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女神様! 御自分で御与えになられた恩寵なのですから、嘲笑するのをやめては頂けませんか?  作者: 日雇い魔法事務局
第3章 地図(ちず)と版図(はんと)
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第31節 さすがにこんな田舎でも貨幣経済してますよ?

はじめて来た場所に対する反応は、人それぞれですね。

新しい場所に対する興奮とか期待とかから来るわくわく感。

どこで何が起こるか分からないことに対する不安から来るドキドキ感。

いろいろな反応がありますが、学校や職場が変わった時の反応と、似ているのですよね。

その不安を解消するために、周りをよく見回したり散歩したり。

コミュニケーションをとってみたり。

新天地、最高です。

5月病を引き起こしやすいのも事実ですが。


今回はそんなお話です。

それではどうぞ。

 村長の屋敷で、サッシー王国の地図を広げていた。

 村長がもともと持っていたものだ。

 地図上での位置を確認したことで、寒村とか辺境とか言っていた意味が分かった。


 海に沿った大きな街道が、この村から東側に山一つ超えたところにあった。

 街道北端の帝国との国境付近には町があった。

 地図ではこの村からも、鉱山からも一番近いように見える。

 しかし、この冬場にその山一つ越えるというのは自殺行為であると言われた。

 だから、この村は、すくなくとも冬場においては海側と交易をしていない。

 そして、村から見て鉱山とは反対になる南側にしばらく行くと、そこにも町があった。


 その町とのみ、交易していると言っても過言ではない状態。

 そして、サッシー王国の版図としてみると、北東のすみっこの方であった。

 つまり、王都からは遥か遠い辺境の地なのだ。

 しかも、大きな街道にはアクセスできないという欠点付きだ。


 村長も言っていたが、村が維持できていたことそのものが不思議だ。

 どうやって一年乗り越えたのだろうか。


「この村の主要な産業は、一体何があったんだ? あ、鉱山は抜きで。」

「そうさね。鉱山ができてからだいぶ経つからね。この村の主要な産業は間違いなく鉱山、鉱業だったよ。でもね、それだけじゃ食っていけないからね。農業だって細々とやっていたよ。川魚だって結構獲れるしね。」

「じゃあ、鉱山が廃坑になってからは、自給自足でとりあえずはしのげていたと。」

「そう。食べる分には困らないからね。夏のうちに薪を集めておけば燃料にも困らないし、キノコとか乾燥させておけば、冬も何とかなるさね。イモとか保存の効く農作物も多いからね。」


 そう。

 生きていく分には自然が多い分、何とでもなるようだ。

 でも、今問題にすべきはそこじゃない。

 生活に問題がないとして、それだけでは国は守れないし回らない。


「魔物とか、山賊とかはどう対処していたんです?」


 戻って来ていたレインが、村長に質問した。


「対処できてないよ。運良く1年間、何もなかっただけさね。ただ、そうさね、こんな辺鄙な村にも冒険者ギルドの支部があってね。ギルドマスターが、自ら何とかしてくれているのさね。この村には冒険者なんて来ないからね。ギルドもギルドマスターしか職員がいなくてね。」

「ああ、それで食事に干し肉が入っていたのか。どうやって肉を確保したのか気になっていたんだ。」

「ああ、そうさね。ギルドマスターが害獣として駆除した肉は、よろず屋で売られてるからね。貴重なタンパク源だよ。でもね、さっきも言っただろ? こんな村でも農業は自給自足できるくらいやっているのさね。酪農もね。ゴートがたくさんいるんだよ。羊乳ようにゅうが採れるんだよ。雑草もたべてくれるからね。」


 びっくりである。

 さすが、異世界。

 人工物は少ないと思っていたが、逆に自然は保護する必要のないぐらいたくさんある。

 その利点を有効活用して生活しているようだ。

 いや、そこじゃない。

 また、話を戻された。

 その話じゃない。


「冒険者ギルド? この村にもあるのか? 冒険者になれるのか?」

「おいおい、あんたたち冒険者じゃなかったのかい? まあ、そうだろうね、精霊様御一行だからね。まあ、精霊様が冒険者になれるかどうかは知らないけれど、一度ギルドに顔を出してみるのもいいかもしれないよ。」

「そうする。さっそくそうする。あと、よろず屋って言っていたな。店があるという認識でいいか? 何店舗ぐらいあるんだ?」


 村長は、僕のことをかわいそうな子を見る目で優しく見つめた。


「よろず屋って言っている自体で察して欲しいさね。1店舗だけだよ。この村で物を買おうとしたら、よろず屋に行くしかないんだよ。ああ、聖水とかなら教会でも売ってるけどね。」

「聖水で思い出した。傷薬とか回復薬とかは、売っているのか? それと関連して、薬師とか医者とかいないのか?」


 大事なことを忘れていた。

 異世界なんだ。

 回復魔法の使い手がいない今、伊藤さんとかの回復ができる手段が欲しい。

 強力なのがあれば、あの大きな傷も消えるだろう。

 嫁入り前の女の子だしな。


「薬師はいるさね。でも、薬自体はよろず屋だよ。薬師も一人だからね。作るのだけで手一杯なのさね。ああ、医者かい? そんなもの王都にでも行かなきゃいないよ。そもそも回復魔法を使える人を探した方が早いだろ? ほら、レイン様だって、私に強力な回復魔法かけてくれたじゃないかい。」

「あれは、壊呪魔法です。回復魔法じゃないのですよ?」


 ん?

 壊呪魔法?

 イントネーションというか漢字を間違っているように聞こえるのだが。

 解呪魔法じゃないのか?


「わかった。とりあえず、よろず屋と冒険者ギルドに行ってみる。回復薬とか、調達しないとだしな。」

「そうなのです。そうなのですよ? イトーも待っているのです。」


 そういうことに決まったので、村長によろず屋の場所を聞き出すと、屋敷から南に坂を下って、東側の橋を渡ればすぐだと言うのでさっそく向かおうと、村長の家、というか領主の屋敷を後にした。


 そして、レインの先導で、なぜか村の北の端、村を囲う柵の外に到着した。

 この村に来たときに通った場所だ。

 なお、道は車が3台ほど通れるくらいに広い。

 夜になると道を閉じる扉も横に長い。

 高さはせいぜい1メートルくらいしかないけど。


「マスター。素材はあるのです。技能スキルを使うのです。レベル1の駅を作るのですよ?」


 レインはブレない。

 というか、忘れていたと思っていたのだが。


「木はあるのか? また切ってこないといけないんじゃないのか?」

「ラスト! そこの木、3本。」

「了解しました。レイン様。」


 ラストは以前僕たちに見せたハンドアックス的な小さなオノではなく、屈強の戦士しか使えないような、長さ1メートルはある中型の両刃オノをレインから渡されていた。

 空間魔法で出現したその両刃オノをラストは空中でキャッチすると、村のすぐ外にあって、道のそばにあった数本の針葉高木を、一瞬で切り倒した。


「おいおい、いつの間に。」

「どうだ? すごいだろう! ラストに惚れたか?」

「いや、これを見て惚れるとか、相当の変態だろ? そうじゃないだろ?」

「ラスト様を崇めてもいいのだぞ。お前が技能スキルを使うときには、いくらでも木を調達してやる。トイレもできるしな。」


 そこかよ!


「マスター。早くするのです。早くしないと村人たちが集まってくるのです。」


 村の柵の中から、こちらの様子を伺う村人たちがいた。

 十数名。

 すでにある程度のギャラリーがいた。


「分かったよ。すぐやるよ。ここも貨物駅でいいのか?」

「そうなのです。とりあえず、レベルが上がるまでは、貨物駅ということにしておくのです。法律があるわけじゃないので、人を運んでも、罰せられないのですよ? 嬢王様はイトーなのです。」

「そうか。イトーが法律か。おい! あいつに法律とかだめだ! 恐怖政治になるぞ!」

「どうしたのです? そんなことないのですよ? ルールを作ったり守らせたりするのは、前の世界でもやっていたので任せてって言っていたのです。」

「だからだよ! あいつは風紀委員だったんだよ! ルールにとても厳しいんだよ!」

「大丈夫なのです。心配ないのですよ?」


 レインの根拠のない自信がとても怖い。

 こいつは何も知らないからな。

 また、時刻表取り上げられかねないぞ。

 エロ本とかもな。

 持ってないけど。



「設定!」


 レインが痺れを切らして小さいグーによる物理攻撃を開始したので、駅を作ることにした。

 やはり、この技能スキル、ロード時間が長い。

 発動失敗じゃないかと心配になるくらいだ。

 今回は2分くらいかかって、操作パネルが出現した。


「ここはウーバン村外北側です。この場所を選択しますか? (はい/いいえ)」


 とりあえず、はい、を押した。

 肩の上に止まったレインが指を出して操作パネルを押したそうにしている。

 こいつも、きっと操作できてしまうのだろう。

 注意が必要だな。


「今、この場所に設定できるものは貨物駅と仮駅です。貨物駅に設定しますか? (はい/いいえ)」


 ここでも「はい」を選択した。

 前に駅を作った時と、ちょっと言葉が違うのが気になる。

 こういうのってデジタルに同じ表現が出てくるわけじゃないのか?


「ここに、貨物駅を設定します。よろしいですか? (はい/いいえ)」


 最終確認。

 あと、名前をつけるだけだな。

 前回この操作パネルに注意されたから、こっちをウーバン駅にすればいいしね。


 「はい」を選択。


「駅のレベルを決めてください。(0/1)」


 あれ?

 レベル、あらかじめ1にできるのか。


「一度、レベル1の駅を作ったので、1までは設定できるのです。2からは無理なのです。」

「おう、じゃあ『1』な?」


「『ウーバン駅』と命名します。よろしいですか? (はい/いいえ)」


「おい! 名前、名前勝手に決まっているよ? なんでだよ?」

「マスターが、心の中ですでに決めていたのです。それが反映されるのですよ? 名前を変えたいのなら『いいえ』すればいいのです。」

「いや、確かにこの名前にするつもりだったが、だったのだがなんだか心を読まれているような感じがして釈然としない。」

「読まれているのですよ? それでロードに時間がかかったのです。もっと駅のイメージが明確になっていたのなら、ロード時間は短いのです。」

「そういうことは早く言おうな? イメージ勝負なのな? 今度から気をつけるよ。」


 そうこう言っているうちに、技能スキルが発動した。

 設定した土地に、デジタルに四角く光の柱が現れ、眩しくて見えなくなった。

 5秒くらいでその光は消え去ったが、そこにはすでに駅ができていた。

 なんなら、駅前に線路まであった。

 なんでだよ?


「レイン? なんで線路まであるのかな? ラストが泣きそうになっているんだが。」


 できあがった線路をラストがぺたぺたと触って、泣きそうになっている。

 それもそのはず。

 駅前の道が、なぜか石畳で舗装されている。

 それはまあいい。

 その石畳の中に、レールが埋まっているんだ。

 これ、あれだよね?

 路面電車のレールの敷き方だよね?

 どうしてこういうことするかな?


 レール自体は駅前の25メートルだけ。

 もちろんどこへ繋がっている訳でもない。

 北海道とかによくある、廃線後の鉄道駅みたいだ。

 レールが埋まってなければな。


 それに、鉱山の駅は、こんな感じじゃなかったはず。

 駅前に石畳とか無かったし。


「ましゅたー? らすとは? らしゅと、いらないこ? もう、いらないこ?」


 泣きながらしがみついて来たラストの頭を優しく撫でてやった。


「いや、どうしてそうなる。ここから先の線路を敷くのはラストだろう?」

「でも、これ、難しい。とっても難しい線路。どうしよう、どうしようましゅたー?」

「いや、何も難しくないだろう? 鉱山からここまでは、普通の線路を引けばいいだけだし。その、端の部分からは普通の線路でいいから。」


 鉱山からここまで線路を敷くのにだって、かなりの時間と資材を要するはずだ。

 そんな心配するほどのことではないはずだが。


「そうじゃないの! そこじゃないのましゅたー! この! ここ! これ! どうやって保線しよう? レール、痛んだら、どうやって取り替えよう?」

「え? しばらくは大丈夫だろう。痛む頃にはラストのレベルも上がっているだろ? そんなに早く痛む物なのか? というよりも、そんなに頻繁に列車通らないだろ?」

「貨物は、トロッコは重い物載せるから、痛みが早いの!」

「じゃあ、駅の手前までで止めればいい。別に無理してここを使う必要はない。応急的にな。」


 ラストは僕にしがみついたまま、泣き出してしまった。

 ラストが手に持っている比較的大きな両刃オノが、揺れてひやひやする。


 とりあえず拠点ができたので良しとしよう。

 なんなら、村長の家に泊まらなくてもいいかもしれないくらいだ。

 あちらは恩返しと言っているので、一泊くらいはしないと立場がないかもしれないが。


 よろず屋に向かおうとして、村に入ろうとすると、村民が押し寄せて来た。


「新しい王様の城ができたわ!」

「すごい! 一瞬でお城を作れるなんて!」

「今度の王様はすごい!」


 ギャラリーが駅に押しかけて来た。

 「城」と勘違いしているようだ。

 領主の館の方が、まだ城に近しい。


 なんだかんだ言って、新しくできた駅に注目が集まっている。

 まあ、広報も必要だろうな、ということでロッコとラストを駅に置いて行った。

 多分に不安材料ばかりだが、まあ、なんとでもなるだろう。


 あ、なんか村民たちの見る目が、お人形とかかわいい物を愛でる目になっている。

 ラスト、ロッコ。

 がんばれ。



 レインと共に、こんどこそ「よろず屋」にたどり着いた。

 村はそれなりにうまい作りになっていて、村の中に川が流れている。

 鉱山側から流れてくる川と、西の山から流れてくる川が、村の中央やや南で合流している。


 村長の、いや領主の館はその合流地点のやや北側にある小高い丘の上にあった。

 周囲が見渡せるいい場所だ。

 ほぼ、村の中心地にある。

 ただ、ちょっと小高い丘になっているので、ここだけ、登り下りが発生する。


 その丘を南に下ったところから、両側の川に橋がかけられている。

 川幅はどちらも5メートルほど。

 その中で、水が流れているのは2メートル幅くらいだ。

 よろず屋は、その東側の橋を渡ってすぐのところに建っていた。


 ほぼ村の中心地なので、村のどこから来ても買い物しやすい。

 この村の中では、いわゆる一等地だろう。

 そうして、驚いたことに、店自体はかなり大きい。

 店員も10人くらいいた。


 なぜ?

 異世界の店って、個人経営としか考えていなかったんだけど。

 ちょっとしたスーパーマーケット状態。

 ほんとになぜなのだろう。


「ごめんください。」


 入り口を入ると、スーパーで言うキャッシャー、お会計をする場所があった。

 1箇所だけだが、結構大きい。

 窓口方式になっていて、窓口のカウンターの中に2人、カウンターの手前に2人いた。


「あ、グラニーを助けてくださったかたですね。お買い物ですか?」


 カウンターの手前にいた1人が、気さくに声をかけて来た。

 町娘、というには着飾っていた。

 装飾が、結構他の子と違っていた。

 ブレスレットとかイヤリングとか。

 若い子なのに光りものをたくさんつけていた。


「ん? あ、そうだ。ここがよろず屋で間違いなさそうだな。」

「そうです。あ、あら。粉をかけに来たのならあちらですよ?」


 そう言って出口を指差すこの女性。

 男のあしらい方を知っているのだろう。

 この村には、今は女しかいないはずなのだが。


「いや、不躾な視線だったのなら謝る。他の子と比べて、宝飾類が多いなと思ってな。どういうことなんだ? 差し支えなければ教えて欲しいんだが。」

「あ、あー。男の人だから、わたしの身体を見ていたのかと思いましたのに。これは、ですね。そうですね、見栄ですよ? 商売人の基本です。儲かっていそうだと思わせないと、お客さんは逃げていくものですよ? とくに女性は、そういうの敏感ですから。」


 そういうものなのだろうか。

 どちらかというと、成金趣味は嫉まれたりして敬遠されそうなイメージなのだが。


「ああ、そういうことなのか。商売のことは分からないからな。勉強になった。それでな、回復薬が欲しいんだが、ここで扱っていると聞いてな。」

「ありますよ? 3種類くらい揃えています。解毒薬、傷薬、消毒薬です。」

「ん? いや、ポーション的なだな。」

「あ、魔法薬の方を御所望でしたか。それでしたら、たしかにありますけど、お高いですよ?」


 む、ちょっと待て。


「レイン。確認なんだが。」

「はいです。」

「僕たちって、お金、持っていたか?」

「持っていませんよ?」

「鞄に入っていたり?」

「しませんです。」


 店員の女性が満面の笑みで、背中を押して来た。


「出口はあちらです。またどうぞ〜。」



 そうね。

 無一文は、追い出されるシステムだよね。

 あきらめて一旦、駅に戻って仕切り直すこととした。

ちょっと予定よりも長い文章になってしまいました。

本来なら2話分の内容を若干縮めて1話分にまとめた影響です。

さて、また、駅ができました。

駅ができても駅間に線路はありません。

新幹線なんかだと、よく見られる光景ですね。

駅自体はすでにあるので、そこをどう繋ぐのか。

実際に営業が始まるまで、とても気になるものです。

鉄道の経済効果は、昔ほどではないにせよ、大きいものですからね。

昔で考えるなら、炭鉱からの貨物列車とか、寺社仏閣へつながる参宮鉄道とか。


さて、この小説は読者の心とつながるような話になっていますでしょうか?

結構雨が降った後なので心配ですが、何事もなければ明日の15時ころに。


訂正履歴

あとがき 自社仏閣 → 寺社仏閣

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