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帝国での噂

 ブックマークありがとうございます!

 感謝━━━(≧∀≦人)━━━感謝


 短いお話となっております。



物凄いスピードで帝国に向かうケンヤ達。


 ケンヤは後ろにいるマリアがえらく静かなのに気付き振り向く。


 思いっきり泡を吹いて気絶しておりました……マリアさん乗り物? に弱すぎ……


 それでもしっかりケンヤの腰にしがみついてるのは生存本能であろうか……、ただその更に後方に居るサラがまるで般若の形相でマリアを睨み付けている!


 あっ! これは後で色々問題が……


 ケンヤはサラに手招きをする。


 ん? となるサラだが、ケンヤに呼ばれ高速飛行中のフロストドラゴンの背の上をピョンピョンっと飛び跳ねケンヤに近付いて来た!


 流石レベル52の身体能力! 


「ケンヤさん、どうしたんですか?」


 コテっと首を傾げるサラ。

 そのサラを手を取り、ミコトとケンヤの間にサラを座らせた。


 目を白黒させるサラ。ミコトはサラに微笑む。


「サラちゃん寂しかったんだね!」


 ミコトの発言に真っ赤になるサラ。


「そっ! そんな事…………あります……」


 ミコトはそんなサラにさも愛おしいそうに微笑み、くるりその場で反転、サラと向い合わせになり頭を撫でる。


 ケンヤはケンヤで……


「サラ、寂しい思いをさせてゴメンな……」


 などとのたまわっていた!


 ケンヤとしてはあの般若顔のサラにビビり、ご機嫌を取っていただけなのだが……目の前で繰り広げられる甘々な光景にトオルは頭を抱えている。


「ねえ、アバロンさん……まさか身内の……サラのあんな姿を見せられている兄の俺は……どう対応すれば……」


 とても見ていられない……


「トオル殿、空気になるでござるよ! シル殿を見習って! 既にフロストドラゴン殿の鼻の頭の上に避難中でござる」


 シルに鼻の頭の上に乗っかられ鼻をムズムズさせるフロストドラゴン……シルもフロストドラゴンも空気に徹している様だ。


「ぼ、俺にあんなスキル身に付くんだろうか……」


「トオル殿、それに関しては拙者と闇龍におまかせあれ! 得意分野でござる!」


「私とアバロンにかかればトオル君も立派なモブになれるよ!」


 …………り、立派なモブ。


 なんとも切ない会話が繰り広げられていた……




 そうこうしている内に帝国内に入った。

 あと少しでマモルの居る城に到着する。

 フロストドラゴンは少しづつスピードを緩めケンヤに尋ねて来た。


「ねえ、またお城から離れた場所に降りる?」


「いや! 今回はこのまま行こう! 天使達が居る国だしな! 神龍がそのまま城に降りてもそれ程問題にならないんじゃないか?」


「了解! じゃあお城の真ん前に降りるわね!」


 城に向い降下を始めるが……思っていた以上に人数が多い!


 城下町に繋がる城の掘りに架かった桟橋には大勢の商人や冒険者、旅人達で行列が出来ていた。

 その人達が降下中のフロストドラゴンを見つけ大騒ぎになってしまっている……


 そういや王様が帝国との大規模な交易を始めたって言ってたな……忘れてました……


 見つかってしまったものは仕方ない! 城下町を越え、城門前に降り立った。

 マリアもようやく正気に戻り、しきりにミコトに頭をさげている……


 驚く城門の兵士。


「マモルに……いや、マモル王にケンヤが来たと伝えてくれないか?」


 ケンヤの言葉が聞こえているのかいないのか、兵士達は皆口をパクパクさせている。


 なんかまたやらかしたみたい……けど、早く中に入れてくれないと、どんどん周りに人が……


 既に大勢の人に囲まれているケンヤ達……


 すると、城門が開きあの三体の天使の内の一体であるウァプラが溜息と共に現れた!


 集まって来た人々は初めて見る噂の天使の登場に驚きを隠せずにいる。


 中には涙を流しお祈りをする者も……


「はーっ! あんた達さあ……もう少し登場の仕方考えようよ……見ろよこれ……どうすんだ?」


 い、いや……俺達も悪いけど、半分はあんたに驚いていると思うぞ!


「とりあえず中に入って……本当に……全く……」


 ブチブチ宣うウァプラに続き城の中に向かうケンヤ達。


 それを見ていた周りの人々は……


「そ、空から急にドラゴンが降りて来たと思ったら、まさか人が乗っているなんて!」


「俺噂で聞いた事あるぞ! 勇者と魔王は神龍に乗って移動していると!」


「な、ならアレが噂の世界初SSランク冒険者にして勇者【精霊を連れた戦士ケンヤ】か!」


「じゃあ、あの黒のローブを身に纏っている超絶美少女が魔族の王であり【漆黒の美雷王びらいおうミコト】だな! 噂では魔法一つで魔物が蔓延る山脈を吹き飛ばしたとか聞いたぞ!」


「あの男の子と女の子が勇者の弟子にしてSランク冒険者【光速の神剣トオル】に【氷結の神槍サラ】か! 二人共あの年で既に人としての限界の強さを軽く凌駕しているとか……」


「ああ、それにこの前の号外読んだか? あの勇者ケンヤ、魔王ミコトと弟子のサラと婚約したらしいぞ! なんとも羨ましい……」


「神剣トオルの方も第三王女のマーガレット様と婚約したらしいな! 王女様となんて俺には夢のまた夢だな……」


「そんでアレが魔人アバロンか……魔人なんて初めてみたよ!」


「それに……本当にこの国って天使がいたのね! 私国に帰ったら自慢しなきゃ! 勇者様パーティと帝国の天使を間近で見たって!!」


「あの女性は誰かしら? 魔族の様だけど、魔王の側近か何かかしら?」


 そんな声がケンヤ達の耳に届く……


 て、帝国にまでそんな厨二病チックな二つ名が……俯き真っ赤になるケンヤ……


 ミコトもその二つ名を聞き鳥肌が立つ!【漆黒の美雷王】? だ、誰それ!?


【光速の剣神】……それ……俺の事? あまりの恥ずかしさに、さぶいぼ所か蕁麻疹じんましんが出そうになるトオル……


 や、やめて!【氷結の神槍】……恥ずかしくて死んでしまう……


 真っ赤になり逃げるように城に入って行くケンヤ達。


 だ、誰だ! 皆におかしな二つ名付けて遊んで居るやつは!!


 必ず見つけてデコピンしてやる!!



 遠く離れたピサロの地で、そっとおでこを庇うギルド長……その顔は不気味にほくそ笑んでいた……


 ただ二つ名が付けられていないアバロンだけは……


 少し目に涙を浮かべていたという……


 アバロンさん……(T_T)

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