2/2
好意と行為
「人間さんの役に立つことがしたいなあ」
ぼくはお友達にそう言ってみた。
「やめとけよ。おれたちなんかが人間の前に出たら、
銃でうたれるか、こわがられてにげられるだけだぜ」
お友達はわらいながらそう返した。
そうかな。
確かに見た目は怖いのかも知れないけど。
それに、実際人間さんをおそう子だっているけど、それは人間さんも同じじゃないかな?
「ほんきかい?銃でうたれても知らないぜ?」
「うん」
だって。
ぼくは山を降りて人里へと向かった。
ばぁん。
ばぁん。
「昨日は怖くなって帰ってきちゃったけど、今日こそ行くよ」
「おいおい、やめとけって。ほんとうにあぶないぞ?」
「だいじょうぶだよ」
だって。
ばぁん。
「今日は、上手くいく気がしてたんだ」
だって。
銃の扱いもわかってきたし、
今日こそ人間さんを撃ってる、悪い人間さんに当てられると思ってたから。
どちらかというと悪意のない悪意。
特にひねりもない落ちですが前に書いたまま放置していたのに気付いたので、
せっかくなので投稿。