1-2ウィークネスポイント
アヤ「クリームのまんじゅう2つで」
おばちゃん「はいよ、あら…お嬢さん綺麗ねぇ」
「お名前は?」
フレイヤ「?…フレイヤのことですか?」
おばちゃん「そうよぉ、あたりまえじゃない。ふふ可愛い名前ね」
「あらやだ、あなたもよく見ると男前じゃない。フードなんか被っててよく見えなかったわ」
アヤ「どうも」
おばちゃん「そんな素敵なお嬢さん連れてるのだから、フードなんか取りなさいよ。陰湿に見えるわよ」
「それにしてもこんなに綺麗な子は久しぶりに見たわ。治安が悪くなってからは人もあまり来なかったしねぇ」
アヤ「治安が悪くなった?」
おばちゃん「そうよ……何故かいきなりモンスターの襲撃が多くなったのよ。それで町のなかが荒れちゃったの」
アヤ「モンスターの襲撃なんか転生者がどうにかしているんじゃないのか?」
おばちゃん「ええ、倒してくれているわ。だけど被害が全くないって訳じゃないでしょ?それが嫌な人はでていってしまったわ。それにその転生者……モテオ君だったかしら?その子もちょっと……」
アヤ「?」
おばちゃん「その子の評判も良くは無いのよ。ちょうどその子が来たあたりからモンスターの襲撃が増えたから……。」
アヤ「たしかにそれだとな。いい印象はないな、でも一応この町を守っているんだろ?」
おばちゃん「そうなの。だからモテオ君を嫌がる人と、そうじゃない人とで意見がきっぱり割れちゃって……町中がピリピリしてるわ」
アヤ「この店に来る途中ですごいものを見たんだが……」
おばちゃん「きっと宗教団体ね。モテオ信教……さっきの後者が過激化したの。その人たちの前では言動に気をつけてね」
アヤ「わかった、ありがとう」
おばちゃん「そういえばあなた達はこの町に何をしに来たの?」
アヤ「あー、なんと言えばいいかな……」
おばちゃん「あっ、おまんじゅう忘れてたわ。はい、おまんじゅう2つ、クリーム味。お金は大丈夫よ」
アヤ「え……いや、それは申し訳ない」
おばちゃん「いいのよ!久しぶりにお話しできたし、素敵な出会いもあったし」
アヤ「久しぶりの客なのだったら、なおさら悪い」
おばちゃん「ほんとにいいの……どうせこのお店ももう閉めようと思ってたしね。丁度いいわ、あなた達が私の最後のお客さん。私ももうこの町からでることにしたの」
アヤ「……そうか、まだこの町に来た理由を言ってなかったな」
「俺たちがこの町に来た理由はただ1つ」
おばちゃん「??」
アヤ「この町の治安を元に戻すこと。まんじゅうのお代はそのとき返えそう」
おばちゃん「!……ふふふ、期待してるわ。どうやってやるかはわからないけど、あなた達2人ならきっとできるわ」
アヤ「ああ、いい報告を期待してくれ。いこうフレイヤ」
おばちゃん「あ、ちょっと、おまんじゅう忘れてるわよ」
アヤ「………ありがとう」