アキラとサタンとラキリス③
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「ねえ……何時になったらこのジャングル途切れるの……」
休憩を終えたアキラ達。
MPが回復したラキリスに抱きかかえられ、飛行魔法でジャングルの上空を移動する。
たが……
進めど進めどジャングルが途切れる様子が無い。
地平線の彼方までジャングルが広がっているのだ!
「まあこっちの世界はかなり広いし、ほぼ未開拓の地だからね〜」
サタンは手を頭の後ろで組み、ラキリスの肩に乗っかっている。
広いってどれ位? 未開拓?
「サタンさあ……そろそろちゃんと教えて! なんで天使達に襲われたのかとか、あの化け物の事とか! 後……この世界の事全般ね!」
「俺も知りたい!」
「だよね〜、あのね……先ず元の世界、こっちに来る前の世界ね。彼処は創造主アルファが作った世界なんだよ」
そ、創造主!? アルファ!?
驚くアキラとラキリス。サタンはあの世界が創造主アルファが、思考生命である自身の肉体を手に入れる為に作った実験場である事、人族が職業システムを手に入れ、それにより魔物等に狩られる側から狩る側になり、人口爆発が起こった事等を語って聞かせる。
「ここまでは理解出来たかな?」
アキラとラキリスはサタンの話しに目を白黒させる。
しかし、あんな天使が居るぐらいだ!創造主の様な存在が居てもおかしくない。
「大体は……あの世界は創造主の実験場……それに人口爆発……確かに転生前の私が居た世界でも人口問題はあったからなんとなくだけど理解は出来る。もしかして……邪神て人口を減らす為のものだったり? それを私達が倒しちゃったから、その創造主やあの天使達が怒っちゃったの?」
アキラの問にサタンは首を振る。
「ん〜、半分正解で半分は違うかな! あの邪神は人族や魔人を間引く存在なのは間違いない! ただあの邪神の存在価値はそれだけじゃ無いんだ。邪神と人族とを戦わせて、人族から邪神に対抗出来る存在が生まれる事、つまり人族や魔人に進化を促す存在なんだ! 事実、前回の時は魔人から英雄が生まれて邪神を倒している。ただ、その魔人は一人で邪神を倒せる程では無かったんだ。だからアルファは天使に手伝わさせて邪神を倒させた」
唖然とするラキリス。
伝え聞いた魔人の英雄の話しにはそんな真実が!
そしてラキリスにひとつの疑問が浮かぶ。
「そ、その恐らく我々が伝え聞く魔人の英雄……彼は邪神を倒した後どうなったんだ?」
サタンは当時を思い浮かべ一度俯くと一呼吸置き……
「彼は……アルファの実験台にされた……」
息を飲むアキラとラキリス。
折角誕生した英雄まで実験に使うとは!
「アルファにしてみればその魔人はまだまだ弱すぎたんだ……自身の肉体としてはね。だけど、この人族と魔人を間引く行為と魔人の英雄を実験に使った事が天使達を二分する事になる」
天使が二分? 敵味方に別れて戦ったと言う事か!!
なら人族や魔人に味方をする天使も?
アキラとラキは期待をするが……
「天使にしてみれば、自分達が何億年もかけ生まれた人族や魔人はいわば自身の子の様なものだ! こんなに簡単に間引くアルファに反旗を翻す者達が現れたんだ! ただそれはアルファに簡単に鎮圧されてしまう……君達も聞いた事があるだろ? 悪魔と言う存在。悪魔はアルファによって堕天させられた天使達なんだ!」
衝撃の事実!! 悪魔は元天使!?
ただアキラとラキリスでは少し反応が違う。
転生者であるアキラは、転生前の世界で似たような設定のゲームや物語を知っていた為まだ受け入れられたが、ラキリスの衝撃は計り知れない!
ラキリスの中では悪魔イコール絶対の悪なのである。
それが創造主に堕天させられた存在……受け入れるのに時間がかかりそうだ……
「まあ悪魔達の事は置いておこう、話しが長くなるからね。そんな事があった後の二度目の人口爆発、邪神システム発動! 当然アルファは戦いの中、人族や魔人が進化するのを期待するよね?」
頷くアキラとラキリス。
「だけど人族の英雄として現れたのは……別世界から来てしまった勇者アキラ……君だ!」
自身の前に現れた天使達とサタンとの会話、今でのサタンの話しでアキラは理解した。
「そっか……あの天使達が現れた訳、実験云々の話し、理解できた……そのアルファにしてみれば私は異物……そりゃ怒るだろうし、別世界の人族の身体……興味を持つかもね……」
「そう、だからアルファは僕を君の監視役にしたんだ。姿を精霊に変えてね! だけど僕はアキラの情報をアルファに渡さなかった……むしろアキラを護るって決めちゃったからね……僕も堕天させられちゃった! 悪魔では無く、この精霊の姿のまま戻れないっていう方法で」
ハッとするアキラとラキリス!
まさか……まさか……
「ねえ……サタンの正体って……まさか」
「そのまさかだね〜、元熾天使筆頭! その頃はルシファーと呼ばれてた」
熾天使筆頭!?
ルシファー!?
二人にとって、あまり現実味の無い創造主云々より、目の前に居るサタンが最上級である熾天使の筆頭だった事の方が衝撃が大きい!!
目が点になるアキラとラキリス……
「ではこれからはルシファー様とお呼びした方が……」
ラキリスにしてみれば、熾天使の圧倒的なパワーを目の当たりにしたのだ!
その筆頭となると……
魔法で飛行中ではあるが、思わず平伏しそうになる……
「アハハ、やめてよね〜、今まで通りサタンって呼んで! もう天使には戻れないんだし僕は大精霊サタンだよ! ビシっ」
おどけてポーズをとるサタン。
その様子に苦笑いのアキラとラキリス。
するとサタンが「あっ!」と指を差す。
「ジャングルの限目が見えて来たよ! ラキリス飛行魔法疲れたでしょ。後少し彼処まで頑張って! 後の説明は地上に降りてからにしよ」
ようやく見えて来たジャングルとは違う平原にホッと胸を撫で下ろすアキラとラキリス。
だがココからの話しがまた二人に衝撃をもたらすのであった。
次回は出来るだけ早く投稿致します……多分……