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オルマンの憂鬱

 ブックマークありがとうございますm(_ _)m


 とりあえず何時も通りの修正でこざいます。


 ご意見、ご感想お待ちしておりますm(_ _)m


「ふぅ〜っ!」 


 皆が去った部屋でベットに横になり溜息をつくケンヤ。

 先程までの出来事を振り替える。


 ミコトとサラとの婚約……


 ミコトはともかくサラには驚いた。

 なんとなくだかサラの思いには気づいていた……気づかないフリをしていただけで……


 まだ十二歳のサラだ、一種の"ハシカ"みたいな物だと思っていたのだ……


 まさかあそこまでだったとは……少し自己嫌悪。


「ケンヤさあ、あのマーガレットのペースにワザと乗っかってたでしょう……ケンヤならケンヤのペースで話進められたんじゃない?」 


 シルがお腹に乗っかり聞いてくる。


「確かになあ〜、けど勇者の立場とかまだよく分かってないから……正直何人も娶らなきゃなんないとか意味わからんし! 王女様の方がその辺の常識は当然詳しいだろ? だから乗っかったの! ってかシルはあっちに味方してたじゃねえか!」


「あたしはマーガレットの味方じゃなくてサラの味方してただけよ! あたしの可愛い妹弟子だからね! ビシッ」


 い、いや……何度も言うがお前いつから俺の弟子になった!


「まあ、サラの事は驚いた……ただ今後の事を考えたらあの二人で良かったのもな……よく分からん貴族のお嬢様の相手なんてかなわん!! それに関してはあのお姫様には感謝だな……」 


 踏ん切りがついた訳だし……


「ミコトとサラと婚約、トオルとは義兄弟、パーティ皆身内になっちゃったね〜、ケラケラ」


 アバロンは……まあサラが召喚主で主人だし……ペット枠か?


「もうどうせならケンヤの知り合いの女の子誘ってさあ、ハーレム作るなんてどう? 貴族なんて近寄れなくなるわよ?」


 は、ハーレム!!


「お前……バカだろ……それに知り合いの女の子って……そんなに居ないだろ?」


「いっぱいいるじゃん! えっと、オリブでしょ、ソフィアでしょ、メイにサチ、後……ミモザにちょっと毛色が違うけどマリンとか!」


「アホ! オリブちゃんなんて俺、オリバさんに殺されてしまうよ! ソフィアは……なんかいやだ! 何故だろ? けどなんかヤダ! ミモザさん……魅力的で捨てがたいが……トオルに後ろから刺されるかもしれん……、マリンさん……押しつぶされてしまう! メイさんとサチさん……有り……かも?」 


「メイとサチはアリなのね! ミコトとサラに報告しておく!」


 すかさずシルに土下座するケンヤ……


 ケラケラとシルの笑い声が朝日の差し込んで来た部屋中に響いていた。





 トルムント帝国宰相オルマン


 そのオルマンの元に一体の天使が立つ。

 マモルでもオノクリス達でも無い三对六枚の翼を持つ最上級天使、創造主より遣わされた熾天使セラフラファエルである。


「貴様何者だ! この邪神オルマンの城に土足で踏み入れおって!!」 


 ラファエルを睨み付けるオルマン。


「フンっ! お前……邪神である務めを忘れておるのか? この熾天使ラファエルの姿も記憶に残っておらぬとは……厄介だな……」


 オルマンは訝しげにラファエルを観察すると、ハッとし態度を改める。


「これは……熾天使ラファエル様……我はまだ復活したばかり……記憶が曖昧でして……お許しください」


「思いだしたか……人族と魔族をまだ間引いてはおらぬ様だが何故動かん!」 


 オルマンは平伏し、


「その事についてでございますが、我が産まれ先ず頭に浮かんだのが勇者と魔王憎し! と言う感情でごさいました! 我は前回、勇者と魔王に倒されました。人族を間引いたとしてもまた今世の勇者と魔王に邪魔されてしまいます。現に勇者と魔王は現れております。先ずはその厄介な勇者と魔王をなぶり殺しにしなければ我の気持ちは収まりません!!」


 腕を組みオルマンを見つめるラファエル。


「成程、気持ちは分かる! だか魔王はともかく、勇者を殺すのはダメだ! 痛めつけるのは構わんが、生きたまま創造主様にお渡しするのだ! ちゃんと五体満足でな!」


「…………承知致しました。今現在、部下に勇者と魔王の強さを測らせている所でございます。前回の様な失敗の無い様、万全を期したいので、ラファエル様、今しばらくお待ち頂きたく……」


「分かった。邪神が産まれたのにまだ間引きが開始されないのが気になって見に来ただけだ。そう言う理由があるのであれば問題ない。それと……最近大規模な結界が何度か張られているが、その方何か知っておるか?」 


「はい! 我々が勇者と魔王を調べているのを、あの堕天使共や精霊が邪魔をしている様です。だがご安心下さい、全て隠し通せる筈もなく、幾つかの情報は上がって来ております」 


「ちっ! あの堕天使共! 分かった、もし堕天使共が出てきた場合、私を呼べ! この魔道具を置いて行く」


 ラファエルはオカリナの様な魔道具をオルマンに渡した。


「この魔道具の音は私にしか聞こえない。堕天使共は私がこの手で倒す!!」


「さ、最後にラファエル様! お願いがございます! どうか勇者と魔王には手を出さないで頂きたく……この我の手で……お願い致します!」


「ふんっ、分かった!」


 そう言い残し、ラファエルは転移して行った。


 完全にラファエルの気配が消えた事を確認すると……オルマンはその場で腰を抜かしてしまった……


 その腰を抜かしたオルマンの元にマモルを初め、オノクリス、ウァプラ、コカビエルが現れる。


「オルマンよくやったわ! これでかなりの時間を稼げるわね!」


「オノクリス様……私は寿命が縮む思いでした……なんとか言われた通りに演じましたが、次も上手く出来る自信はございません……」


 半べそのオルマンである。


「大丈夫! 次はもうないから! 次、あのラファエルが来る時は……此方も準備万端で奴を捕らえる時!」


「と、捕らえるのですか?」 


 オルマンはあのラファエルを捕らえるなんて出来るのか疑問に思う……目の前に居たあの威圧感、マモル王と変わらない様に感じたのだ。


「ええ! 熾天使は色々と厄介なのよ、殺すのは私達では無理……ってか一応元々は仲間だったし、消滅させるのは気が引けるのよ……、あの勇者ならもしかしたら熾天使でも消滅させちゃうかもだけど……」


 最上位天使たる熾天使を消滅させるかもしれない勇者とは……


 オルマンは勇者に畏怖を覚える。


「ああ! 確かにケンヤが持ってる幻魔刀なら天使でもダメージ与えられると思うよ! あれヤバいよね〜、しかもケンヤはレベルの関係でまだ装備出来ない武器持ってるって前に自慢してたんだよ! それが装備出来る程、この世界でレベル上がるとは思えないけど、もし装備出来たら……くう! またケンヤと戦いたいなあ! この前は負けちゃったけど、あれからまたスッゲー奴いっぱい捕まえたからな! 前のヤツより強化して今度は勝ってやる!!」


 オルマンはマモルの話しに一気にパニックに陥る!


 えっ? 幻魔刀? 天使にダメージを与えられる武器……


 えっ? それより更に凄い武器を持っている? 


 えっ? ま、マモル様が勇者と勝負して負けたあ!?


 どこからツッコんで良いのか分からない……


「確かにマモル様が捕まえて来た神獣、ありゃあヤバイわ! あれなら勇者もかなり苦戦するんじゃねえか?」


 ウァプラの言葉に頷くコカビエル。


 マモルは得意気に語り出す。


「だろ! 捕まえるの苦労したもん! ケンヤに倒された神獣、こっちの世界なら同じダンジョンにいるんじゃないかなって行ってみたら、見た事無い奴いてさあ! ビックリだよ!」


 そんな興奮冷めやらぬマモルに向い、オノクリスは優しく微笑み諭す様に口を開く。


「マモル様、勇者と戦いたいお気持ちは良く分かりますが、それはこの一件が片付いてからにしましょうね。あの勇者なら何時でも戦ってくれると思いますよ。もう少し我慢して下さいね」


「うん! 分かってる。ちょっと興奮しちゃった!」 


 そんな天使達を呆然と見つめるオルマン。色々聞きたい事があるが、これだけは聞いておかなければならない。


 勇気を振り絞り天使達に声を掛ける。


「あ、あの……、お聞きしたい事がごさいまして……」


 マモル達天使が一斉にオルマンの方を向く。


 ビクっ! となるが……聞かなくては……


「あの天使……物凄い威圧を感じました! それはもうマモル王と変わらぬぐらいに……、あの天使が直接我々に手を下したりすると……とんでもない事に……」


 そうなのだ! 我が帝国にもマモル王が率いる天使の軍団が居る。

 しかしあの熾天使一人でそれを圧倒する程のパワーを感じた。

 それが勇者や魔王だけでなく、我々に牙を向いた場合……我々だけで無く、全人族の脅威になるのでは?


 まともに戦えるのはマモル王だけでは……熾天使はあのラファエルを含め四体居るとオノクリスから聞いた……


 不安を拭えないオルマンだ……だがオノクリスはなんだそんな事ね! と一笑する。


「安心なさい。私達を含め上級と言われる天使は人族や魔人達に対して直接は手を出せないの。だって私達は元々この世界の生命を進化させ育てるのが役割で、そういう風に創造主から生み出された存在。神龍達もそうね、創造主が邪神システムを作ったのはそう言う事!」


 な、成程と安堵するオルマン。


「ただ、中級以下の天使はそう言う風に作られていない。ただただ創造主の駒だから……可哀想だけど創造主に命じられたら……けどその中級以下の天使達はそれほど戦闘力はないのよ。だから私達の天使の軍団で抑えられる!」 


 けど……とオノクリスの話しは続く。


「勇者や魔王、そしてマモル様、この三人はそのことわりから外れているわ! 彼ら熾天使も手が出せる。だから私達元堕天使はマモル様を守る! 勇者や魔王にはシル様……貴方に言っても分からないわね……まあ勇者や魔王にも守護する存在が付いているの。神龍達も勇者パーティと共に」


 オルマンは何とか頭の中を整理。


「とりあえず理解しましたが壮大なお話し過ぎて……因みにですが、次我々が動くのは何時?」 


 時間は稼いだ、後はどう動くかだ!


「そうねえ〜、もう少ししたら勇者達がこの帝国にやってくるわ! ゲートを繋ぐって言ってたから。細かい事は勇者達が来てからね!」



 噂の勇者が帝国に来る!



 不安、期待、恐怖、色々な感情が入り乱れるオルマンであった……


 オルマンさん可哀想ww

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