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9/12

ep.9 モヤモヤ?

AM 5:55






寝ぼけながら重たい体を起こし目を擦る。







ジリリ…バシンッ




6:00に設定した目覚ましを解除し、本格的にベットから起き上がる。





そのままランニングウェアに着替え、30分近所をランニング。




帰宅後顔を洗い頭を軽く洗い流し乾かしたら簡単にセット。





ここから制服に着替えるのだが、今日は土曜日。


休みだ。






鏡を見つめ、俺はニヤつく…








「休日さいっっっこー!!!!!!!1人さいっっっこー!!!!!!!」





俺はバッと手を上げ叫んだ。





そう、コミュ障の俺にとって、学園生活は本当に辛くしんどい。




有難いことに土日祝はイベントが無い限り学校に赴く必要も無い。



部活動をしている生徒なら土日も関係なく登校しないといけないが、生徒会は案外ホワイトなのだ。







「さってと〜、散歩ついでに本屋にでも行くか〜!」




誰も居ないのを良い事に大きな一人言と朝食を楽しむ。




父と姉は相変わらず海外で、母は来週から地方で開催されている絵画アート展の準備で昨日から出張に出ている。



妹もいるが、母に着いて行くと駄々をこね一緒に地方に行っている。






ということで、俺は見事におひとり様だ。







だが、休みでも勉強は怠らないと決めているので、本屋に行く前に自室の勉強机へ向かう。





入学が決まってから、特に父母は勉強を強要してきたりはしないが、これでガクッと順位が下がると盛大に馬鹿にしてき兼ねない両親なので、自ずと勉強をしている。



もちろん今は、生徒会長なので、3位以内をキープは鉄則だが…






7時過ぎから勉強を始め、気が付くと11時になっていた。






ふー、折角1人の時間だし、今日は早めに切り上げて本屋行って午後はゆっくりするか〜。











軽く身支度をし家を出る。







本屋まで結構距離はあるが、散歩がてら大きな公園に寄り道をしながらゆっくりと歩いて行く。






公園を抜けた所に大きな図書館があって、姉が帰って来て騒がしい時などは、この図書館で勉強したりもしている。







いつものように図書館に抜けた時、走ってきた少女とぶつかりそうになる。





「きゃっすみません!」




何処か聞き覚えのある少女は深く被った帽子を上げこちらを見る。





「西園寺?!」「成瀬さん?!!」





目の前の少女が西園寺だと気付きいたたまれない気持ちになる。



てっきり小中学生くらいだと思ったが、言うと機嫌を損ねかねないので言うのはやめた。








「成瀬さん、図書館に御用かしら?」





「いや!俺はこの先にある本屋にでも行こうと思って。」




ちなみに、本屋の近くにある夏葵の家の蕎麦屋で昼食を摂ろうとも思っていた。







「あら、そうでしたの。」



「西園寺は図書館で勉強でもするのか?」




…にしては、フォーマル…というかドレスのようなワンピースというか…かなり気合いの入った格好をしている。





「私は今日雪城さんと、巷で噂の『映え蕎麦』というものを拝見しに行きますわ!!」




「映え蕎麦?」



そのワードが何故か引っかかった。




「ええ、最近の女子高生はピンクの蕎麦を頂いてこそJKだ!!と、雪城さんに促されまして…」




「はあ…」


きっと雪城は雑誌の情報をそのまま西園寺に伝えたらしいな。


雪城が自らこんな発言をするとは思えない。





(わたくし)、家族行事以外のお出かけは図書館か習い事くらいしか許可がおりませんの。」



「え、じゃあ今日は?」



「もちろん、図書館に行くと言って運転手さんに降ろして頂きましたわ。」



「じゃあこんな堂々と図書館前で話してたら不味いんじゃ…」



「私が図書館に行くと、本の虫になることは家の者は分かっておりますの。運転手さんも1度屋敷に戻りますし。ですので3、4時間くらいなら離れても問題ありませんわ。」



「それなら良かったが…、肝心の雪城は何処だ?」



「それが…」





どうやら雪城とは図書館前で待ち合わせしていたらしいが、雪城が寝坊したらしく、そのまま蕎麦屋にタクシーで行くと連絡が来たそうだ。




「私…自分の足であまり出歩かないので、地図の見方もよく分からなくて…」




「スマホのMAPは?」



「MAPですか?まず出し方が分かりませんわ。」





何故かドヤ顔をする西園寺を見ていると、気が抜けたのか『ぐぅうう〜』とお腹が鳴った。




「俺も蕎麦屋一緒に行くよ。」



「え、でも書店に行かれるのではなくて?」



「ああ、そのつもりだったけど、その蕎麦屋俺多分知ってる所だからさ。」



「あら、そうでしたの?よく行かれるお店ですの?」




「多分だけど、それ夏葵のお爺さんの店だよ!」




「え!そうですの?!!で、でも確か日向さんのお爺様が営んでらっしゃるのは、老舗のお蕎麦屋さんでしたわよね?」



「あー、何か先月くらいに夏葵から相談されたことなんだか、お爺さんと常連のお客さんだけではなく新規のお客さんを入れる為にはどうしたら良いかって相談されて…俺、その時寝不足で疲れてたから、SNSで流行りの映えでも取り入れたら?ピンクの蕎麦とか天ぷらとか映そうだろ?って適当に答えて…」



「まあ!では成瀬さんの意見が見事に採用されて、ましてや今では女子高生の間で有名になってますよね。ふふっ何だか男子高校生が安易に放ったお言葉で裏側が見えると、こうも映えって何かしら?ってなりますわね。」



西園寺は近隣JKのトレンドの生みの親が俺というのがツボに入ったらしく、しばらく笑っていた。






いや、俺もまさか本当に夏葵とお爺さんが俺の発言を実行したとは思っていなかったし、普段からSNSの類を一切やっていないので気付かなかった。むしろ本当にお爺さんの店か?とも思ったが、この辺りでピンクの蕎麦なんかやり出すような店はやっぱりあそこしかない、と自信があった。



にしても、夏葵も言ってくれたら良いものを。





「ほらっ着いたぞ。」





ーーーー御食事処 向日葵亭






向日葵亭に来るのは半年ぶりくらいで、進学や、生徒会メンバーになるべく奮闘していたのとでなかなか行けずにいたのだった。




身勝手な父に世界各国連れ回される前は、しょっちゅううちの爺さんと来てたっけ。







「あのー、成瀬さん?こちらが日向さんのお店ですの?」



「ああ、そうだ!向日葵亭って名前から、夏葵って名前にしたらしいぞ。」



「そ、そうでしたのね。あの…その…少し言いづらいのですけど…私のイメージしていた外観とは少し違うなと…」




珍しくお嬢様口調が崩れた西園寺の態度も無理もない。





『#映え蕎麦 #ピンク #ゆめかわいい #ハート』

などと書かれた投稿ばかり雪城に見せられていたのだろう。



向日葵亭は老舗も老舗。



創業100年以上の歴史を持つ、古くも趣のある外観をした、地元民から愛される蕎麦屋だ。



そんな可愛らしく畏まった格好で来る場所ではないのだ…。







ここまで来る途中、もし違ったら…とは思ったが、入口を見て「やっぱりな」と予感は的中し、ガラガラッと入口の扉を開ける。





西園寺はかなり半信半疑だったが、入口に近付くと『SNSで話題の映え蕎麦♡』『JKやOLに大人気♡』『ピンクでゆめかわいい海老たん♡』などとポスターが貼り巡らされていたので、西園寺も諦めたらしく渋々俺に続いて店に入った。








「いらっしゃいませ〜!あれ?会長さんとユカリンちゃんだ!!」





出迎えてくれたのは夏葵ではなく、何処かで見た事のある黒髪でロングでセンター分けの女性だった。


俺が会長と知っているってことは同じ学園の生徒か?







「あれ?き、君は…?えと…夏葵は?」




知らない人なので、制服も纏ってない俺は戦闘服を剥がれ丸腰になった気持ちでコミュ障が爆発した。





それを見兼ねてか「こんにちは。貴方は確か…料理部部長の東堂(とうどう) かをりさん、でしたわよね?日向さんの家でアルバイトされてるのかしら?」と西園寺が切り出してくれた。




「はい、そうですよー!夏葵ちゃんが映え蕎麦を作ると言ってから、おじ…えっと、ゆき爺と発案制作を協力していて、休みの日はたまにお手伝いもしてるんですよ!」




どうやら東堂は夏葵の友達で、ピンクの蕎麦などという無茶振りに振り回された被害者らしい…。



しかし、夏葵のお爺さんは相変わらず距離が近いと言うか、度が過ぎてると言うか…


俺も出会った頃からゆき爺呼びを強要されていて、お爺さんの前ではちゃんとゆき爺と呼んでいる。呼ばないと不機嫌になるからな…。


見た目の割に気さくで、その上グイグイ来るからさぞ大変だっただろうな…



などと、少し同志のような気持ちになり東堂に哀れみの視線を送る。




「あの…夏葵は上か?」



蕎麦屋の上は自宅になっているので、夏葵は普段そこでお爺さんと2人で暮らしている。



「あ!えっとー、、夏葵ちゃんは用事って言うかー里帰りって言うかー…」



東堂が何やら狼狽えながらしどろもどろ話す。



「あら、日向さんのご実家はこちらではないのかしら?」



「あ、うん…そう…ですね。」



東堂はまたあさっての方向を見て何かを誤魔化した。



夏葵は帰省中か…



実は俺も夏葵の実家について詳しく知らない。



小学生の頃知り合った時にはもう夏葵はこっちでお爺さんと住んでいたし、実家の事についても、『東海地方にある。仲が良くないからゆき爺に預けられている。』などは聞いたことがあるが、仲が悪いにしてはしょっちゅう帰っているし、俺も少し疑問には思っていた。


夏葵に聞いてもはぐらかされるので詳しくは聞いていないが…






「日向さんの…実家は…岐阜県ですよ…。たまに顔、出さないと…親が五月蝿い…って、この前嘆いて…ましたよ?」



真後ろから突然声がして、慌てて振り返ると雪城が立っていた。


「わ!雪城!!いつの間に!!!」




「日向さんが…上にいるかって話しから…?」



「声くらいかけろよ!」



「ごめんなさい…会長が…東堂さんのこと虐めてて、入って良いのか…分からなくて…」



「いやいや!虐めてないぞ!!!な!東堂」


「え!は、はい〜そうです…ね?」




何で疑問形なんだ…!!!





「あ、えっと!!他のお客様もみえるので、良かったら席にどうぞ!3名様、ですよね?」



「ええ、そうしましょう。案内お願いしますわね。」







ひとまず俺たちは席に着いた。






「それにしても、雪城は夏葵の出身を知っていたんだな。」



「知ってた…と言うか…前日向さんが、電話で親?と喧嘩してるのを…たまたま見かけて…」










.

.

.

.







「はあ?!やから、帰らんって言っとるやんか!!あたしもうそんな子供やないし!!!もう〜っっ分かったから!!うん、はい、はいはい!じゃーね!もうこんな時間に電話かけたりしてこんでよ!!」











.

.

.

.








「って、話してて。」



「あら、私には関西の方言のように聞こえますが…」



「私…愛知に従姉妹がいて…東海の方言色々教えて貰って…。少し…似てるけど、関西とは全然違います…。岐阜?って聞いたら、内緒ねって…」



「岐阜だったんだな…。」



夏葵は幼馴染で、かなり近い存在だと思っていたので、雪城より夏葵のことを知らなくて恥ずかしさと少し悲しさも込み上げた。




「成瀬さんも知らなかったんですの?」



「ああ、何か昔から夏葵とお爺さんには誤魔化されて…そう言えば昔は方言だったような…」









.

.

.

.









ーーーー10年前









「ひーくん!早く早く!」



「待ってって!」



「今日はゆき爺に蕎麦打ち教えて貰う約束してたやんか!時間過ぎてるし!遅刻やお!」



「やお?」



「あ、だよってこと!!」



「ふーん…方言?」



「うん、あたし遠くから来てて…」



「何か夏葵の方言ってさ…」








.

.

.

.









夏葵との会話がふと蘇る。





思えばこの会話からすぐ夏葵は方言を使うのをやめた気がする。





でもそれが何故だったかは思い出せない…。









俺が頭を抱えていると、「ひーくん!久しぶりじゃな!」後ろからぬっと声が聞こえ驚いて振り向く。




今日はどこからとも無く後ろから人が現れる日なのか?!!




「おじ…ゆき爺!驚かせないでくださいよ!!」





「はは!相変わらずひーくんはビビりじゃの!」



「ゆき爺がいつも気配なく近付いて来るからですよ!!!」




「私もびっくりしましたわ。日向さんのお爺様ですわね。日向さんと同じ生徒会役員の西園寺と申します。」


「同じく…生徒会役員の…雪城…です。」




「まあみんな!そんな畏まらず!ゆっくりしてってくれ!」




そうは言っても、お爺さんの顔はかなり怖い。昔はヤンチャだった、と額の傷も照れながら教えてくれが…。初めて見る2人は相当おっかないだろう。





「ゆき爺、夏葵は実家ですか?」



「あー、聞いたのか?そうじゃ!あの愚息め、最近しょっちゅう夏葵を呼びやがっての…」



「そんな頻繁に帰ってたんですか?」



全然気付かなかった。


休みの日は俺も出かけないし、夏葵とは休日も普通に連絡をとったりしていたし、そんな事一言も言ってなかったのにな…。






「夏葵も大変なんじゃよ。まあ儂のせいじゃがの…。ひーくん!夏葵を頼んだぞ!」




そう言いお爺さんは俺の肩をポンッと叩き、厨房に戻って行った。






「随分仲がよろしいのですね。」



「俺の爺さんが昔からの友達らしくてな。昔は頻繁に遊びに来てたからな。」





「そうなんですのね。」



「まあ昔は兄妹みたいに仲が良かったし、爺さん同士で許嫁がなんとか言って来て、酔っ払いの戯言とは分かっててもあの時は俺も流石に」「許嫁ですって?!!」「許嫁……」




何故か西園寺と雪城が青ざめた顔をする。





あれ…?


高校生に許嫁だなんて話題、重すぎたか?






「いやいや、今も言ったけど、酔っ払って言ってただけだから、祖父同士の悪ふざけで、ほら!ノリってやつだよ。」




「でも…祖父公認…」






本当に冗談で話していただけなので、どう納得して貰おうか考えていると…「はい!お待たせ!これですよね?」と、東堂がピンクの蕎麦にピンクのえび天が載った『らぶりぃエビてんそばんぬ♡』(映え蕎麦)とやらを持って来た。




「あ、ありがとう。凄いなこれ!エビ、ハートになってるぞ!なあ!」



慌てて受け取り、場の雰囲気を変えようと柄にもなく大袈裟に振舞った。





「そうですわね…」「ハート…ピンク…」



せっかく映え蕎麦が来たのに2人は暗いまま写真も撮らずハートのエビを崩した。




「も、もっと堪能しなくていいのか?」




「ええ、今は楽しく食事出来る気分ではないですわ…」「こんなハート…壊します…」




2人ともどうしたんだ…



やっぱりヘビーな話題だっただろうか…




西園寺も雪城も、お嬢様だ。もしかしたらお見合いや許嫁の話しはわんさか来ているかもしれない。



嫌なことを思い出させたかもしれないな…







また自分の話しの下手さに嫌気がさす。


俺は黒木のように上手く立ち回れないな…







3人で無言のまま蕎麦をすする。



傍から見たら、明らかに散歩中に立ち寄ったであろう挙動不審な男と、場に似つかわしくないフォーマルな格好をした美少女、ひたすらハートのエビを崩す殺気めいた美女…かなりおかしな光景だろう。





「あの…3人ともお蕎麦の味変でしたか?」



見兼ねて東堂が近付いてきた。



「いえ、とっても美味しいですわ。。。」




とても美味しいとは言えない顔なので、東堂は更に心配そうな顔をした。





「いや、本当に美味いぞ。」




「なら、良かった…」プルルルッ



電話の着信音が店内に鳴り響く。



「あ!ごめんなさい!いつも接客中はマナーにしてるんですけど…今日はちょっと…」



そう言い東堂はスマホを片手に小走りで外に出る。



店の外に出て電話に出ていたが、窓際に座っていた俺たちから東堂は丸見えだった。






何を話しているかまでは聞き取れないが、かなり深刻そうな顔をしている。





「は??!お見合い?!夏葵ちゃん大丈夫なの?!」




え?!お見合い?!!



俺は耳を疑った。


何かの間違いだろうか、、と思ったが、西園寺も雪城も驚いて窓を覗き込んでいる。



どうやら聞き間違いではないらしい。





しばらくして東堂は怒った顔をして店内に戻ってきた。






「東堂、あの、今夏葵がお見合いしてるって聞こえたんだが…」




「あ、聞こえちゃいました?…夏葵ちゃんには口止めされてたんですけど、、夏葵ちゃん、だいぶ前からお父さんにお見合いを強要されていて、今日顔だけ出せばしばらくは無理強いをしない。と言われたみたいで、今日だけってことで折れて行ったんです…。」




「そんなこと全く知らなかった!」



「まあでも相手の方にもキッパリ断りを入れたみたいなので、大丈夫そうでしたけど…もう!私が何か腹立ってきちゃって!!!」




東堂はスマホをぎゅっと力強く握り、怒りを露わにする。




「今のは聞かなかったことにしてください」とだけ言い、東堂は仕事に戻った。






「日向さん、お見合いされてたんですのね。」


「…会長…許嫁じゃ、ないんですか…?」




「いや、お見合いは俺も初耳だったが…。ほら、だから言っただろ!俺と夏葵は許嫁でも何でもないって!」





そう言い放つと、西園寺と雪城は何故か機嫌が戻り、今までとは打って変わって映え蕎麦を堪能しだした。












お見合いか…






急に夏葵との距離が遠くなった気がして、心がモヤモヤする。







俺にも言えないことなのか…



















「では会長、私タクシーで図書館に戻りますわ。もうじき迎えが来てしまいますので。」




「私も…他に寄るところがあるので…帰ります…」





「ああ、じゃあまた月曜日に!」




「ごきげんよう。」「さようなら…」









店を出て解散した後、本屋に立ち寄る気分になれず、来た道をまたゆっくり歩く。







ふと夏葵の顔が脳裏に浮かぶ。







出身や家のこと、お見合いのことを隠されていたことに腹が立ってモヤモヤしたのか、裏切られたような失望感か…それともこの気持ちは別の何かだろうか…







そんな事を考えながら歩いていると、夏葵からLINEが入る。








『今日うちの店来てたんだよね?!かをりんから聞いたけど。私も店出れば良かった〜(><)』




いつも通りの夏葵からのLINEに自然と安堵する。







妹が何処か遠くへ行ってしまう気がしたのだろうか…





自分の妹を思い出しながら夏葵を重ねた。



そこには妹とは何か違う別の感情があると気付く。




でも、確実に分かるのは、家族のような大切さが夏葵にはあるということだ。








「俺もまだ夏葵離れが出来てないみたいだな…」







そんな事を呟き、薄着で出たので肌寒くなってきたのを感じ俺は家路を急いだ。










かをりん登場回でした(^^)



未来ちゃん同様ひーきづを盛り上げてくれるかをりんにも注目です★



鈍感ひーくんが、少し自分の気持ちに向き合う話でした。


暖かい目で、ひーくんの成長を応援してやってください!

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