閑話~号外~
ブックマークありがとうございます!
((o(。>ω<。)o))
後、誤字報告も感謝ですm(_ _)m
修正版なのに次々と誤字が……
さて、今回閑話になっております。本編を期待していた方、申し訳ないですm(*_ _)m
その日ピサロの街に激震が走る!
配られる号外を握りしめ、震えながら見つめる女性。その号外には……
【勇者様ご婚約! その御相手は魔王様と弟子のサラ嬢!!】
との見出しが!!
その場にへたりこんでしまう女性……ギルドへ出社途中のサチであった。
「こ、これは……落ち込んでる場合ではありません! すぐに招集しなくては!!」
号外をぐしゃりと握り締め、スタスタとギルドに向い歩き始める。
周りを見渡すサチ、絶望して両手両足を地に付けている女性の姿チラホラが見てとれた……
その日からしばらくピサロの女性陣は倒れ込む者が続出! 女性の労働力を失ったピサロは……男性陣が血の涙を流しピサロの街の経済を支える事となった……
ギルド内会議室、ホワイトボードに【ケンヤ様をこっそり見守る会 緊急会合】との文字が!
メンバー皆絶望し、机に顔を埋めている……
そんな中、メイとサチだけは気丈にも背筋を伸ばし、しっかりと前を向いていた!
しかしその目は……恐らく泣きはらした後なのであろう……二人共目は赤く、瞼も少し腫れている。
そのメイがメンバーに向け口を開く。
「皆さん、既に今朝配られた号外、見られたと思います。恐れていた事が現実となってしまいました……」
メンバーの一人がポツリと呟く。
「魔王様とは【どつきあい】の関係だったのでは?」
それを聞き、別のメンバーがバンッと机を叩き立ち上がる!
「そうです! 【どつきあい】です! なので我々は安心していたんです! なのに……なのに……誰ですか! 【どつきあい】などと言い出したのは!!」
…………顔を上げられないマリン……
それについてはメイがそのメンバーを諭す。
「確かにですが、その件は我々も納得したはず。その方のせいではごさいません! それに今回の件は王城内で決まったお話しの様なのです。流石に王城内では我々も手の出しようがございませんでした……」
王城で一体なにが!
俯いていたメンバーが顔を上げ始める。
それについては、メイに代わりサチが話し始めた。
「ソフィア様からの情報ですが……今回の件、第三王女であるマーガレット様が裏で動いていた様なのです! ですよねソフィア様」
サチに声を掛けられたソフィアはゆっくり顔を上げる。
その姿は……
以前の煌びやかさは何処へやら……頬は痩け、目には深いクマが刻まれていた。
「ええ、わたくしのお友達から緊急のお手紙を頂きまして……間違いなくマーガレット様の陰謀だと……」
第三王女の陰謀……、メンバー皆押し黙ってしまう。
ソフィアは更に続ける。
「そのお友達曰く、魔王様とケンヤさんとの婚約はついでの様な物だと言うのです!」
これにはメンバー一同驚愕してしまう!
ケンヤ様と魔王様との婚約がついで!?
「マーガレット様の真の目的はサラちゃんをケンヤさんの第二夫人にする事、そして自分はトオル君と婚約する事により……ケンヤさんと王族が親族となるのです!」
皆目を見開きソフィアの話しに聞き入っいる。
「ついでとは申しましたが、先程までのお話しを踏まえますと、ケンヤさんと魔王様との婚約で王族は魔王様とも親族になるのです。流石この国の裏の頭脳と呼ばれているお方です……やる事がえげつないですわ!」
ソフィアの話しを聞き、王族が関わるその陰謀……自分達ではもうどうにも出来ないと俯いてしまった……
バンッ!!!
マリンは突然机を叩き割る勢いで立ち上がる!
皆驚いてマリンに注目すると……
「皆! それで良いのか!! ケンヤもサラもトオルも王族の陰謀に巻き込まれているんだぞ!! 私達はケンヤをそっと見守り、助けるんじゃなかったのか! サラやトオルにしてもこの会に協力してくれる仲間じゃないか!!」
ハッとするメンバー、確かにそうだ! ケンヤ様をお助けせねば!!
トオル君やサラちゃんも我々の大事な仲間じゃないか!
メンバーの目に光が戻る!
「だけど一体どうやれば……」
皆が悩む中、メイがひとつの光明を見い出した!
「皆さん! 我々のメンバーの中から第三夫人、又は第四夫人を送り込むと言うのはどうでしょうか!」
け、ケンヤ様の第三、第四夫人!!!
大胆な発想に皆目を見開く!
「第一夫人や第二夫人程の影響力は有りませんが、ケンヤ様達の近くで王族からお守りするぐらいの力はあると思うのです! それにこの見守る会を立ち上げ、組織もかなり大きくなりました! その【ケンヤ様をこっそり見守る会】の中から夫人を輩出出来なければ見守る会の名折れです!!」
成程!! 皆納得するが……
「素晴らしい考えだと思うが……誰がその役目を?」
マリンの呟きに皆悩み始める……
自分が! と手を上げたいが、ケンヤの第三、第四夫人となり王族から守る重要な役割……皆腰が引けてしまう……
「そうですね……このメンバーで一番可能性が高いのは……やはり伯爵令嬢であられるソフィア様ではないでしょうか」
メイはソフィアを押すが……
「……いえ……有難い申し出ですが、貴族のわたくしが動こうとした場合、間違いなく王族からの妨害が入ると思われます。あのマーガレット様を甘く見ない方がよろしいかと……ケンヤさんの第三夫人……魅力的すぎますが……わたくしでは実現するのは難しいですね……平民の皆様方の方がマーガレット様の目を誤魔化せるかと……」
ソフィアがダメとなると……
するとマリンが手を挙げ
「私はメイとサチを押す!!」
えっ!
驚き目をぱちくりさせるメイとサチ!
「この会の最初期メンバーだし、二人の事をケンヤは信頼していると私は思う! 私はサチとメイならケンヤを任せられる!」
マリンの発言に皆納得した様子だ。
「そうよ! サチさんとメイさんなら安心だわ!」
「確かにこの見守る会をずっと支えて来たお二人なら!」
「うん! 私もお二人なら納得出来ます!」
メンバーが口々にメイとサチを押し始める。
キョドるメイとサチ。
ソフィアは立ち上がると二人の前に立つ。
「伯爵家はお二人を押します! ご婚約が決定するまでは表だって動けませんから、水面下での行動となりますが、補佐はさせていただきます。そしてご婚約成立のあかつきには、我が伯爵家はお二人の後ろ盾になりたいと思います! どうかご安心なさって下さいませ。あなた方には我が伯爵家とこの【ケンヤ様を見守る会】がついておりますので!」
そう言って微笑むソフィア。
涙ぐむメイとサチ。
パチパチ
パチパチパチ
パチパチパチパチバチパチ!
会議室が拍手の音で満たされる。
ここにメイとサチを第三、第四夫人に送り込む計画が発動した。
数年後……ウエディングドレス姿のメイとサチに挟まれ苦笑いのケンヤが……
それはまた別のお話し……
またまたケンヤの意思は……