不穏
ブックマークありがとうございます!
感謝━━━(≧∀≦人)━━━感謝
Twitterにも書いたのですが、昨日仕事の合間に書こうとしならまさかのメンテ……
このタイミングでの投稿になってしまいました……
さて、今回ですが、前半部分少し手を加えました。
ご意見ご感想お待ちしておりますm(_ _)m
10/8
召喚の杖の件、ご指摘があり、第36部分「魔王の気配」にて杖の説明付け加えました。
ケンヤ達が新たなメンバーを加え、ダンジョンを後にしたのと入れ違いに、一人ダンジョンに入ろうとする者がいた。
黒ずくめのフードを被ったその人物は、ダンジョン入口でひと気が無いことを確認し、ダンジョンに入っていく。
「何故、トラップが発動しない……」
トラップが発動しない事を不審に思うその人物、フードを外し辺りを見渡すが、魔物が湧く気配はない。
フードを外したその顔、人族のものではなかった。
頭には二本の角が生えており、肌の色は紺に近い青、目は赤い。魔族とも魔人とも違う。
「既に攻略された? まさかな! 今の人族にあのボスが倒せるとは思えん。何か不具合か?」
不審に思いながら先を進む。
上位種に襲われるが、小さな火の玉で全て焼き払って行く男。
すると、ボス部屋の直前、無造作に捨てられた杖の様な物を発見。
宝玉の壊れた杖、男はその杖を拾い驚愕する!
「し、召喚の杖……まさか本当にここのボスを倒した者がいたのか! しかも杖が育ちきる前に、何か強大な力を持つものを召喚してしまったようだな……」
杖を見つめ思案顔になる男。
「あのトラップを回避し、更にはボスまでも倒してしまえる存在……、まさか既に勇者が!? しかも、この杖が壊れる程の力を持つものを召喚……パーティ内にとんでもない魔法職の者がいたのであろうが……信じられんな! そしてそんな奴が召喚した者……魔人か悪魔か……」
男は首を振り、自身の考えを否定する。
「いや、流石に悪魔は無いな。悪魔はかつてのあのお方でさえ……、多分上位の魔人を召喚してしまったのだろう。いくらレベルが高く、召喚の縛りがあったとしても、魔人が人族になどに従うわけが無い! 恐らく召喚者はその魔人に取り殺されたのだろうな」
まあ、ここのボスを倒せる様な者達だ、勇者になる資質はあったのだろうが、レベルが上がりきる前に倒されたのであれば、我々にとっては不幸中の幸いと言えよう。
「しかし……、この杖が使えないとなると……計画を見直さなければなるまい。召喚された者の動向も気になる。まずは帝国に戻り、この事の報告、指示を仰がなければ……」
急ぎダンジョンを出る男。
「邪神様の復活が遅れるかもしれん!」
不穏な言葉を残し、その男はダンジョンを後にした。
魔王城改修現場、大きな寸胴鍋の前に魔族達が並ぶ。
皆、手に皿を持ち、自分の順番が来るのをソワソワしながら並んでいた。
その鍋からシチューをお皿に並々注ぎ
「はい!」
笑顔で手渡す美少女! 魔王であるミコトだ。
手渡された人々は恍惚の表情を浮かべ、シチューの入った皿を受け取る。
数百年ぶりに現れた魔王、その力は近くに居るとひしひしと伝わる。
何せ、魔物ひしめく山ごと、その魔法で消し飛ばしたのだ!
その状況を見ていた者も少なくない。
それに……
女神かと疑う程の美しい魔王が、直接手渡しで、しかも満面の笑みで、シチューを注ぎ渡してくれているのだ!
その様子をため息をつきながら見守るベリト。
「魔王様があの様な事まで……そなた、よく許可したな……」
ベリトは隣りに控えるマリアに話しかける。
「良いではごさいませんか、魔王様も楽しそうです。晩餐会の時より余程」
ベリトは言葉に詰まる。
魔王が疲れているのは知っていたが、各領の有力者達の魔王との面会も断る事は出来ず、苦労させてしまっていたのだ。
それに……と、マリアは付け加える。
ラナにお皿を取ってもらい、シチューを注ぐミコトを優しく見つめるマリア。
「私、出来の悪い腹違いの兄しかいませんでしょう? 不敬ではごさいますが、可愛い妹が出来たみたいで! ええ! 私、精一杯魔王様を甘やかします!!」
「そなた……ずるいぞ! 私に嫌われ役を押し付ける気だな!!」
ベリトの発言を無視するマリア……
全員にシチューが行き届いたのか、オカワリは他のメイドに任せ、自分の分のシチューを持つと、ミコトはラナを連れて魔族達の元に向かう。
自然とミコトとラナを魔族達は囲み談笑を始めた。
城の修理の進み具合や、魔族達の普段の生活を尋ねるミコト。
その質問を嬉しそうに応える魔族達。
ミコトは思う。
もしかしたら前の世界でも、自分にもう少し積極性があれば、あの嫌な生活も変わっていたのかも……
自分から色々と避けていた実感はある。
ただ。
この世界で一からやり直すんだ!
周りの魔族達と談笑しながら心に誓う。
その時、ベリトさんの元に一人の兵が駆け寄って来た。
「ほ、報告いたします。エルフの族長及び帝国からの使者が参られております。此方にお通ししても?」
ベリトさんは驚き私に目を向けます。
私はベリトさんに頷くと、ベリトさんは報告してきた人に指示をだします。
魔族達は何事か? と私を守る様に集まってきました。
し、使者さんですよね? そんな警戒しなくても……マリアさんまで私の所に戻ってきました。
そして……
(え、エルフだ! 耳が長い! あの人間違いなくエルフよね!)
緑色の髪、端正な顔立ちのエルフと、人族の文官風の人が現れ、文官風の人が口を開く。
「魔族の皆さん、お楽しみの所申し訳御座いません。私は帝国からの使者でマイルともうします。おお! ま、魔王様であられますか! 今後ともお見知り置きを」
そう言って膝まづきます。
エルフの人は私見て目を見開き、何も言わず同じ様に膝まづきました。
ベリトさんは突然の出来事に驚きを隠せ無い様子。
「ま、マイル殿! 一体全体どうしたのだ! それに族長まで……」
「いやあ、魔王様が誕生されたと聞き、帝国としては是非ご挨拶をと。帝王様から私共が伺う旨、連絡してはいたのですが、その連絡が届く前に私共が着いてしまったようでして……、ベリト殿の城に寄ったのですが、今はご不在で魔王様と此方にお越しになっいると聞きましてな、不躾ながらこうして参上させて頂きました」
顔を上げてベリトさんに応えるマイルさん。
この人なんか気持ち悪い……
笑顔が張り付いてるって言うか、まるで笑顔のお面被ってるみたい……それに……何故か違和感を感じる。
「魔王様、ベリト殿、申し訳ない。どうしてもと言われ断り切れなかったのだ」
エルフの族長さんは申し訳けなさそうにしている。この人には違和感は感じない。
マイルさん、何か変、気持ち悪い事を小声でマリアさんに伝えると、厳しい顔で頷きメガネを外しマイルさんと目を合わします。
「皆! 魔王様をお守りして!、私の魅了眼がききません! 魅了眼が効かないのは既に誰かに魅了されているか、私の魅了眼を上回る魔力を有しているかどちらかです! 人族が私の魔力を上回るなど……何れにせよ危険です」
私の周りの魔族達の魔力が高まり、ベリトさんは兵を呼び二人を囲んだ。
エルフの族長は何が起こっているのか理解出来ていない。
先程の張り付いた笑顔からフッと表情が抜け落ちるマイル。
「流石は魔王と言った所ですか……まさか見破られるとは!」
マリアさんが叫ぶ!
「貴方何者!!」
すると頬まで口が切れた様な笑顔を作る!
「さてね! 長い年月をかけ少しづつ魔族達の魔力を削ってきましたが……もはやこれまですね! 魔王の存在がこれ程とは! あのお方が気にしていたのも頷ける」
あのお方? 黒幕みたいな人がいるの?
「私はここで引かせて頂きます。流石にこれだけの数の魔族と魔王を相手にはできませんから!」
この状態で逃げる? て、転移魔法!! けど多分逃げれないわよ!!
魔族&魔導師コンボ、レベル40で手に入るスキル。
転移阻止!
ミコト自身このスキルなんの役に立つの? と不思議に思っていたスキルだ。
魔族と魔導師の組み合わせでしか手に入らないスキル。
ミコトは知らない。魔王からは逃げられないシステム。
転移阻止を手に入れた時点で、ミコトは魔王の素質を得ていたのだ!
マイルは驚愕する! 何度も転移の呪文を唱えるが魔法が掻き消されるのだ!
その隙に兵に取り押さえられ、魔力を縛る拘束具と舌を噛まない様、猿轡を噛まされる。
まだジタバタしているが兵に連行されて行くマイル。
エルフの族長も拘束はされてはいないが、共に兵に連れられて行った。
それを見送ったミコト。
「はあ〜、ビックリした! せっかく皆さんと楽しくお喋りしてたのに!! 台無しね!」
そのミコトの気の抜けた言葉に、周りの魔族は思わず苦笑してしまう。
「とりあえず皆さん、食べ終わったかな? じゃあお片付けしましょう!」
自らお皿を回収して回るミコト。
それを慌てて止めようとしするラナ。
一見平和が戻った様だが……
「我々魔族の魔力を削るだと? 数百年のうちに魔族の魔力が低下したのは何者かの人為的陰謀か! 帝国内に何かが起こっている? いや、元々帝国の数百年に渡る陰謀なのか? なんとしてもマイルの口を割らせねばならん!」
ベリトはマリアに指示を出す。
「魔王様の事は任せる。私はこの件、早急に他の領主にも報告せねばならん! 後、あのマイル……、せっかくの魔王様のお楽しみをぶち壊しやがった!! 口を割らせた後にはそれ相応の苦しみを与えてやる!」
そう言い残し、急ぎ自分の城に戻るのだった。
色々動き始めましたね!




