第33節 討伐クエスト1 ホワイトベアー退治
討伐報酬の話です。
お金の話は難しいですね。
金なんて、今はもう1グラムあたり7千円くらいしますからね。
昔はもっと安かったのに。
金とか銀の交換で、日本は以前大きな失敗をしていますからね。
物語上でも、その機微に気をつけていきたいものです。
今日はそんなお金の話です。
それでは、どうぞ。
「作戦会議をします。」
ウーバン村に新しく作った駅舎の駅務室で、レインを筆頭に精霊たちが集まったので、今日の今後の動きについて計画を相談しようと思っていた。
「マスター。考えるより動いた方がはやいのですよ?」
「ん。住民のみんなも、あらかた帰った。とりあえず、するべきことを進めるべき。」
「ほら、あれだ。回復薬をイトー達に買って帰らねばならんのだろう?」
そうだ。
結構大きな怪我をしていた伊藤さんと、長いこと意識を失って衰弱していた大岩井さん。
この二人に、傷が治る薬と体力が回復する薬をそれぞれ調達するためにやって来たのだから。
でも、さっきこの村のよろず屋で買い物をしようとして気がついた。
僕たちにはこの世界のお金がない。
お金がないなら稼げばいいじゃない。
ということで、冒険者ギルドで稼げそうな討伐クエストと、稼げなさそうな採取クエストを受領して来た。
採取ではなく採掘クエストかもしれない。
相手は石炭だしな。
「まず、はじめに、討伐クエストのホワイトベアー討伐だ。」
「既に10匹以上やっつけているのです。」
「ん。討伐部位も確保済み。」
「先に討伐済みでもオッケーだって、ギルドマスターも言っていたぞ。」
これは、討伐証明にホワイトベアーの毛皮を全身の半分以上持ち込めばいい。
1匹あたり、おおよそ金貨1枚になるとのことだ。
でも、いきなり10匹分以上持っていっても、金庫にお金がない可能性が高い。
それに、変にギルドに情報が流れるのも問題だ。
強さはそこそこでいいのだ。
それこそ、勇者の生き残りが、ここにいることがバレない程度に。
「レイン。ギルドマスターで思い出したけど、冒険者登録時に偽名使うの忘れていたよ。」
「ふぇ? 何で偽名を使う必要があるのです?」
「いや、王国から刺客が送られてくるかもしれないだろう?」
「大丈夫なのです。冒険者ギルドは国家と提携していないのです。情報は漏れないのですよ?」
いや、それ、本当なのか?
例えば、王国が僕たちの捜索依頼を出したら終わりじゃないのか?
「いや、国の方で僕たちの討伐依頼とか出されたら、冒険者が大挙して来るんじゃ?」
「来ないのです。国と国の関係者は、依頼を受けることはできても、依頼をすることはできないのです。そうしないと、冒険者ギルドが戦争とか犯罪とかに巻き込まれて潰れてしまうのです。」
「あ、ああ。そうか。どこかの国に肩入れするってことは、攻撃対象の国のギルドは、真っ先に潰されるからな。仕事にならないよな、それじゃ。」
「そうなのです。戦争関係は、ダメなのです。そういうのは傭兵団とか傭兵ギルドに頼むのが正規の手段なのです。」
正規の手段。
レイン、言いやがったな。
つまり、非正規の手段があるっていうことだ。
「レイン。非正規の手段を教えろ。」
「うっ。」
「お前は馬鹿なのか? レイン様が説明するまでもない。ラストが説明してやる。つまり依頼をする方は、冒険者タグがないんだぞ? いくらでも嘘をつける。何なら国と関係ないやつに金を握らせて依頼を持って行かせる方法もある。わかったか?」
「抜け道があると。そいつが僕たちの討伐依頼を出したらどうなる。」
「弾かれるのです。」
どういうことだ?
非正規の方法だと、依頼自体は可能なはずだ。
なにしろ、依頼人の身元を確認する方法がないし、確認しても国との関係は出てこない。
「冒険者ギルドは、あらくれものの集団なのですよ? ギルドの規則に違反した悪い冒険者は、ギルドから除名されるのです。逆に言えば、除名されていないギルド登録者への討伐依頼は成立しないのです。でも、悪いことしていないかどうかの調査くらいはあるかもですが。」
つまり、依頼から、冒険者は守られているということになる。
それなら確かに。
偽名で登録する必要がない。
「そもそも、偽名で登録できないのです。登録するときに、名前とか聞かれていないのですよ? すべては水晶が読み取って自動的にタグに転送しているのです。口や書類でごまかせても、結局冒険者タグにはほんとの名前が記載されるのです。しかも、名前はタグの表に書いてあるので、読めばばれるのですよ? あと、国民タグにもおんなじことが言えるのです。」
そもそも論だった。
偽名で登録する必要があったとしても、登録時に名前を聞かれないので偽名が使えないし登録もできない。
「なんなら、この登録で、ほんとのなまえが分かる人も結構いるのです。あと、名前のない人は、ここで名前の登録が発生するのです。国民タグの時も、孤児院の子供達とかで、ほんとのなまえが判明した人もいたのですよ?」
「それは、親につけられた名前、ということか?」
「そんなことは分からないのです。でも、判明した名前と、今使っている名前とで整合しない人とかで、名前はかならずしもひとつとは限らないのですよ? そのためのa.k.a.なのです。」
いや、a.k.a.ってそういうもんじゃないだろ。
あれだろ?
犯罪者の報道とかでたまに見る「○○(偽名)こと××(本名)」っていうやつだろ?
あんまりいいイメージはないよな?
「ん? ということは、偽名もタグに記載されるのか?」
「表面には刻印されないのです。でも、データとしてはタグの中に蓄積されていくのです。だから、冒険者はスパイとかちょっと難しいのですよ?」
「ああ。そして、国民タグの発行されたこの国もだな。」
「そうなのです。戦争の勝利の大基本は、そもそも戦争をしないことです。戦って勝つのは、失敗なのですよ。負けるのは大失敗です。」
つまり、普段の生活で、戦争を発生させないようにすることが大切ということだ。
たとえば、この国とは戦っても勝てないと思わせれば戦争をふっかけてくる国はない。
そのための情報源として、スパイ活動があるのだから、スパイができなければ戦争できない。
レイン先生は、この小国家を守るために、戦争の元を絶ってしまう作戦をとるらしい。
「ずっと気になっていたんだが、この国民タグ。どこで手に入れた? さすがに鉄道鞄から出て来たというのは無理がある。収納くらいはしていたとしてもだ。」
「うぅ。聞かれるとは思っていたのです。でも、それは、あの女神の巻物の効果なのです。」
あちゃー、という顔でレインが説明を始めた。
「あの巻物の魔力の範囲で、国家統治に必要な魔法を使うことができるのですよ? 普通の国で、あの巻物がある国は、大体城壁とか国境の壁とか国防に必要な設備を人柱を立てて作っていたのです。」
「じゃあ、国によっては僕たちみたいに国家運営の巻物をもらったところもあるのか?」
「そうなのです。大体の国はもっているのですよ?」
じゃあ、そもそも戦争起こらないんじゃないのか?
女神様の定めた国に、文句言えないだろ?
「女神様の巻物に、喧嘩売って戦争できるのか? その理論だと、そもそも戦争自体ができなさそうなのだが。あ、でも、戦争に備えているのは、戦争できるからだよな?」
「あたりまえなのです。あの巻物は、国を作るのを認めていても、どこにどんな規模の国を作るのかまでは制限していないのです。他の国の領土を奪うのは、止められなかったのです。ぬけあななのですよ。なんなら、他国の巻物を強奪して、むりやり合併とかできるのです。」
「いや、それを軍事的には侵略っていうんじゃ?」
「結果としては、できるのです。女神様でも、戦争は止められなかったのです。」
そうか。
でも、今の言い分だと、女神様(仮)的には、戦争は止めたいらしいな。
もっとサディスチティックなのかと思っていたのだが。
「それに、人柱が要るっていってたな? 壁を作るのに人が死ぬのか?」
「普通に作っても、事故で結構な人数が死ぬのですよ? 人柱だけで済むなら、国家運営のマクロ視点なら犠牲者の数はかなり少なくなるのです。個人単位のミクロで見たら、どちらにしても悲しいことなのですが。」
日本だって、大きな工事では時折死者が出るくらいだ。
異世界なら、レインのいう通りなのだろう。
また、ハードルが上がったな。
知ってしまうと街壁とか城壁とか作りにくいだろ、精神的に。
「ま、まあ、それはそれとしてだ。まさかこのタグを作るのに人柱とか使っていないよな?」
「この国では、レインが魔法を使ったので、人柱はいらないのです。巻物の能力を使って、国民タグ製作機と、国民タグ管理システムを作ったのです。それで、巻物の魔力はほとんど使い切ったのですよ? 城壁は、そんなことしなくても後でいくらでもつくれるのですよ?」
まあ、そうなるよな。
レイン様さまだ。
でも待て。
城壁は、いくらでも作れるって、さっきハードルかなり上げたくせに簡単に言いやがった。
「城壁は、さすがに人柱……。」
「しつこいのですよ? レイン達には日本の知識があるのです。科学の力とこの世界の魔法の力を合わせれば、それは既に異世界チート以外の何ものでもないのです。俺様最強なのですよ?」
「いや、人死にが出るのは、さすがに嫌なんだが。」
「だから、出ないのです。この世界で一番安全に作れるのです! 任せておくのですよ?」
レイン先生は意味もなく自信満々な訳ではないのだろうが、不安しかない。
不安しかないが、こうなったらテコでも動かないだろう。
そして、それについて詳しく説明するつもりもなさそうだ。
ま、作る段になってから聞き出せば間に合うだろう。
今後の方針は元々決まっていたようなものなので、結局雑談というか、この国のシステムの一端を知るいい機会となったわけなのだが、それはそれとして、生活費を稼ぎに行くこととなった。
そして、具体的には冒険者ギルドに戻って来ていた。
「ギルドマスター。じゃあ、この毛皮で討伐完了だな?」
受付で寝ていたギルドマスターを叩き起こすと、ホワイトベアーの毛皮ほぼ1匹分をカウンターに載せた。
いや、嘘をつきました。
大きすぎて乗りませんでした。
「あ、え、えーっと。このカウンターじゃ無理だから。一番手前の、大物対応のカウンターでね。」
そういうとギルドマスターのお姉さんは、このカウンターから見て受付の並びでは、ちょうど反対側の大きめのカウンターを指差して、自分はカウンター内をすぐに移動していった。
遅れないように、大物を持ったままこちらも移動する。
結構重いんだな、毛皮って。
ラストとロッコが微妙に手伝ってくれた。
「まったく。お前にはラストたちがいないとだめだめだな。」
「ん。商品を汚すのはよくない。」
そして、安定のダメ出しである。
結果として、討伐報酬として金貨1枚と大銀貨1枚をもらった。
「レイン。これ、どのくらいの価値があるんだ?」
「金貨は、1枚で日本で言うと20万円くらいの価値だと思って間違い無いのです。大銀貨は、3千円くらいです。普通なら大銀貨10枚で小金貨1枚になるのですよ?」
「じゃあ、1ヶ月は生活できるのか。これだけあれば。」
「ですです。でも、魔法薬が高いのです。結局全部使うようなのですよ?」
魔法薬高いな。
ああ、そうか。
この世界、保険効かないのな。
3割だったりしないからな。
「ギルドマスター。金貨は、小金貨で渡してもらうわけには行かないのか?」
「規定で、一番大きな貨幣を使うことになっているの。両替してもいいけど、手数料が発生しますよ?」
解せぬ。
つまり、必要なら両替しろと。
そして、ギルドにお金を落とせと。
そういうことらしい。
なんとも商売上手なことで。
「なあ、レイン。この世界での買い物、お釣りは来ると思うか?」
「まず、期待できないのです。なんなら、お釣りの分は商品でもらうことになるのです。いらないものをたくさんもらう羽目になるのですよ。両替は大事なのです。手数料を払っても、リスクは減らすべきなのです。硬貨の枚数分以下しか、お買い物の回数が無いものと考えるのですよ?」
じゃあ、何か?
お釣りがもらえないからいらないものをたくさんもらって。
持ち切れないなら、もういいよになるのか。
商人に優しい世界だな。
「相場通り一割の手数料で両替するよ?」
「いらないのです。いまからこのお金で魔法薬を買うのですよ? 結局そのまま全部使うことになるのです。両替はまた今度なのですよ?」
「ちぃっ。」
あ、このおねぇさん、舌打ちしたよ。
あれかな。
両替ってもしかするとギルドとは関係なく、お小遣いが発生する仕事なのかな。
一割って、金貨をちょっと両替するだけで2万円くらい手に入るんだったら、真面目に働きたくなくなるよね。
なんなら、ここで、それを専業にしてもいいくらいじゃ無いかな。
そうして、お釣りの出ないという文明レベルのよろず屋に買い物に来た。
「だから、無一文は!」
「いや、討伐依頼をこなして来た。金貨が手元にある。」
「いらっしゃいませ。あ、温かいお茶だしましょうか?」
いきなりこの掌の返し様である。
いっそ、清々しいくらいだ。
「じゃあ、魔法薬と回復薬が欲しい。それぞれの値段を教えてくれ。」
「え、ええ? 魔法薬を買われるのに回復薬も必要なんですか? 普通はあまりそういう買い方される方いませんよ? 魔法薬を買われる方は、魔法薬で全てが治せますから回復薬は必要ないですし、回復薬を買われる方は、高すぎて魔法薬など買えませんから。あ、でも、それぞれ効果に得手不得手があるので、ごくごく稀に、お客さんのような買い方をされる、その道の方がいない訳ではないのですが。」
そんなに値が変わるのか?
「ああ、値段ですね。魔法薬での回復薬、ポーションっていった方が冒険者の方にはわかりやすいんじゃないですか。飲んでよし、掛けてよし、効果は一瞬のすてきな薬です。液体が瓶に入っていますので、どうしても持ち運びには不便で不安定ですが。中級以上の冒険者の方の必須アイテムですね。これが、一瓶小金貨3枚です。」
「高いな。」
「そうでしょうか。さすがに薄くなった髪の毛には効果はありませんが、ごく稀に切られた腕が生えてくることもあるくらいですよ? 今言ったように、製品の効果に若干のばらつきがあるので、割り切って使ってくださいね。大体の傷は一発で跡形もなく消え去りますよ?」
どんだけすごいんだよ。
元の世界基準で6万円くらいで怪我が一瞬で治るとか。
救急車に積み込ませたいぞ、それ。
ああ、でもそれだと、医者の仕事がなくなるか。
それでか!
医者が王都にしかいないって言っていたのは。
こいつのせいで医者の仕事がないんだな?
かなり高価ではあるが、効果を考えたら安すぎるくらいだしな。
「じゃあ、それを3本くれ。あとは、普通の回復薬3種類セットか。セットにするとお安くなるのか?」
「いえ。でも、セットにされた場合は、包帯がつきますよ? かなりお得です。」
「じゃあ、いま、金貨1枚あるから、魔法薬の残りの金でそのセットを見繕ってくれ。」
「はい。小金貨1枚分ですか。結構嵩張りますよ? 冒険者なのですから何か他のものも申し付けていただければ。そうですね、黒キノコセットはいかがですか?」
何を言っているのかわからない。
黒きのこと、回復薬と、冒険者と、どういう関係があるのだろうか。
「訳がわからないんだが。黒キノコセットの説明を頼む。価格もな。」
「わかりました。興味を持っていただき、ありがとうございます。で、ですね。簡単にいうと、この怪しい黒い粉が、商品になります。」
そういうと、ちいさなガラス瓶に入った黒い粉を見せて来た。
「この粉が、きのこの元です。冒険者の方は、山の中に入ることが多いですよね? よる寝る前、というか、キャンプを準備したらすぐくらいがいいですね。できるだけ腐っている木が理想なんですが、枯れた木とか生木でも一応可能です。水をかけてからこの粉を振りかけておくと、朝には黒いキノコが生えているという仕組みです。大きくはないのでお腹はあまり膨れませんが、HPが少し回復する効果があります。あと、水をかけてやれば、一週間はその木から黒キノコを回収し続けられますよ?」
食糧を運ぶ量を減らすことができるというわけか。
それに、何日かベースキャンプを作っての活動なら重宝するだろう。
なにより少しではあってもHP回復効果があるというのがいい。
でも、お高いんでしょう?
「で、いくらだ?」
「大銀貨1枚。回復薬セットと同じですよ?」
「わかった。それもいただこう。あと、他におすすめは? 似たような別のキノコはあるのか?」
そうすると、担当していた店員が、隣にいた店員に声をかけ、その店員が店の奥に走っていった。
しばらくすると、なにか、ツボのようなものを持って戻って来た。
「爆発茸セットです。こちらは大銀貨2枚です。同じように、きのこが生える粉なのですが、こちらは爆発茸ができます。きのこのままでは決して爆発しませんので、初回のセットには加工用の道具がつきます。次回からは大銀貨1枚で、粉だけ買えますよ?」
「ほ、欲しいのです。マスター、これは買っておくべきなのです。」
「お、おう。じゃあ、そのあたりの組み合わせはレインにまかせる。店員と交渉してな。」
「はいなのです。お任せなのですよ?」
そういうと嬉々として店員と交渉をはじめるレイン。
なんだかとっても生き生きとしているのは気のせいだろうか。
まあ、レインも女の子だ。
買い物とか、大好きだよな。
結局のところお店では、
魔法薬 ポーション 3本
回復薬セット 2組
黒キノコセット 2組
爆発茸セット 2組
調理道具(スキレット、オタマ、フライ返し、ボール) 各1
金属製食器(皿、コップ) 各6
を、調達した。
<今回得た教訓>
買い物は、女の子に任せた方が圧倒的にいい。
ただし、時間は倍以上かかるのであしからず。
評価ポイントとブックマーク、ありがとうございます。
思いの外増加していてびっくりしました。
PVも6,500を超えました。
愛読者の皆様には感謝申し上げます。
さて、この度、小説家になろうの機能について少し勉強しました。
タグ、編集できるってことが理解できました。
そこで、「女神様」、「精霊」、「鉄道」と、入れてみました。
でも、今確認されると、違っていると思います。
「女神様」って、タイトルに入っているので入れる必要ないのですね。
そして、考え直して、「女神様」の代わりに「くっころ」と「犬」を加えました。
ついでに、あらすじもコンパクトにしました。
内容に変更はありませんが。
結果として、PVが1.5倍くらいになりました。
あ、このタグって重要だったのですね。
まだまだ精進が必要なようです。
日々修行ですね。
それでは、何事もなれければ、明日、15時ころに。
訂正履歴
で無い → 出ない
傷は一髪で → 傷は一発で(※ 誤字報告ありがとうございました)