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王国からの逃亡?

 ブックマークありがとうございますm(_ _)m

 (❁´ω`❁)アリガトウゴザイマス


 少し長めのお話です。


 ご意見、ご感想お待ちしておりますm(_ _)m

「勇者様、お待ち下さい!」 


 まてと言われど、あんな会場にはもう戻りたくない!


 声を無視しどんどん進むケンヤ達……


「私です! マリアです!」


 マリアさん?


 立ち止まり振り返る。そこには息を切らすマリアの姿があった。


「勇者様方は魔王様の元へ向かわれるのですよね! ぜ、是非私も! 魔王様の元へお連れ下さいませ!」


 アレだけミコトの事を心配していたのだ、そりゃあ会いたいだろう……


「分かりました。ではご一緒しましょう。ミコト達は多分この先の部屋に居るはずです」


 そうしてマリアを連れ、ミコト達の居る部屋に向かう。

 部屋の前には二人の兵士が立ち、ケンヤ達が部屋に近づくと驚きの表情を見せる。


「こ、これは勇者様にトオル様、アバロン様、それに其方は……魔族領からのお客人でしたな! 一体どうされました?」


「どうもこうも、婚約者達に会いに来ちゃダメなのか?」


 意地悪な事を言うケンヤである……


「そ、そうですが……しかし……す、少しお待ち下さい」 


 急ぎ兵士は部屋の扉をノックし、出てきたメイド服の女性に事の次第を伝える。

 メイド服の女性は此方に視線を向け目を見開く。


「し、少々お待ち下さい! 勇者様方がお越しになったと伝えてまいります!」


 バタンと勢いよく扉が閉まり、部屋の中へ消えて行った。


 はーっ! ちょっと会いに来るにもこんなやり取りをしなくてはいけないとは……


 もう絶対王都になんて来ない!!


 心に誓うケンヤであった。




 しばらく兵士と対面、気まずい空気が流れる。

 トオルと話でもしようと口を開きかけると……


 ガチャっ


 扉の開く音がし、先程のメイド服の女性が顔を出す。


「どうぞお入り下さい」


 その女性に促され中へ通されると……ミコト、サラ、マーガレットは……テーブルを囲み、皆でお菓子とお茶を楽しんでいた様だ……


「あら? 皆様、どうなさいましたの? 晩餐会を抜け出したりしてはダメではないですか」


 マーガレットが此方を見つけそんな事を宣う!


「い、いや……君達は何してんの?」


 当然の疑問である。


「何って言われましても……女子会ですわね! あんな会場、息が詰まってしまいますからね! こちらでのんびりお茶をしておりましたの!」


 お、俺達をあんな目に合わせておいて、自分達はのんびりお茶だと!!


 コメカミをヒクヒクさせるケンヤとトオル。


 何か言い返してやろうと考えていると、


「魔王様!!」


 その声を聞きミコトは驚き立ち上がる。


「えっ! マリアさん!?」


「魔王様ーーーー!!!」 


 マリアは駆け出し魔王に飛び付く。


 目をパチクリさせるミコト。


「マリアさん、一体こんな所で……どうしたんですか?」


「私、魔王様と離れてからずっとずっと魔王様の事が心配で、夜も眠れずに居たんです……ところがある日、兄であるオズマから手紙が届きまして……人族領のピサロと言う街で魔王様とお会いになられたと! それはそれは自慢気な手紙でして……私悔しくて悔しくて、急ぎピサロに向いましたの! けれど既に魔王様は旅立たれた後で……もしかしたらこの王都に立ち寄るかもしれないと……」


 網を張っていたのか! なんと言う執念……


「マリアさん……わざわざそんな事しなくても……私達はこの後、魔族領に向かう予定だったんですよ?」


 えっ!? となるマリア。


 顎に手を当て何やら思案げだ……


「あの……魔王様、今魔族領に行くのは……ちょっとお控えになった方が……」 


 何故? ミコトはコテっと首を傾げる。


「…………この国にも何人か魔族の者が訪れているのは、魔王様も勇者様もご存知でございましょう?」


 ああ、確かに何人かいたな! それが何か?


「魔王様と勇者様とのご婚約、すぐさま魔族領に知れ渡るでしょう……恐らく魔族達に激震が走ります!」


 激震って……そりゃあ王の婚約だったらそれなりのニュースにはなるだろけど……


 俺とミコトがそんな大袈裟な……と言う表情にマリアは溜息を吐く。


「お兄様のせいです!」


「え? オズマさん? どう言う事?」


「魔王様……覚えておいででしょうか? 兄のオズマが魔王様の親衛隊ファンクラブを作っていた事を……」


「え、ええ……けどあれは禁止にしたハズじゃあ……」


「私もお兄様の事を甘く見ておりました……実はこっそり動いていたのです! 今や魔族領全土に広がっており、その会員数はもう私では把握しきれない程に……」


 み、ミコトのファンクラブか! 魔族領全土ってスゲーな……あっ! ミコトが眉間のシワを揉み揉みしていまする……


「そんな状況での婚約発表……どうなるかお分かりでしょう……」


 国民的アイドルの電撃婚約発表……ファンなら卒倒そっとうするかも知れん……


「勇者様が魔族領にお越しになった場合……いつ後ろから魔法攻撃が飛んでくるか……」


 ま、マジかよ……魔族の皆さんて過激なのね……


「なあ〜んだ! そんな攻撃、ケンヤならなんの問題もない! ビシっ」


 こらこらシルさん! そういう問題じゃないでしょ!


「でも困ったな……帝国とゲートを繋げるつもりだったのに……ゲートの魔法は魔族領の領主でないと使えないんだろ? あのオズマまだピサロにいるかな……アイツを脅して……」


 物騒な事を考えてるケンヤ……


「あの……ゲートの魔法なら私使えますよ?」 


 えっ! マリアさんマジで!?


「私の兄のオズマは……あの様な方なので……領主としてちょっと……ですので私が何時でもサポート出来る様に幼い頃から領主教育を受けて来たんです。ゲートの魔法も習得しております」


 マリアさん……苦労してんだね……けど助かった! なら直ぐにでも!


「よし、じゃあ早速帝国に向かうぞ! こんな所もうヤダ!!」


 駄々っ子のようなケンヤに苦笑するミコトとサラ。


「勇者様、ちょっとお待ち下さいませ!」 


 マーガレット……お前まだ何か仕掛けて来る気か!


 身構えるケンヤにマーガレットは笑顔を向ける。


「勇者様、お二人をこのドレス姿のまま出発させるおつもりですか? お着替えをするお時間を下さいませ! 後、ぞろぞろと皆さんで場外に出るのは目立ち過ぎます。裏口をご案内致しますので、お着替えが済むまで此方でお待ち下さい」


 そう言うとマーガレットは二人を連れ奥の部屋に消えて行った。

 恐らく俺が出て行くと言い出すのを想定していたのだろう……手際が良すぎる。

 そのマーガレットがミコトとサラに何を吹き込んでいたのか恐怖するケンヤであった……




 マーガレットに案内され、城の中庭に出るケンヤ達。


「さあ、ここなら神龍が現れても大丈夫でしょ!」


 そうは言うが神龍達はまだ戻って来て居ない。


 アイツら何やってんだ!


 するとトオルが


「ケンヤさん、今から呼び戻します! 僕達神龍と繋がってるから呼べば戻りますよ」


 ミコトとサラも頷いている。


「へ〜! じゃあシルも俺が呼べば遠くに居ても分かるのか?」


 シルは人差し指を顎に当て、


「さあ? 試した事ないからわっかんない!」


 いや……トオルとサラも試した事ないと思うのだが……


「まあ、あたしがケンヤとそんな離れる事ないと思うから気にしなくていいんじゃない?」


 そ、そうですか……


 シルとそんな会話をしていると、上空から神龍達が舞い降りて来た!


 コラコラお前達! そんな目立つ登場の仕方しやがって!!


 舞い降りた神龍達は何やら神妙な顔でシルを見つめている。


「ん? どうしたの? なんかあった?」


「い、いえ……なんでもないの……なんでも……」 


 フロストドラゴンよ……それ絶対なんかあるだろ!


 雷龍もあたふたしながら……


「ちょっと色々あって……けど何も問題ないから……出発するんでしょ! さあ行きましょ!」


 バシっとスパークするとミコトの中に逃げる様に入って行った……


「フッ!」 


 一言残しトオルの中に入る光龍。


 君はブレないね〜


「今はまだ……ただいずれ分かる……その時がくれば」


 闇龍はシルとケンヤにそう言い残し、アバロンの中に入って行く。


 今はまだ……か、シルと顔を見合わせる。


「絶対なんかあるのは分かるけど……まあイイわ聞かないであげる。ケンヤも追求はしないであげてね」


「…………とりあえず、トオルやサラ、ミコトに危害が及ぶような事で無ければな。まあ、お前達がそんな事するとは思えんが……」


 そんなやり取りをしている内に城内が騒がしくなって来た! 神龍達に気が付いた城の者達が中庭に集まりだす。


「ま、不味い! 皆早くフロストドラゴンに乗れ!!」


「では皆様……無事の旅路をお祈りしております。次、お会い出来るのは色々と片付き、終わった後なのでしょうね。恐らくもう勇者様方はこの王都にはお越しにならないと思いますので、わたくしの方からピサロに赴き、皆様をお待ちしたいと考えております」


 フロストドラゴンに飛び乗ろうとしていたケンヤとトオルは、マーガレットの別れの挨拶に思わず振り返ってしまう!


「あ、あの……マーガレット様? 今、ピサロで待つと聞こえたのですが……」


 トオルが恐る恐る尋ねる。


「あら、トオル様は全てが終わった後、向かうのはこの王都ではなくピサロなのでしょう? 妻が夫の帰りを待つのは自然な事ではなくて? トオル様がピサロに帰るのであればピサロで待つのは当然です」


 冷や汗を流すトオルとケンヤ……


 トオルよ、お姫様の事は全てお前に任せたからな! 婚約者なんだからな! 本当に任せたからな!!


 ケンヤの心の声が聞こえたのかトオルは……


「ケンヤさん……マーガレット様は将来ケンヤさんとも身内になるお方です! 逃げられませんよ!」


 くっ! トオルよ! 逞しく育ちやがって!


 もう、盲目的に俺の言う事を聞くトオルではなくなったか!


 するとサラが焦りながら叫ぶ。


「ケンヤさん、お兄ちゃん! 早くしないと、皆集まって来ます!」


 あっ! 不味い!


 急ぎフロストドラゴンに飛び乗る!


「帝国に向かうぞ!」


 フロストドラゴンがその背の翼を広げ羽ばたくと、一瞬でこの城を見下ろす程の高さまで上昇する!


 ケンヤの後ろに座るマリアの「キャッ!」っという可愛い悲鳴が聞こえた。


「マリアさん、物凄く早いからしっかり掴まって下さいね!」


 不安げなマリアはフロストドラゴンにではなく、ケンヤの腰にしがみ付く!


 こ、これは……前にはミコトの温もり、後ろからはマリアさんの……あ、なにやら当たってまする!


 その様子を後ろからサラが……


(さ、早速第三夫人候補!?)


 マリアを睨み付けるが恐怖からかマリアは気づかない……


「じゃあ急いで行くわよ!」


 フロストドラゴンはそう言うと、物凄い速さで王都から離れて行った。


 マリアの叫び声が大空に響く!


 ケンヤ達が飛び立った後も、暫し空を見つめるマーガレット。


「皆様、本当にご無事で……」


 先程までの強気な態度はどこへやら、寂しそうな女の子の姿がそこにはあった。




 その頃、帝国では、


「ま、まさか……」


「う、嘘だろ……」


「生きておいででしたか!」


「オノクリスにウァプラにコカビエル、久しぶりだね! あの呪いが解けたのか! ビックリしたよ、どうやったんだい」


「はい! マモル様のお陰で! しかし貴方様もそのお姿……」


「ああ、流石に五百年もあれば色々とね、研究したのさ! それにこの世界の問題の解決策も見つけた! さっき神龍達にも会ってきてね、その事を話してきたよ」


 この世界の問題の解決策!? そ、そんな物が本当に……


「うん! 先ず一つ目の人口の問題だね! それはね………………」 


 その者の話しに驚くオノクリス達。


「そんな事が可能なのですか!?」


「ああ! 大量の魔力が必要だが問題は無い! それともう一つの問題だけど……彼の肉体に関してだ!」


 まさか……最大の問題まで解決策があるのか!


「これに関しては直接彼と話ししたかっんだけど、今の側近にしかあの場所に転移出来ない見たいだね……弾かれてしまった……」


「あ、貴方が弾かれたのですか!? ならもう彼処へ行くことは不可能ですね……、我々は彼処に転移してアルファを倒すつもりでしたが……」


「君達はアルファを倒すつもりだったのか……僕が間に合って良かったよ。僕はね、アルファにも幸せになって欲しいんだ。君達からすれば憎い相手なんだろうけど……」


 アルファを救う? あの我々を堕天させたアルファを?


 しかし、オノクリス達は思い出した、そうだ、この方はこういう方だった!


 何処までもお優しく慈悲深い……


「それに彼の所にまで行く手段はあるよ、君達も知っているでしょ?」


 そう、あるにはある。我々天使が強力な肉体と融合すれば! 例えばあの勇者とかマモル様とかと……


「以前なら僕単独で転移しなくても行けたんだけどね……あれからかなり防御を強化したみたいだな! 太陽のあのコロナの温度、数万度に達していたよ! 危うく燃えカスになる所だった……」


「あ、彼処に向かわれたのですか!?」 


「ああ、流石に無謀だったよね。それでさあ、アルファがよっぽどの事をしない限り、長期戦で行こうかと思ってさ! あの場所まで行ける今の側近にお願いしてさ、僕の話しを伝えて貰おうかと。僕の話しを聞いてさえくれば納得すると思うんだよね!」


 今の側近……あの四大熾天使! 彼等を説得するのは至難の業……確かに長期戦になる。


 ただ……


「君達の思いは分かるよ、その説得をする前に彼が暴走してしまったらって事だよね!」


 頷くオノクリス達。


「万が一に際しての策も実はあるんだ。出来れば使いたくないけどね」


 その策をオノクリス達に伝える。


「だ、ダメです!! そんな事……」


「うん! そんなのイヤですよ! 折角またお会い出来たのに……」


「貴方がそうするので有れば私が代わりに……」


「これはね、恐らく僕でないと無理だ! そして神龍達に話は聞いたけど、今世の勇者、あの者の強力な肉体が必要になる。一応、以前最高位天使であった僕と勇者の肉体でないとあの防御は突破出来ない! それ程強化されてたんだ」 


 …………押し黙るオノクリス達。


「まあ、最悪の最悪って場合だから! 以前のままの彼ならそんな暴走は無いと信じてる。あっ! それよりさあ、君達が仕えている新しい邪神? 紹介してよ! 暫くここに身を隠そうかと思ってるからさあ、挨拶ぐらいしなきゃね!」


 分かりましたとその者を連れマモルの元へ向かう。


 そのオノクリス達の心中は……


 このお方は以前のままのアルファであればと仰った……今のアルファは……恐らくこのお方がご存知であった頃のアルファとは違う!



 サタン……いえ、ルシファー様……どうかどうか最後の手段だけは……



 祈らずにはいられぬ三体の天使達であった。


 次回ですが、修正を進めるか、新しいお話を挟むかで悩んでおりまする。

 新しくお話を挟む場合、少し投稿遅れるかもですm(_ _)m

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