベルや、ステータスを見せなくて良いのは僥倖です! ウンウン
「納得して頂けましたか? では早速ギルドカードを作成してまいります」
メイさんだったっけ? が書類と魔術具を持って席を立つ。
しばらく待っていると真新しいギルドカードを手渡してくれた。
ケンヤ15歳 戦士
ランクE
発行ピサロ
なんか嬉しい! ゲームではこんなカードを作る様な細かい設定なかったから!
しかし今は魔王は居ないのかあ、ゲームと少し時代背景が違うのかな?
そんな事を考えながらカードを眺めてると、メイさんが冒険者ランクの説明をしてくれる。
ランクは下から
F→14歳以下の冒険者見習い
E→15歳以上の初登録者は基本ここからスタート
D→一般冒険者
C→ベテラン冒険者
B→高ランクの魔物討伐を行える者
A→Bランクの冒険者で国家に認められたもの
S→???
「A~Sランクはギルドだけの判断ではなく、国家の了承が必要になります。今はSランクは不在で、わずか五人のAランクの方々はすべて国家のお抱えになってます。今ある国々に各一人配置されてますね」
ふ〜ん、Aランクになるとそんな事に……なんか面倒くさそう……
「Sランクに関しては、私達ギルドもよく分かってないんですよ……、数百年前に魔王を倒した勇者様がSランクだったようですが……」
魔王に勇者かあ、どちらも関わりたくはねえな!
「とりあえずケンヤさんはDランクを目指して下さい。Dランクになれば、周りが一人前と認めてくれますから。ケンヤさんなら直ぐになれますよ!」
ニコリと微笑んでくれるメイさん!
こ、こら! そんな笑顔向けられたらオジサン簡単に惚れちゃうぞ!!
おっと……いかんいかん。
よし! とりあえずのんびりDランクを目指そう!
そんでDランク固定でお気楽にこの世界を楽しむのだあああ!!
「あ、あのう、そろそろ説明は終わりですが、何か質問とかごさいますか?」
ん〜、特に無いかな〜 、あっ! あの事聞いときゃなきゃ!
「今スライムの魔石四つ程持ってるんですが、どこに持って行けばよいですか?」
「えっ!? 冒険者登録する前にもうスライムを四匹も倒したんですか! 凄い!」
へっ? スライムですよ? 最弱の……スライムですよ?
そりゃあ最初はビックリして逃げ回ったけど……、もう慣れたしデコピンで倒せる感じですが?
「ケンヤさん戦士職でしょ? スライムって物理攻撃効きにくいじゃないですか! パーティーに魔術師がいれば比較的楽に倒せるし、ベテランの戦士職なら剣で倒せるみたいですが……」
マジっスかっ!! スライムが物理攻撃効きにくいって初耳です。
だってゲームだと一番最初に出てくるザコキャラよ?
最近は魔王になったり街を作ったりするスライムが居たり居なかったり……ゲフンゲフン
そ、それはさておき、よく考えたらスライムを簡単に倒せるのってプレイヤーだから?
確かにゲーム内のNPCが、スライムを倒してる所を見た事がない。
逆にスライムが湧いて、困ってるみたいなイベント最初にあったような……
そう言う事なの?
今この街に住んでいる人達はゲーム内ではNPCだ! その人達とプレイヤーでは明らかに初期のステータスやレベルの上がり方とかも違うのでは?
なんか多分コレ正解に近いような気がする。
さて……どうしましょ? とりあえず何とかこの場は誤魔化さなければ!
「いや……、冒険者になるまでに何とか剣の腕を磨きたくて必死に鍛えたんです! たまにやってくる冒険者の方達に剣技を教えて貰ったりして……最近になってようやくスライムを倒せるようになったんですよ!」
人間必死になるとウソがスラスラ言えるんですねえ。
「なるほど! そうだったんですか、けど無茶はしちゃダメですよ!」
ホッ! 納得してくれたようだ。
「あっ! ごめんなさい、魔石の買い取りでしたね。あちらのカウンターになります」
メイさんに軽く「ありがとう」とお礼を言って教えて貰ったカウンターに向かう。
カウンターに座ってるのは……
ずんぐりむっくりけど脂肪じゃなくガッシリしてる感じ、顔は大きく髭が濃い。
身長は座ってるから分かりづらいが子供の背丈ぐらい?
もしかして……もしかしてドワーフ!!
おお! 初の亜人種とのご対面! ちょい感動……
「なんじゃいお前さん、ドワーフが珍しいのか? ここいらじゃあんまり珍しくも無かろう」
気を悪くしたかな?
「あ、ごめんなさい! 俺、村から出たの初めてで、村にはドワーフは居なかったから……」
素直に謝って田舎者の少年を演じてみる。
「…………まあいい、なんか持って来たんじゃろ? 出してみろ」
カウンターにスライムの魔石四個置く。
「スライムの魔石か、四個だと四千ゴールドじゃな!」
ドワーフはさっさと魔石をカウンター下にしまい「ほれ」と四千ゴールドを渡してきた。
スライムの魔石一個で千ゴールド……高すぎません?
スライム七匹倒したらオリブの宿二食付きで泊まれちゃうじゃん!!
色々聞こうと思ったけど、ドワーフさん(名前がわからん)にシッシッと手を払われたので、四千ゴールドをアイテムボックスに仕舞いカウンターを後にした。
スライム一匹でこの金額ならゴブリンは? オークは? めっちゃ気になる!
登録時の説明で、かなり時間がかかって日もかなり高くなってきたけど、日没までまだまだ時間はある!
「北の森目指しますか!」
こっちの世界で初の狩りらしい狩りに、ワクワクドキドキで冒険者ギルドを後にするケンヤであった。