それぞれの思い~ケンヤとトオル……からの~
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年末が近付くにつれ、仕事の方が忙しくなり、投稿遅れてしまって申し訳ございませんm(_ _)m
修正も上手く出来たかどうか不安ですが、一旦これで投稿します。
マーガレットとミコトがサラの部屋で女子会を始める同時刻、ケンヤは与えられた部屋のベットに横になりながら、シルと今後の事について話していた。
「なあシル、迎え撃つにしても創造主……アルファだっけ? 何処から攻めてくるのか分かるか? 後、戦力の規模だな!」
ケンヤの問にシルは「う〜ん」と頭を捻る。
「オノクリスが言っていた様に、マモル達の所に斥候を送り込むと思うのよ。上手く誤魔化せたらかなりの時間はかせげるでしょうけど……それも時間の問題ね! って事で帝国かな! 戦力は……どれ程の軍勢で来るのか想像もつかないわ! けどね、天使の数を気にするより、厄介なのが四大熾天使セラフと呼ばれる存在ね! その力はあたしのとうちゃんと同クラスだから」
シルのとうちゃん……堕天させられたサタンだったな。
前の世界にもサタンって悪魔の概念はあった。
たしか元十二枚の翼を持つ最上位天使だったか?
そんなのと同クラスが四体……
気が重くなる……
俺達で勝てるのか?
何にしても少しでもレベルを上げないといけない!
どうやれば効率良くレベルを上げれるか考えているとノックの音がする。
こんな時間に誰だ?
ベットから降り扉を開く。
そこには……枕を抱きかかえ半べそのトオルの姿が、その後ろには心配そうな表情のアバロンもいる。
「二人共どうした!?」
「ケンヤさん……俺どうしたらいいか……」
「トオル殿が拙者の部屋を訪ねて来て……相談を受けたのでござるが、拙者人族の事はよく分からないでござるからケンヤ殿の所に来た次第で……」
例のお姫様の件か……
一先ずトオルとアバロンを部屋に招き入れる。
部屋に入るなりトオルが吠え出した!
「おかしいでしょ!? 突然婚約ですよ? しかもサラと義姉妹になりたい為に!? どういう事ですか? あの第三王女様でしたっけ? 頭大丈夫ですか? この国の王族の婚約ってそんな簡単に決まるんですか? 相手の気持ちも無視で!? それに最後のあの王妃様の横顔……目蓋に染み付いて……寝ようとしてもあの恐ろしい微笑みが…………ああ!!!」
と、トオル君! 落ち着いて!
あっ……目がイッちゃってる……
「ケンヤ殿……どうにかならないでござるか? こんなトオル殿を見たくないでござる……」
ふむ……、シルと目を合わせるケンヤ。
「あのさあ、トオルはあの子の事どう思ってるわけ? 一応さあ王女様よ! 王女様! 性格はどうであれ美人だしさあ、悪くないんじゃない?」
おっ! シルがマトモな事言っているぞ!
確かに玉の輿? には違いない。
ただトオルは……
「シル姉さん! 考えてみて下さい! 絶対、絶対俺将来尻に敷かれますよ! 俺が何を言ってもあの口調で全て言いくるめられるんです! それに……それに……」
それに……なんだ?
「俺は……おっきいのか好きなんです!!!」
…………トオルの魂の叫びだ!!
そう言えば初恋はプリンプリンの回復師ミモザさんだったな……
「トオルよ……性格はともかく、そっちはまだまだ分からんぞ? まだ十歳だし、今後の成長次第では……」
母親のマリアンヌを思い出してみる。
ふむ、中々の物をお持ちだった様な……
流石に今の発言は不味いと思ったトオル。
「そ、その事は置いておいて……俺まだ十二歳ですよ? そりゃ貴族とかはそれぐらいでの婚約は当たり前だと聞いた事はあるけど、俺ただのパンピーなんです! たまたまケンヤさんと一緒にいるから勇者パーティの一員で居られてますけど、ごくごく普通の十二歳の男の子なんです! なんでこんな事に……」
そのトオルの言葉にシルのツッコミが入る。
「トオル……あのさあ、トオルはもう普通の男の子じゃないよ? 人族最強の一角じゃん! しかもこの前のケンヤとマモルの戦いでまたレベル上がってんじゃない?」
ハッとするトオル。
確かに数万のロードに神獣……幾つかレベル上がってもおかしく無い!
俺も後でレベル確認しとこ……
「因みに今のレベル幾つ?」
シルに聞かれトオルはステータスを確認。
「えっ!! 嘘だろ……」
トオルは自身のステータスボードを凝視し固まってしまった。
「……………………52まで上がってました……」
マジか! 前は46だったから一気に6も上がったって事か!
「それはスゲーな! 数万のロードもそうだが、あの神獣一匹の持つ経験値が物凄かったんだろな!」
たしか神獣って裏ダンジョンのボスだ! それが三体……そりゃレベル60以下ならそれぐらいレベルが上がってもおかしくない。
「前の勇者アキラのレベルが60だったのよ? 勇者アキラはケンヤやミコトと同じ転生者。トオルはその転生者の勇者のレベルに届きそうな勢いで成長しているの! それでも普通なんて言える?」
シルに言われ愕然とするトオル。
「あのお姫様が言っていた通り、今後貴族達から色々打診あるわよ? 娘の婿に〜とか、トオルは孤児だからウチの養子に〜とか……」
シルさん……貴族社会の事なんでそんな知ってんだ?
「トオルがそれをウザイと思うなら、暫くあのお姫様利用するのもありか!」
「け、ケンヤさん!?」
目をぱちくりさせるトオル。
ケンヤはトオルの肩に手を回し、
「利用してやれば良いんだよ! あのお姫様もサラがどうのこうの言っていたが、なんらかの打算がある筈だ。向こうがトオルを利用するなら、トオルもあのお姫様を利用してやれ! そんでいざとなったら…………俺も一緒に逃げてやるから」
ニヤリと笑うケンヤ。
「ケンヤさん……逃げるんですか? それは……酷くな……、いえ! お願いします! 一緒に逃げて下さい!!」
そしてお互い悪い顔をしている事に気づき笑いあった。
コンコン
また突然ノックの音がする。
ビクッ! と反応するトオル。
「ま、まさか……マーガレット様が……」
「流石にこんな時間に一国の王女様が男の部屋に来る事は無いんじゃないか? 多分サラじゃね?」
そう言いながらドアを開くケンヤ……
…………そこには……
両手を腰に当て、ふんぞり返るマーガレットの姿が!!
しかもだ! 片足を伸ばしドアを閉められ無いようにしている……
その後ろには申し訳なさそうにしているサラとミコトも!
「あ、あの……マーガレット様……こんな夜更けにどんなご要件で? お話しなら明日伺いま……」
「いえ! 勇者様! 大事なお話しがございますの! 大事なお話しが!! 失礼します」
勝手にズカズカと部屋に入って行くマーガレット……
サラとミコトも後に続く。
その様子にひと波乱ふた波乱ありそうだと天を仰ぎ見るケンヤであった……
トオル君の叫びwww