とうちゃん
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よく来たね!【精霊を連れた戦士ケンヤ】に【美雷王ミコト】、そして【光速の神剣トオル】に【氷結の神槍サラ】歓迎するよ!」
マモルの挨拶に悶絶してしまうケンヤ達……出会い頭の攻撃はケンヤ達勇者パーティのHPを一気にレッドゲージへ!
ただマモルは……
「お前達ずるいぞ! 僕もそんなカッコイイ二つ名欲しいなあ!」
そ、そっち!! いやいやマモル君……数年後、己の黒歴史にのたうち回る事になるぞ!!
そんなマモルにオノクリス達は頷きあっている……
「まあ、マモル様! 後程良い字名考えましょう!」
「うんうん! 勇者達に負けない様なカッコイイヤツにしようぜ!」
「ですな!!」
こ、コイツらマジか……天使って厨二病の様です……
「そ、それより折角魔族のマリアさんを連れて来たんだ! ゲートを繋げようぜ!」
ん? って感じのマモル達天使四体、視線がマリアさんに向けられる。
噂には聞いていたが、本当に目の前にいる天使達に、先程からマリアは目を剥いて固まっていたのだ……
その天使達から一斉に視線を向けられ思わず
「ヒッ!」
小さな悲鳴を上げてしまう……
「あ……今の傷ついた……ヒッ! はダメだよ……」
落ち込むウァプラ……
…………メンタル弱すぎない?
そこに突然「バンッ!」扉が勢い良く開く音がする。
そこにはマモルの倍、十二枚の純白の翼を持つ、見目麗しい見た事も無い天使の姿が!
「勇者達が来てるんだって! 僕にも教えてよ! あ! 君が勇者だね、よろしく!」
ケンヤにその天使が右手を差し出す。
思わず反射で右手を出し、その謎の天使と握手をしていると……
「とうちゃん、久しぶり! オイッス」
「おお! シル! オイッス!!」
と、と、と、とうちゃん!?
この如何にも最上級っぽいすんげー天使がシルのとうちゃん!? 確か前の勇者アキラと別の世界に行ったんじゃあ……帰って来たの?
しかも君達五百年ぶりの再会なんだよね……オイッスは軽すぎない?
天使や精霊にとって五百年てそんなものなのか?
「そして君が魔王か! アキラに負けず劣らずべっぴんさんだね〜! よろしくね!」
ミコトと握手を交わす……ミコトも唖然としている……が!
へっ? 勇者アキラって女性だったの!!
驚きの新事実!
「話は聞いているよ! 君達双子が勇者の弟子のトオル君とサラちゃんだね! シルのとうちゃんだよ! よろしく」
目をぱちくりさるトオルとサラ。
「おっと! 君が魔人なのに勇者パーティに入ったアバロン君かあ! いやーっ! 君凄いよ。魔人が人族に協力するなんて初めてじゃないかな! 君が魔人と人族の架け橋になってくれればと期待しているんだ!」
珍しくフューチャーされ戸惑うアバロン……
やめてあげて……キャラが死んでしまう……
突然また物凄いオーラの天使が現れ腰を抜かしているマリア……
そのマリアにシルのとうちゃんはそっと手を差し伸べ優しく立ち上がらせる。
「君は魔族だね! ああそうか! ゲートを繋げに来てくれたのか。驚かせてごめんね!」
お詫びのつもりであろうか? 膝をつきマリアのその手の甲にそっと口づけをする。
真っ赤になり慌てふためくマリア!
彼女とて領主一族の生まれ! こういう扱いには慣れているはずだが、明らかにマモル王より格が上であろう天使の行動にあたふたしてしまう。
それを見ていたケンヤは……
こ、このシルのとうちゃん……女慣れしている!! 今後の事を考えて弟子入りした方が良いかもしれん……などとくだらない事を考えていた。
「ああ! そう言えばちゃんと自己紹介していなかったね!」
シルのとうちゃんの自己紹介………………まさか!!
「じゃあ行くよ! 僕こそが、超カリスマ! スーパーウルトラ超絶イケメン! 悪魔サタン改め、シルのとうちゃん、熾天使のルシファーだよ! 皆よろしくね! ビシっ」
あ……やっぱシルのとうちゃんだ…………
ちゃんとポーズまでとってるよ…………
パチパチパチ
シルと天使達が拍手してるよ……
天使や精霊にはコレがカッコイイの…………か?
やっぱ弟子入りは止めとこ……
するとサラの指輪からフロストドラゴンがルシファーに声を掛ける。
「あ、あの……ルシファー様? あれ程私達に口止めされていたのに……こんなに簡単にシル様や勇者達の前に現れて良かったのですか?」
ああ、そう言えば神龍達なんか口ごもってたな! 神龍達は事前にルシファーと会っていたのね。
「ああ! あれ? 単にシルを驚かしたかっただけ! けど流石僕の娘だね! 軽い挨拶で華麗にスルー? アハハ」
…………
わ、忘れてた……この方はこう言う方だった……
項垂れる神龍達……
「ところでシルのとう……いや、ルシファーさん、貴方勇者アキラと別の世界に行ってたんじゃあ……」
ケンヤの質問にルシファーは微笑みを返す。
「うん! マモル王達には少し話したんだけど、色々準備が整ったからね! こっちに戻って来たんだ。まあその話しは後でゆっくりするとして、君達はゲートを繋げに来たんだろ? 先ずはゲートを繋げよう! マモル達と話し合って、ゲートの設置場所はもう決めてあるんだ!」
そうだ! ゲートだ!
この人の登場ですっかり忘れてしまってた……
ゲートの話しになると、何やらウズウズしていたマモルが口早に語り出す。
「流石に色んな人が来ると思うから城内は不味いと思ってね! 城のすぐ隣に教会があるんだ。その教会にゲートを設置してくれる? この城とも秘密の通路でつながってるから便利なんだよ! ホントは通路の事内緒なんだけど、ケンヤ達ならいいよ! それ使って何時でも遊びに来てよ!」
マモルは得意げに言うが……そんな秘密の通路の事、部外者に簡単に喋っていいのか?
ほら……オノクリス達苦笑いしてるぞ……
「あれ? 言っちゃあダメだった?」
空気を察し不安げにオノクリスに尋ねるマモル。
オノクリスはしゃがみ込み、マモルと目線を合わせると、その頬を両手で優しく包む。
「しょうがないですねえ……勇者達はマモル様のお友達なので良しとしましょう。けどもう他の人には教えちゃあダメですよ!」
「うん! 分かった!」
物凄く嬉しそうに返事をするマモル……
お、俺達は何を見せられているんだ……トオルとサラが引いておりまする……
すると何処からか溜息が聞こえてくる。
振り返ると……そこには今まで空気に徹していた帝国宰相オルマンの姿があった。
ケンヤはオルマンそっと近づき耳元で囁く。
「なあ……もしかして何時もこんな感じなのか?」
オルマンは何も言わず黙って首を縦に振る……
帝国……大丈夫か?
本気で帝国を心配するケンヤ達であった。
とうちゃん軽っw