光の柱
さてさて今回も中々修正が難しかったです……
ノリとテンポを落とさない言い回し、ちゃんと出来ているか不安だす……
ご意見やご感想お待ちしておりますm(_ _)m
ピサロ領主邸には、ギルドの主要メンバーが集められていた。
ダンジョンまでケンヤ達を迎えに来た者達である。
その中には不服そうな顔のケンヤと、トオル達の姿もあった。
領主であるネイスが口を開く。
「皆集まってくれてご苦労。ダンジョンの異常の件、皆知っておるな」
全員が頷くのを確認するネイス。
「どうも他領、他国のダンジョンも同じく、異変が起きている様なのだ。そしてその原因は魔族領にある! ギルド長、この先の話はお主に任せる」
ギルド長は話しを引き継ぐ。
「領主様の仰る通り、ダンジョンと魔族領とは密接な関係があるんじゃ。魔族領と各国にあるダンジョンは地脈で繋がっており、魔族領の魔力が強まると、ダンジョンの魔物も活性化すると言われておる。ただ今回のは異常過ぎるわい! 恐らく魔王、もしくはそれに匹敵する程の魔族が、誕生しようとしておるようじゃ」
「ま、魔王……」
ギルド長の口から魔王と言う単語が飛び出し、皆一様に動揺を隠せずにいたが、ルークスは何やら思案顔でギルド長に尋ねた。
「なあ、職業魔王、実は無いって何かの文献で読んだんだが?」
「「「えっ!?」」」
皆が目を丸くする。
「知っておったか……」
ボソリ呟くギルド長。
「ふむ、職業に魔王なんてものはない! 数百年単位で魔族の中から際立って魔力の高い者が生まれ、魔族の王となる。魔族の王じゃから魔王じゃな……」
ガタッ! 思わず立ち上がるマリン。
「な、なら勇者はどうなんだ! まさか勇者も……」
「そうじゃ、職業勇者もない! 人族の中で魔王に対抗できそうな人物を勇者と呼んでいるだけじゃ」
その話を聞いた皆の視線がケンヤに集まる。
や、やめてくれ!! 俺はただの戦士だし!
「ゴホン」と咳払いをするギルド長。
「話が逸れたの。魔族領の魔力が満ちて魔王が生まれるのか、魔王が生まれるから、魔族領の魔力が満ちるのか正直分かっておらん。ただダンジョンの魔物が強力になり、ダンジョン以外の魔物も徐々に活性化するじゃろ……」
確かにスライムやゴブリンの数は増えている。
「これに対し各国がどの様に動くのか…… 我が国は早速各ダンジョンを封鎖するか検討中みたいじゃが……」
ダンジョンの封鎖!? 驚きと共にルークスが意を唱えた。
「だ、ダンジョンを封鎖なんてしたら冒険者には……それに魔石の確保も! スライムやゴブリンの魔石だけじゃ……魔石はエネルギーだ! 下手をすれば国が破綻する!」
それに対し領主のネイスが応える。
「ルークスの意見ももっともだが、ダンジョンに入っても無事に出て来れないのなら仕方なかろう? 我が国が誇るAランク冒険者ソフィア様でさえ無理だったのだ……」
俯き悔しそうにするソフィア。
そんな皆の反応を、不思議そうに聞いていたトオルとサラ、顔を見合わせ手を上げる。
「ん? トオルとサラか、どうかしたかの?」
「あの……、北の森のダンジョンなら、もうケンヤさんがボスを倒して攻略してます!」
「ケンヤさんが言うには、ボスを倒したからもうトラップは発動しないそうです」
皆固まってしまった……、トオルは更に続ける。
「ボスを倒した帰りは本当にトラップは発動しなかったし、魔物も多くて二、三体づつしか現れなかったから」
シルが腕を組みウンウン頷く。
「トオルとサラも、ガンガン上位種倒しながら帰って来たもんね! シル姉さんは二人の成長に涙が……」
「「シル姉さん!!」」
こ、こら君たち……場の空気読みなさい!
「「「ち、ちょっとまて!!!」」」
全員がツッコんで俺を凝視する! そ、そんなに見つめないで!
隣に居たミモザさん。
「あの〜ケンヤさん? 色々ツッコミどころ満載なんだけど……」
ミモザさん……揺れてまする……揺れて……ゲフンゲフン
「トオルとサラが言った通り、ダンジョンは攻略しました。一度ボスを倒すとトラップは発動しません。まあ時間が経つとボスは復活しますが、トラップは大丈夫だと思いますよ?」
ゲームではそうだった! ウンウン
「トラップさえ発動しなければ、ソフィアさんなら問題なくダンジョンに入れますよ! 他の人達も何組かでチームを組めば大丈夫じゃないかな? それでレベルを上げれば、魔王が復活して魔物が活性化しても、問題無いんじゃないですか?」
シーーーーン
え? 俺なんか変な事言った?
ネイスとギルド長は深ーーくため息をつき
「我が領のダンジョンはそれで良いが……他のダンジョンはどうするのだ? ケンヤ、お前がひとつひとつ攻略していくのか?」
げっ! 他領のダンジョン攻略、楽しそうではあるが…………面倒くさい! 何かか言い訳を……
「それは効率悪くないですか? 俺の身体は一つだし……どうせなら、この街に他の街を拠点にしてる冒険者を呼んだらどうですか? 北の森のダンジョンでレベル上げれば、他のダンジョン攻略も効率良くできますよ?」
お! 我ながら良い考えだ! トオルとサラから尊敬の眼差しが!
するとシルが俺の耳元で……
「ケンヤってメンドクサイ事回避する時口が回るよね〜」
な、なんの事かな?
他のダンジョン攻略! やってみたいけど、人にやれって言われたらやる気失せるのよねえ〜
「ふむ、ケンヤの意見は了解した。さっそくその旨、本国に伝えてみる。確かにケンヤが一人、各ダンジョンを回るより効率は良さそうだ」
ケンヤの意見を取り入れるというネイス。
「それで我が国の兵士や冒険者達のレベルが上がれば、万が一じゃ、魔族が何らかの行動を起こした場合にも対応できるじゃろ」
ギルド長も納得したようだ。
その時、一人の兵士が飛び込ん出来た! なにやらネイスに耳打ちをしている。
みるみる目を大きく見開くネイス。
「皆! この館の屋上に行くぞ! 急げ!」
何事か! 皆、急ぎ屋上に駆け上がる。
ピサロの遥か西の空に、天まで突き抜ける光の柱が見て取れた。
カタカタと震え上がるギルド長。
「ま、魔王が……生まれた……」
この国から魔族領までは更に一つ国を挟む。
その離れたピサロからでも目視出来る程の光の柱……皆、不安を隠せずその光の柱を見つめている。
ただ、ケンヤだけは少し冷めた目で光の柱を眺めていた。
魔王ねえ〜、ゲームでは確かに攻略対象だったけど、何か人に仕掛けてくる様な事無かったような? 自分の城に引きこもっているイメージ。そんなに騒ぐ様な事なのかな?
他と違う事を考え、光の柱を見つめるのであった。
面倒くさがり屋さんですね〜




